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山茱萸 あるいは はるこがねばな
天皇誕生日による三連休の中日、久しぶりの晴天となった土曜日は、郊外にロードバイクでサイクリング。その帰路、神代植物公園を訪れました。
お目当ては梅園で、そのお目当ては期待通りだったのですが、まず目についたのは山茱萸のどこか気品を感じさせる花盛りでした。
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基本的に花は白色のものが好きな私ですが、早春の、光が満ち始めつつも冷たい空気を彩る黄色い花も心に響きます。
山茱萸は「さんしゅゆ」という何やら詩情を感じさせるその語感の故に記憶に刻まれている。
元々は中国原産の樹木で、薬の原料とされているのだとか。日本にも、主に薬用として朝鮮半島経由で江戸時代に持ち込まれたようで、「さんしゅゆ」という言葉は、中国名の山茱萸をそのまま日本読みとしたものとか。植物学者の牧野富太郎博士が、今自分の花の姿から「春黄金花(はるこがねばな)」を和名とすることを奨励されたようです。何やら、牧野博士のお人柄と言いますか、感性を想起させるようで微笑ましいですね。
名付けの仕方も、花期以外の樹木の特性を捉えるのか、早春の僅かな時期の花の風情を捉えるのかで随分と変わってくるように思います。
葉を出す前に小さな花を、よく手入れされた松の木のような枝ぶりの先に咲かせるその風情も好ましい。
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ずいぶんと風情は異なりますが、満作も梅園の片隅で、同様の黄色い花を咲かせていました。
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そう言えば、名付けの仕方で言えば、オオイヌノフグリの可憐な花が足元で春の訪れを喜んでいました。
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それにしても、こんな可憐な姿なのに大きな犬のふぐり、陰嚢とは。。可哀想な名前をつけられてしまったものです。
この植物も日本固有種ではなく、ヨーロッパ原産。ラテン語の名前では、Veronica persicaと言う、聖女を想起した名前が付けられているのに、明治に日本に入ってきた後は、果実の形が犬の陰嚢に形が似ているという理由で、こんな名前になってしまいました。この和名を名付けたのも牧野富太郎博士なのですよね。この差はなんだろう、酷くありませんか牧野博士!と声をあげたくなりますよね。しかも、ハルコガネバナはあまり定着せずに主にサンシュユと呼ばれ記憶されている一方、こちらはオオイヌフグリの名が定着してしまっていると言う悲劇!(いや大袈裟か。。)
そんなどうでも良いような良くないようなことを思いながら、心地よい陽射しの中、公園内を散策していました。
そうそう、お目当ての梅園も綺麗に見頃を迎えていましたよ。こんな風に。
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晴々とした家族連れの方々などで賑わっていた梅園の隣にあって、こちらは人もまばらで静かであった椿園でも、いくつかの種類の花が咲いていました。
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残念ながら、私の好きな侘助椿は、先日1月初旬にnoteで紹介した株は全て花期を過ぎていましたけれど。
神代植物公園は正門側に駐輪場がありますが、深大寺門前にも正門側と比べて小さいものの、こんな駐輪場があります。
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こちらに止めると、深大寺周辺に多くあるお蕎麦屋さんで腹ごしらえをするのにも都合が良いです。
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ご参考までに。