John Pawson展
朝方は陽射しなく、少し肌寒かった4月22日の土曜日。朝から新宿で所用があったので山には向かえず、昼前から新宿御苑を徘徊しておりました。
御苑内のカフェで腰を下ろした際に覗いたタイムラインに、John Pawson氏の展覧会の情報があったので、散歩がてら訪れることとしました。
場所は表参道のTHE MASS。
いつものことながら、絵画や写真などは好きでよく展覧会に訪れるものの、知識があまりに乏しく、タイムラインに紹介されたモノトーンの写真に惹かれはしたものの、John Pawson氏についてはこの時初めて知りました。日本にもご縁の深い著名な建築家の方なのですね。
会場のTHE MASSがあるのは表参道の街のど真ん中。極力人の少ない経路を選んだものの、近づくには雑踏を通らねばなりません。人混みが嫌いな私のテンションが急速に下がる中、その無機質で装飾が廃されたその建物に辿り着きました。
まずは1階から。(と言いますか、2階があることは1階展示室を出る際に教えていただくまで知らなかったのですが。。)
妙に落ち着くゆったりとしたモノトーンの空間に、モノクロの写真が飾られています。その中で特に惹かれたのが下の右の作品。
Pawson氏設計の家の写真なのでしょうか。シンプルなマントルピース(?)が穿たれた白い壁に落ちた、柔らかな光と木々の影が、心を静やかにしてくれます。
奥にはカラーの写真も展示されています。
1階の展示室を出て、階段を上がると、2つの展示室が。
この2階の展示室2つが、作品もさることながら、作品を含む空間が見事でした。
自然光が入る無垢の空間に規則正しく宙に浮かぶ作品たち。
Pawson氏の写真と同様、凝った造りの空間なのですが、緊張感のようなものはなく、総じて穏やかで優しく、心が解きほぐされます。
日本庭園などでよくある、張り詰めた緊張感を感じさせる空間も好きですが、こうんな無機質なのに穏やかな空間も良いですね。
さて最後の第3展示室へ。
第3展示室も第2展示室と同様に宙に作品が浮く展示。
ただ第2展示室の白基調から黒基調の色彩へ。よく似た構造の部屋でありながら、そこに廃された作品で全く異なる空間のように感じます。
思わぬ偶然の出会いで、心地よい時間を過ごすことができました。
そう、THE MASSから出て雑踏のストレスに飛び込んだ瞬間、展示空間の静けさと安らぎが奇跡のように感じられました。清浄という名のバリアで守られたような空間でした。
お近くに立ち寄られる際は、是非とも訪れてみてください。5月14日までの開催とのこと。
この作品展をきっかけにJohn Pawson氏の建築にも興味が湧きました。
もう少し調べてみよう。
John Pawson氏のWebページ
http://www.johnpawson.com
このページによると、 THE MASSの建築設計もJohn Pawson氏のようです。
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