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ありがとうダイの大冒険【鷹嶺ルイ同時視聴⑭〜最終回】

鷹嶺ルイさんによるダイの大冒険同時視聴最終回を終えての感想です。
同時視聴はこちら

本当に素晴らしい作品でした。
骨太で芯の通った熱いストーリーの中で、限界までキャラの魅力を引き出した上での大団円。
こんな偉大な物語がこの世に存在するのに内容を知ろうとしなかった自分に、摂取するきっかけを与えてくれたルイ姉に改めて感謝を。

今回、83〜100話まとめての感想になってしまうので、拾いたい部分を全部拾ってしまうとキリがありません。
ポップとダイ、そして物語全体の完成度の高さという観点から語ります。

ポップとダイ

「閃光のように!」から「ダイはダイだっ!」までの流れが、ダイの大冒険のテーマを象徴していた。

ポップの人間としての勇気があるからこそ、ダイの竜騎士としての強さが魔王を打ち砕くまでに引き上げられる。
竜騎士じゃなければバーンは倒せなかった。
でも、ポップがダイのことを竜騎士ではなく一人の友達として見ていなければ、ダイの強さはバーンに届かなかった。
やっぱりダイの大冒険は、ポップを通じた人間讃歌だった。

戦神の血を引きながら「友達が欲しい」と神の雫に願ったダイが、物語を通じて得た真の友と魔王の前に並び立つ展開。
構成力が異次元。

「一瞬…だけど閃光のように…!!」

ロン・ベルクさんが「魔族の人生は密度が薄い」と言っていたことへのアンサーをポップが人間代表として答えたかのようだ。
ポップの生き様は濃厚な人生の極致。

旅立ちの時のポップは、確かに頼りない存在だった。改めて振り返ると、そこからの成長はすさまじい。
知恵の面では圧倒的頂点にいたかに思えたアバンに「切れ者ならば私以上がもういる」と言わせた知性、一人でバーンの天地魔闘の構えを受け切る武力、大魔王を前に啖呵を切り、諦めかけたダイを再び立ち上がらせる勇気。
旅を通じて人間の可能性を示してくれたポップ。
輝く閃光以外の何物でもない。

「最高の友達…ポップ…!!」

ダイのゴメちゃんへの「ぼくのトモダチになってよ」という言葉に込めた「友達が欲しい」という願いが、こういう形で叶ったということなんだと思う。

ポップに勇気をもらって立ち上がるダイと、立ち上がるダイの姿を見て泣いちゃうポップの関係性、最高の友達そのものだよ。

この関係性を見ていると、自分が人間であることすら誇らしく思えてくる。
心の折れた竜騎士も勇気付けるほどの大魔道士の強さの根底にある、友人の再起に涙がこぼれちゃうような弱さ。
力強いこと言っててもやっぱり不安だったんだよな。
弱さを乗り越えて立ち向かうポップに人間の魅力が凝縮されている。
人間に生まれて良かった。

自分は困難に立ち向かう勇気どころか困難の気配を感じた時点で別の道を選んじゃうような人間だけど、大きな視点で見れば「人間の弱い部分担当です」ってことで胸を張れる勇気をポップにもらえました。
明日から頑張るよ俺。明日からね。

「お前は昔から天才だよ!ポップ!」

ポップの「あいつは本当に強いんだ、おれなんかと違ってな」に対するアンサーですか(同時視聴感想第2回参照)
もう泣いちゃうよこんなの。
一般的な天賦の才ということを言いたいんじゃなくて、「ポップのことをずっと頼りにしてる、ポップがすごいことなんてずっと知ってる」ってことを言いたいんだと思う。

ポップ好きとしては、やっぱり作中でポップを褒めてもらえると嬉しい。
そしてポップはあらゆるキャラクターに褒められてはいる。
ミストバーン戦、ポップ消滅!?のシーンで仲間の心が折れるシーンなんてその象徴。
気付けば精神的にも強さ的にも、ポップはみんなの中心になっていた。

それでも、カイザーフェニックスを分解したポップに対するこのダイの台詞が一番嬉しい。
大魔王最強の呪文を無力化するという偉業に対し、バーンは驚いてもダイは驚かない。
「なぜそれができたのか」の説明は作中でされないけれど、ポップができたことに視聴者側も納得してしまう。
そうだよな!!ポップだったらできるよな!!俺たちのポップは最強なんだよな!!
それを一番知ってるのがダイなんだよな!

たまんねえよ…この漫画を読めて、このアニメを観られて本当に良かった…

できることなら、ダイとシグマとハドラーとアバンとヒュンケルとクロコダインとマトリフとメルルと一緒にポップについて語り明かしたい。
マァムも、まあ…入れてやってもいいか…来るなら二次会からな。

作品全体の完成度の高さ

最初から最後まで、物語がずっと上質だったと思う。
矛盾らしい矛盾もなく、開始から想定されたエンディングに向け、登場人物の成長と物語の謎の開示を、テンションの低下なく描き続けて走り抜けた。

キャラの魅力はこれまでも語りまくったから、ここで触れるのは謎の開示部分と構成の美しさについて。

闇の衣と凍れる時間の秘法

「ミストバーンの正体って何なの!?」という謎を引っ張り続けたのが本当にすごい。
フレイザード戦、鬼岩城編、ハドラー編と、少しずつ正体につながる情報を見せながらも、「底知れない」という不気味さは、しっかり保ち続けていた。

その上で、ドラクエファン垂涎の「闇の衣」を、本家とは逆に「剥いではいけない」という要素に使い、「凍れる時間の秘法」とかいう名前だけでご飯何杯でもいけるような秘術(ドラクエの低レベルクリアのためのテクニックとして名前を聞いたことだけはあったよ!)で肉体の強さを保存。

物語全編を通して隠された秘密は、魔王の真の強さにつながる、本当に重要な情報だった。
大魔王の第2形態をこれほどの説得力を持って明らかにした展開に、鳥肌が止まらなかった。
追い詰められるまで使わなかった理由も、使った時の強さも納得。

序盤で顔見せし、中盤〜後半にかかるあたりで一度戦闘力を見せたラスボスが、最後までラスボスとして君臨し続けることなんてできるんだなあ…。
天地魔闘の構えの強さ、ピラァ・オブ・バーンを最後まで隠す狡猾な頭脳、奥の手としての鬼眼王解放の覚悟、どれを取っても大魔王の名に恥じないカリスマ性だった。
バーン様かっこよかったです。
「大魔王ゾーマ」が世に生み出された後に少年漫画に登場した大魔王は、ちゃんと名前負けしない大魔王だった。

ゴメちゃん

さすがに神の雫は予想外だった。
「激レアモンスターで、秘めた力が強いから、ラストバトルでも活躍する」くらいの予想は立つけど、そもそもが願いを叶えるためのアイテムだったとは。

心を持たないアイテムなんかじゃなくて、真の意味でダイ達の友達だったことは物語を追ってきた人なら誰でも分かる。
「本当に、ずっと楽しかったから」は、ここまで物語を追ってきたこちらの想いと完全に重なってた。
楽しかったよな、ゴメちゃん。
本当にありがとう。

ラストバトル・竜魔人ダイVS鬼眼王バーン

ゴメちゃんの力を借りて、バーンの企みを人間たちが団結して阻止したところで魔族VS人間の勝負は決着していたように思う。
個人の生物的な能力で圧倒的優位に立つバーンの、その長寿も生かした企みは、人間の団結力を上回れなかった。

種族として、言葉を尽くして矜持をぶつけ合う戦いはあの時点で終了。
ダイが真魔剛竜剣を持って以降、バーンとダイの二人が一切言葉を発しなかったのには演出以上の意味を感じた。
神域に達したこの2人の戦いに、武力の多寡を決める以上の意味は、もうない。
ラストバトル、戦闘としての盛り上がりは最高潮なのに同時に感じる虚しさ。
「ああ、ダイの大冒険が終わってしまうんだな」という寂しさも一緒に感じて、フィナーレに向けた構成の美しさに感動してしまった。
ありがとう、ダイの大冒険。

同時視聴感想

「デビュー配信に戻って、好きなアニメにダイの大冒険を加えたい」と話すルイ姉を見て、本当に同時視聴とは素晴らしいものだなあと思いました。

自分が「面白い!好きだ!」と思った時に、それを共有するというのは簡単なようで難しいことです。
発信をすることはできても、「そうだよね!」という返しや、そこから掘り下げた熱いトークをすることなど普通は叶いません。

その望みを200%叶えてくれる同時視聴でした。
まあ、厳密な意味での同時視聴ができたのはほんの一部でしたが…。
「ダイの大冒険、すごすぎる、面白すぎる」となった上で、同時視聴で存分に楽しむルイ姉を見て、時に後方腕組みで、時に「そんな見方があったのか」と感心しながらコンテンツを味わうというのは、本当に新鮮な体験でした。
クロコダイン、ロン・ベルクを始めとする魅力的なキャラクターの見せ場に狂喜乱舞する推しの姿の栄養でこちらの肌はツヤツヤです。

人生という名のRPGにおける「だいじなもの」リストに、視聴者とルイ姉がそれぞれ「ダイの大冒険」を入れるまでの旅だったように感じます。
「それを捨てるなんてとんでもない」という思い出がまた一つできました。
ありがとうルイ姉、ありがとうダイの大冒険。

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