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錦木伝説
謡曲「錦木」の錦木塚が秋田県鹿角にある。
昔から「錦木」と「狭布の細布」は歌枕であり、名だたる歌人が謳っている。
謡曲「錦木」は、旅の僧が、陸奥の狭布の里で、女は細布を、男は錦木を持った夫婦の市人二会い、その売物の謂れを尋ねると、答えた。
〜この辺の地域では、男は思いこがれた女性には門に錦木を3年3ヶ月≒千日、たてつづける風習がある。ある男が毎日毎日、錦木を゙立てに来ていた。そのことを知っていた相手の女性も、段々男性の事が好きになっていった。。
然し、女性は身分の違いを理由に父親に咎められたことや、ちょうど里の子供が拐われる問題が解決されるように、願を掛けて、鳥の羽根が編み込まれた反物を作る為に機織をしている期間だったため、男性の事を理解していながらも、気持ちに応えることが出来なかった。
ついに千束、3年3ヶ月 錦木を立て続けた男性は、思いが届かなかったとしんでしまう。女性も亡くなった男性の事を゙聞き、機織りを゙仕上げるとあとを追うようにしんでしまう。憐れんだ父親はふたりの亡骸を同じ塚に埋葬した。
細布は、鳥の羽根を編み込んだ細い布で、胸が合い難い恋に例えたもの、錦木は彩り飾った5種の木を合わせたもので求婚の為に門に立てる仲人木だと〜
と言って塚の中に2人消えてしまう。
僧が、その跡を弔っていると、僧の夢の中に2人が現れる。2人は懺悔物語をし仏縁を得た喜びの舞をする。
明け方、僧は目覚めたが二人の姿は無かった。
という話。
謡曲であり、能や浄瑠璃で演じている。
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∴「錦木は たてながらこそ朽ちにけれ けふのほそぬの むねあわしとは」 能因
歌枕の意味そのままを読んでいる。 「錦木」とは、思いあいながらも一緒になれなかった無念を゙指し、「けふのほそぬの」は、むねが合わない、思いが合わないことを指している。
∴「人しれぬ 心にたてつるにしきぎの 朽ちぬる色や袖にみるらん」 藤原隆房
また袖出てきたでー
袖は他生の縁、因縁と使うんだろうね。
人にはわからない心に決めたことは、叶えられなくとも、因果関係で現れると謳う。
西行なんか「錦木」の歌は直球。
だから好き。
∴「錦木を 千束(ちつか)立つるをかずとして なもあみだ仏と 日々に唱ふる」
南無阿弥陀仏口癖にせよ!
という法然の言葉と同じ意味だね。
やっぱ西行さん。
振り切っていて好き。