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魔々勇々第26話感想・考察 世界を覆う魔王(ジャンプ16号)
この記事で掲載している画像は全て2024年週刊少年ジャンプ16号「魔々勇々」(林快彦)から引用しています。著作権・肖像権等は全て権利所有者に帰属致します。
次話はこちら
サブタイトルは「刹那一滴」
エンドの涙のことかなと。
これを見逃さなかったコルレオ、打開の一手はここからか。
第1話で一番インパクトを受けたのはエンドの造形だった。
こいつの不気味な造形と、それを圧縮するエヴァンの能力の表現・演出力で、この漫画を応援しようと決めた。
そこから表情・心情描写。キャラ魅力と次々に持ち味を見せてくれて、どんな展開でも毎週心から楽しんでいたんだけど、今週は改めてエンドの演出力に圧倒された。
おもしれえー…やっぱ林先生の演出力は唯一無二だよ。
今回はキャラに着目して書くとよさげだったので各キャラごとに思うがままに感想・考察を綴っていきます。ちょっと駆け足でごめんなさい!
◆マママ
「そんなにワシが恋しいか?」の後に照れちゃうのかわいすぎるんだけどこの38歳なんなんだ。
からの「ワシに人質の価値などない…!!」の覚悟の決まりっぷりは、さすが共生の時代を作った勇者のパートナー魔王。
序盤では紋章を失ったマママが戦闘に関わらないことを残念に思っていた部分もあったけど、マママの本質は優しさと心の強さだってことが良くわかる。
グリシャとしてはコルレオの説得材料でしかないマママに本当に死なれては何の意味もないわけで、刺さったナイフを自ら動かそうとするマママは戦闘力なんてなくてもちゃんと強い。
コルレオの心の強さは母譲りだよなあ。
◆グリシャ
底を見せたかと思っていたところで更なる謎を見せてきた。
「俺が王になるか全員死ぬかの二択だ」
エンドにはグリシャも怯えていたということなのか。
このあたりの台詞から考えられるグリシャの本心は、
①エンドの暴走を止めるため自分を犠牲にし、世界が滅びない唯一の手段としてエンドに協力していた。
②エンドをうまいこと利用して王になろうとしていただけ。
の両方が考えられるけど、まあ、後者なんだろうなあ。
そもそも紋章を食わせる手伝いをしなければエンドが脅威と言えるレベルに自力で復活できなかった気もするし。
ただ、②の過程でエンドが力を戻しつつある中で、結果として今回の台詞のような状態になってしまった。
そう考えるとグリシャマジで余計なことしてくれたなって。
他方で、どっちにしろグリシャの異物感は拭えない。
こいつの来歴が本当のラスボスにつながってくるんじゃないかなあ。
◆エンド
・演出
ギャーギャーわめくグリシャのページから一転、音がなくなったかのような「エヴァン…」のコマに続く真っ暗な背景の奥から2ページ使ってこちらに迫ってくる迫力。
禍々しいという言葉だけではとても表現しきれない不気味な造形と、大陸全土を覆っているんじゃないかと思わせるサイズが与える絶望感。文字通り世界を覆ってしまっている。
そいつがねじ曲がったフォントで絞り出す言葉は「エヴァン」のみという異様さ。
![](https://assets.st-note.com/img/1710697616802-9rtsUmHlM0.png?width=1200)
「こいつだけは復活させてはいけない」系のボス、漫画にはよくあるけど、ここまで「あ、これはダメですね~」ってなることを表現しきれているキャラはなかなかいないんじゃないだろうか。
黒塗りのページ、「あ、やばい、来ちゃいけない奴がくる」ってめっちゃゾワゾワした。
勝ち負けの次元じゃない規模の格を感じる。
・何考えてるの
エヴァンに執着するヤンデレなのは一目で分かる。
だけど、それ以外が分からない。
ここまで規格外なら、今から自分で他の魔王と勇者を吸収して能力を回復し、自分でエヴァンを復活させりゃいいんじゃないの?とか。
この点は、エンドは自分の紋章術をコントロールできていなくて、近寄る者全てを死に近づけてしまうのかもしれないと思った。
自分が動こうとすると、紋章を回収する前に相手を死なせてしまう。
だからこそ、ミニマム状態でグリシャに憑依し、復活までの道程はグリシャに委ねた。
エヴァンに執着するのも、自分に近づいて唯一死なずに済む者だったからなのかもしれない。
他方で、生来のヤンデレのせいで、グリシャの様子からコルレオの紋章を吸収できそうにないことに我慢の限界に達して、「会えないなら全部ぶっ壊す!」ってなっちゃったと。
完全にイカれてるけど、エヴァンに会いたい気持ちだけは本当だから涙が零れたってことなんだろう。
◆サディコ
やっぱりサディコが好きなんだよなあ。
![](https://assets.st-note.com/img/1710697690142-LLwENd5h63.png?width=1200)
コルレオ以外の他のキャラがエンドの出現で致命的なダメージを負っている中、ダメージを受けつつもモニカとミネルヴァを守ることができているのは、一人だけ格が違う(パンネロさんも無事っぽさあるけど、この人は強いだけだから…)。
しかも表情は絶望ではなくて喜ぶオタクのテイスト。
毎回表情で楽しませてくれる。
勇者オタクだもんね。母なる紋章が目の前に来たら垂涎ものだよね。
ところでこのコマの左側で一人だけ立ってる男性は誰だ?
エンドの影響が世界全体に及んでいることを示しているのは分かるんだけど、一人だけ立てているっていうのはキーキャラなんだろうか。
◆コルレオ
今回も本当に主人公。
グリシャのワープに当然についていけるのはもちろん、傷ついたマママの回復もできてて強さ的には本当に段違い。
それでもマママを人質にされたら動けないよね。
ここを自力で打開するマママはさすがだった。
・「頼むよ!俺と話をしてくれ!!」
いやー熱い。
序盤からずっと言ってるけど、武力を行使する前に、可能性がある限り絶対に対話を試みるところがコルレオの最大の魅力。
コルレオの勇者像「守る」ことにあることは第1話時点で明らかになってるけど、この「守る」は単純に「傷つかないようにする」以上の意味を持っていると思う。
別記事でも語ったように、コルレオが守るのは他者の尊厳。
敵味方問わず人の尊厳を守るためには相互理解以外の方法はない。
グリシャに対して覚悟を決めたように、武力しか解決手段がないとなれば武力行使ができる精神的成長もしたし、それに十分すぎるの力も得た。
それでも、エンドの「刹那一滴」の涙を見たコルレオは対話を試みる。
自分に守りたい仲間がいるのと同じように、エンドにだって本当の望みがあるんじゃないのか。
読者ですら絶望するエンドのでかさ、不気味さに全く物怖じせず説得に転じたコルレオは応援したくなる少年漫画の主人公そのもの。
◆偉大なる勇者ハロハロここに眠る
ここでついにハロハロ登場の兆し…!
今の段階でどんな絡み方をするのかは分からないけど、ロケットから魂らしきものが移動しているのを見ると、これまでの記事で考察してきた説がかすってはいそう。
今までの考察を更新するような情報が追加されたわけではないので、もう来週をただただ待つのみ。
Xの盛り上がりを見るに、今回の記事はいつもより多くの人に読んでいただけそうな気もするので、これまでの考察が気になる方は23話、25話の感想を読んでみてください。
◆まとめ
すごい漫画だ。本当にそう思った。
絵以外では表現できない演出をこれでもかと見せてもらえた気がする。
「逃げろ」と言ってるのが誰なのかとか、死ぬだけじゃなくて復活してるやつもおるやんけとか、この迫力の裏に謎まで散りばめてるのも凄すぎる。
今電子版を読んで感想を書いているけど紙で読んだら絶対また違った迫力を味わえると思うと紙版を読むのが楽しみ。
そして来週の展開が今から待ちきれない。
今回、やや駆け足になってしまってすみません。
ちょっと仕事の関係で、月曜火曜の夜に続きを書く作業ができるか分からないもんで、とにかく初見の想いをぶつけて更新させていただきました。
もしかしたら随時追記するかもしれません。
そして、今更になってしまいますが、いつもスキしてくれたりコメントしてくれる皆様ありがとうございます。
好きでやっていることではありますが、リアクションが更新のモチベーションになっております。
今後も楽しく魔々勇々を応援していきましょう!
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◆特別編 鵺の陰陽師、カグラバチ、魔々勇々の比較