いじめの話 3 オキシトシン型いじめ
オキシトシン型いじめ
オキシトシンも通常はすごくいいものとして考えられているしあわせホルモンってやつですね。
もしも、そんなホルモン屋さんが大阪の天満あたりにあったら是非とも行ってみたいところではあります。
簡単に言えば、オキシトシンは愛情ホルモンとも言われ、一番わかりやすいのが、女性やメスが子供を産んだ後にオキシトシンがドバーッと出て、それによって子を守る使命と、守ることで『あー、しあわせ』となる物質。愛しいものを守るために必要なもの。
もちろん男にもあります。
そんな、愛と正義の味方のオキシトシンですが、時に度を超えるというのかな、度の問題でもないかもしれないんだけど、見る角度によっては反作用を生みます。
前に、うちで飼っていた犬のことですが、母犬が子犬を産んだ直後からしばらくは父犬を全く寄せ付けないという状態になりました。近付いたら、牙を剥き出して吠える。
実はお宮参りのタイミングのお客様にも『子供を産んだ後はおしゅうとめさんはもちろんですけど、旦那にも抱かせたくなかった』と仰っていた方がいらっしゃいました。
母が子を守るため、誰かが弱いものを守るために、他者へ攻撃的になってしまうのもオキシトシンが原因です。
攻撃は最大の防御とはよく言われますが、ちょっと似ています。
愛しいものを独り占めしたいとか、仲間を大切に思う、自分のコミュニティを守りたいというのもオキシトシンによるものです。
暴走族対暴走族の抗争や地域を守る集団意識も守るための攻撃。
傍から見ると、よく似た同士だけど、よく似たもの同士だからこそ、争いをさけて通れないのかもしれません。伊東が熱海をライバル視するとかも似ている気がします。違うかもw
外敵を排除するための攻撃と考えるなら、まだ納得できなくもありません。
しかし、同一性を重んじるコミュニティや社会の場合にはイレギュラーを排除するという行動を積極的に行うようになります。
以前、PTAの全国研究大会に参加した際、小五と中二と吹奏楽部にいじめが多いと聞きました。
小五と中二はなんとなく経験的に、あー、なるほどとなりますが、吹奏楽部に多いのは協調性を重んじるためだそうです。みんなで同時に音を出し、ひとりが目立ちすぎるのは良くないという性質が日常生活にも反映されるそうです。
私自身は吹奏楽部の経験はないので、実感わきませんが、あるかもなぁと思いました。
仲間のなかから異物を排除する動き、もっと言えば、仲間の同一性を高めるために異物を作り出そうとする気持ちがオキシトシンによって生まれます。
仲間を守るための正義は最強です。命をも惜しまない場合もあります。人間を最も狂わせるものが正義だと思っています。
愛と正義。
それは人間が命を捨てられる条件であり、人間が人間を捨てられる条件です。
愛と正義の行使のためにいじめをする
つまり、オキシトシン型いじめは自覚がないパターンが多々あります。
そして、『もっと正義を!!』『もっと愛を!!』をドーパミンという快感物質が後押しするのです。