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緩和ケアの闇---「安楽死」殺人ビジネスの実態(書籍)

 現在、日本の緩和ケアの現場では、末期がん患者を「持続的深い鎮静・セデーション」処置に掛け、短期間で「安楽死」させて金儲けをする医療ビジネスが蔓延しています。 緩和ケア病棟では入院料の定額制がとられ、入院期間が1ヶ月超えると段階的に引き下げられて、1病床当たり年間で最高1,900万円の入院料が、最低では1,240万円と、660万円も減額されてしまうのです。金儲けに走る悪徳病院では、入院患者を次々と「安楽死」させて、高額の診療報酬を獲得しているのです。

 そこでは患者は入院直後から、向精神薬で薬漬けにされ、意識が朦朧とした状態にして管理の手間を省くと同時に、向精神薬特有な酷い副作用で患者を精神的・肉体的に追い詰めています。そして患者の生きる意欲と希望を奪い、「安楽死」へと追い込んでいるのです。

 緩和ケア病棟での「持続的深い鎮静」の実施率は、7~68%と大きく分散しており、一部の施設では医学的必要性を超えて恣意的に実施されている様子が窺えます。平均の施行率 28%から考えると、年間約2万人のがん患者が「持続的深い鎮静」に掛けられ、「安楽死」させられている計算になります。日本のがん死亡者数は年間約38万人ですので、その数%に相当する数万人の末期がん患者が、医師によって毎年殺害されている可能性が有るのです。
 
  私の弟は入院41日目に「持続的深い鎮静」に掛けられ、その1日半後に亡くなっています。 本書は、弟が入院して殺害されるまでの経過を詳しく記述したもので、2020年10月に自費出版したものの改訂版になります。この要約は、ブログに『緩和ケアという名の「安楽死」ビジネス』として投稿しています。相当の分量(約36万字)になりますが、ブログ記事で興味を持った皆さんに読んで頂ければと思います。

読者の皆さんへ

 皆さんは、今の日本の緩和ケアで日常的に行われている、「鎮静・持続的深い鎮静・セデーション」と呼ばれる処置をご存知でしょうか?これは死期の迫った末期がん患者の、死の苦しみを和らげる事のみを目的に実施される処置で、患者は数日で死を迎えますので実質的に「安楽死 」と等しいものです。

 実は、この「持続的深い鎮静」を悪用して、末期がん患者を劇薬を使って「安楽死」させて安易な金儲けを図る、文字通りの殺人ビジネスが日本の緩和ケアの現場で蔓延しているのです。現在、緩和ケア病棟では入院料が定額制になっており、入院が 1ヶ月を超えると診療報酬が段階的に引き下げられるシステムになっています。特に、入院が 2ヶ月を超えると診療報酬が最大 35%近くも大幅に減額されてしまうのです。つまり、患者を2ヶ月以上長期入院させると、病院の受け取る報酬が劇減してしまう訳で、金儲け主義に走る病院では、入院患者を1~2ヶ月以内に死亡退院させる事を狙って、計画的に患者を「安楽死」に追い込んでいるのです。

(2018.4/10 Kw病院の庭にて)

 私の弟は、 2018年5月7日に和歌山県橋本市の民間病院で「持続的深い鎮静」に掛けられ、その1日半後に亡くなっています。その直前まで、弟は介助の必要もなく自分で食事が出来ていたのです。それが処置の開始後は、栄養と水分補給を完全に遮断され、同時に死亡するまで劇薬を24時間連続で注射され続けたのです。つまり、弟は「持続的深い鎮静」を利用して殺害された訳で、この「安楽死」処置をされなければ、もっと長く生きられたのは間違い無いのです。

 今回の事件で特に私が許せないのは、患者に「持続的深い鎮静」を受諾させる事を狙って、 一か月以上も前から計画的に劇薬の向精神薬の投与を開始し、以後段階的に投薬を拡大して、その酷い副作用で患者を精神的・肉体的に追い詰めて、この「安楽死」処置に同意させている点です。弟の場合、「持続的深い鎮静」開始時点で、治療とは全く無関係の、抗てんかん薬・抗精神病薬・抗うつ薬・抗パーキンソン病薬などの精神病の劇薬が、6種類も投与されていました。その結果、弟は日々酷い倦怠感、不眠、極端な精神的不安定、意識障害に悩まされ、生きる意欲を奪われて「安楽死」処置の同意に追い込まれたのです。

 しかも、医師と看護婦は家族の不在の隙に、繰り返し甘言を弄して患者にこの「安楽死」処置の受け入れを迫っていたのです。彼らは「安楽死」「持続的深い鎮静」などの用語は一切使わず、「お薬で眠る」と単に睡眠薬で眠るだけの、危険性の全く無い安全で快適な処置であるかの様に説明して、患者と家族を狡猾に騙して同意に誘導しています。最後には、家族の猛烈な反対を押し切り、本人の同意書を取って強引に「持続的深い鎮静」に持ち込んでいるのです。この間の手続きも、患者の生死を決定する処置であるにも拘らず、杜撰極まり無いものです。カルテには、何故「持続的深い鎮静」を実施してまで、患者を無理やり死に追い遣らねばならないのか、その説明、理由が何1つ書かれていません。そして、たった一人の主治医が、家族の意向を全く無視して患者の死を決定していたのです。
 
 皆さんの中には、末期がん患者の最後は酷い苦痛に苛まれて死ぬのだから、やむを得無いと考える人も居るかも知れません。しかし、抗がん剤や手術などによる無理な治療さえ行わなければ、今日ではがん患者が苦しみにのたうち回るといった事はほとんど無いと言われます。現在の優れた緩和ケアの技術を使えば、「肉体的な痛みは99%以上はコントロールできる」とされているのです。つまり、本来なら「持続的深い鎮静」の対象となる様な患者は、全体の数パーセント程度に過ぎないはずなのです。ところが一部の緩和ケア病棟では、70%近い入院患者にこの「死の処置」を実施しています。即ち、こうした病院では患者の「安楽死」、つまりは殺害そのものを目的に「持続的深い鎮静」を高頻度で実施している疑いが極めて強いのです。

 医療従事者では無い一般人には信じ難い話ですが、私も弟が犠牲になるまでは、医師が患者を騙して毒殺するなどとは思いも寄らない事でした。しかし、この常軌を逸した犯罪が、日本中の緩和ケア病棟で日常的に実行されている様なのです。しかも鎮静処置の実施率から考えると、年間数万人規模のがん患者が、医師によって殺害されている可能性が高いのです。これは医療ビジネスの対象から外れ、用済みになった、又は邪魔になった末期がん患者の殺処分であり、第二次世界大戦中にナチスドイツが行った、精神障害者・ 身体障害者の「安楽死計画」と同類のものです。

 2020年7月、 全身の筋肉が衰える難病の「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」 の女性患者を、二人の医師が薬物を投与して殺害したとして逮捕され、その後起訴された「ALS嘱託殺人事件」は、社会に大きな衝撃を与えました。犯人の二人の医師は、女性患者の主治医ではなく単にSNSで知り合っただけの行きずりで、「安楽死」を望む女性患者から、事件の1週間前に医師の口座に現金約130万円が振り込まれていました。2人は2019年11月、女性患者が暮らす京都市中京区のマンションを知人を装って訪問し、付き添いのヘルパーが別室に出た隙に、チューブで胃に栄養を送る「胃ろう」から薬物を注入したとされます。2人が立ち去った後、女性は呼吸停止状態に陥り、搬送先の病院で死亡しました。司法解剖の結果、胃から鎮静作用がある「バルビツール酸系」の薬物の成分が検出され、死因は急性薬物中毒とされています。

 医師の一人の大久保愉一被告は、「高齢者は見るからにゾンビ」「高齢者への医療は社会資源の無駄」「寝たきり高齢者はどこかに棄てるべき」などと、度々ネットに匿名で投稿していたとされます。また、手塚治虫の漫画『ブラックジャック』に登場する、難病患者・重症患者を薬物で「安楽死」させる事を専門とする「ドクター・キリコ」について繰り返し触れ、「俺がもし開業するなら、ドクター・キリコしかないといつも思う。 自殺幇助になるかもしれんが、立件されないだけの無駄な知恵はある」などとツイッターに書き込んでいました。 

 また二人の医師は、『扱いに困った高齢者を「枯らす」技術』という電子書籍を、共著で出版までしていました。その内容紹介には、次の様に書かれていました。

認知症で家族を長年泣かせてきた老人、ギャンブルで借金を重ねて妻や子供を不幸に陥れた老人。そんな「今すぐ死んでほしい」と言われる老人を、証拠を残さず、共犯者もいらず、スコップや大掛かりな設備もなしに消せる方法がある。医療に紛れて人を死なせることだ。病室に普通にあるものを使えば、急変とか病気の自然経過に見せかけて患者を死なせることができてしまう。違和感のない病死を演出できれば警察の出る幕はないし、臨場した検視官ですら犯罪かどうかを見抜けないこともある。荼毘に付されば完全犯罪だ。(『「現代優生学」の脅威』池田清彦著より引用)

 なんとも呆れ果てた二人の医師の本音が、赤裸々に綴られています。今回の事件が、「高齢者への医療は社会資源の無駄」と考える医師による、金目当ての犯罪であった事は明白です。性根の腐った医師から見れば、「安楽死」も儲け話の1つに過ぎ無いのです。それと同時に、この犯行の背後には、役に立たない高齢者・難病患者・障害者に対する、抜き難い蔑視が存在していた点にも注目すべきです。

  同様の事は、2016年7月に起こった、神奈川県の知的障害者施設「津久井やまゆり園」での45人殺傷事件でも見られます。これは、以前に施設で働いていた当時26歳の男が、19人の入所者を殺害し、 職員を含む26人に重軽傷を負わせた事件です。 犯人の植松聖死刑囚は公判で、「意思疎通の取れない人間は安楽死させるべきだ」「重度障害者は必要ない」「国からお金を支給されて生活しているので、守ってはいけない」などと主張したとされます。
 
 障害者・難病患者・重症患者・高齢者などに対する医療は社会資源の無駄であり、このような社会に負担を掛けるだけの役に立たない人間は「安楽死」させるべきだと言う優生学的思想の背景には、これらの社会的弱者に対する差別意識、自分より劣った人間だと見下す根深い蔑視が存在しているのです。これは、20万人もの精神病患者や身体障害者を殺害した、ナチスの「安楽死計画」と同じ事です。ナチスも同様に、障害者を社会の医療資源を浪費する厄介者と考えていたのです。だからこそ、植松聖死刑囚は19人もの殺人を、社会の為に実行したとうそぶいたのであり、ALS嘱託殺人事件の二人の医師は、小遣い稼ぎの軽い気持ちで女性患者を殺害した訳です。犯人にとって、被害者は生きる価値の無い社会の寄生者・邪魔者に過ぎず、彼等を殺害しても社会の為にこそなれ、良心が疼く様な事では無かったのです。

図1)ナチスの月刊誌「Neues Volk」の優生学ポスター 

(「この遺伝性疾患に苦しむ人は、生涯にわたって地域社会に6万ライヒスマルクの負担を掛けています。市民の仲間、それはあなたのお金でもあります」(出典:ウィキメディア・コモンズ ))

 「ALS嘱託殺人事件」は、その後意外な展開を見せる事になります。実は、事件に先立つ2019年9月にも、海外での「安楽死」を望む別の難病患者の20代女性の英文の診断書を偽造していた事が明らかになり、有印公文書偽造罪で追起訴されています。さらに驚いた事には、10年前にも二人の医師らが一方の父を殺害していた疑いが出てきて、母親とともに殺人罪で起訴されたのです。医師の一人の山本直樹被告の父親は、長野県の精神科病院に長期入院していたのですが、2011年3月5日午前に退院します。ところが、その同じ日に、母親の名前で東京都中央区役所に父の死亡届が提出されているのです。そこには江戸川区のアパートで、心臓や血管の病気で急死したと記されていましたが、入院していた病院の主治医は「(当時の健康状態は)死に直結するような病状ではなかった」と証言しています。このアパートの部屋は、死亡5日前に医師の名義で短期契約されていた事も分かっています。また山本直樹被告は、メールで父の存在が「周囲を不幸にする」と書いていました。

 さらに山本直樹被告は、医師国家試験の受験資格の要件を満たしていなかったとして、2021年12月に医師免許を取り消されています。韓国の医大を卒業し、韓国の医師免許を取得したとして、2010年の国家試験に合格し医師免許を取得していたのですが、韓国での医学部卒業や医師免許取得の事実が無かった事が判明したのです。つまり、「ALS嘱託殺人事件」を起こした医師の間では、次々と犯罪・違法行為が明らかになってきた訳で、これでは医師が犯罪を犯したと言うより、犯罪者が医師になっていたと言うべき状況です。

 結局、「高齢者は見るからにゾンビ」「寝たきり高齢者はどこかに棄てるべき」などと高齢者・難病患者に嫌悪感を抱き、社会的弱者をあからさまに蔑視する様な医師、患者を「安楽死」させても捕まらなければ良いと考える様な、遵法精神の欠片もない医師によって「安楽死殺人」は実行されていたのです。 

 「ALS嘱託殺人事件」は社会の注目を浴びましたが、同様の「安楽死殺人」が緩和ケアの現場では、はるかに大規模に日々実行されています。弟の殺害にも、この事件で使われたと同じ 「バルビツール酸系」の鎮静薬が使われていました。違いは、ALSの女性患者の場合は投薬直後に死亡していますが、弟は死亡するまで 43時間にわたって劇薬を注入され続け、時間を掛けて徐々に殺されたと言う点だけです。しかも弟の場合は、1カ月以上前から劇薬の向精神薬を毎日投与され続け、その副作用で苦しみ抜いた末に同意させられている訳で、主治医は最初から計画的に患者を「安楽死」に追い込んでいたのです。

 今日では一生の間に二人に一人ががんに罹り、3人に一人はがんで死亡すると言われています。つまり、家族の何人かはがんに罹り、緩和ケアの必要に直面する可能性が高いはずです。 その時、あなたや家族が医者や看護婦に騙されて殺されない為にも、緩和ケアの医療現場で一体何が行われているのか、是非真実を知って頂きたいと思います。 

 この卑劣極まりない非人道的犯罪を止めさせ、これ以上犠牲者を出さない為にも、緩和ケア病棟の密室内で一体何が行われていたのか、医師と看護婦が如何なるペテンと詐術を使って犠牲者を騙し「安楽死」に追い込んで行ったのか、私たち兄弟が体験したその実態を明らかにしなければならないと決意し、その詳細を本書にまとめました。多くの人に、この信じ難い医療ビジネスの闇、その不都合な真実を知って頂きたいと思います。

2022.5/1

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