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イベントは起業の練習だ その①アイデアの作り方 バカなブレストでAIを超える
自己紹介に続いてはサバソニについて、書いていきます。
これは私のソーシャルグッドな取り組みの原体験であり、その後の活動の原点にもなっています。
タイトルに『起業』というワードを入れたのはツリですw
しかし、実際にその後に法人化もしているので、起業も嘘ではありません。
イベント主催や参加、出店から、起業へ繋げた方も多いので、役に立つかもしれません。
概要
2017年から2022年まで、サバーソニック&アジロックフェスティバルはイベントを開催していました(現在は環境活動がメインなので、数十人規模の小さなイベントは実施していますが、千人単位のものは実施していません)。
2019年には2万人を集めた規模のイベントに成長した経緯を書いていきます。
イベントを始める動機
友人が自分のカフェで地元漁協が製品化したサバのすり身『サバオくん』を活用した『サバタコス』を作っていたものの、おいしい割にはヒットしないという課題を抱え、なんか盛り上げる方法ないかなぁというブレスト(?)からスタートします。
ブレストの方法
会社や行政など様々な会議に呼ばれ、アイデア出し、ブレストをやったことがあります。
だいたい、クソですね。
素晴らしいアイデアにとって重要なのは心理的安全性。
付箋紙を渡されたり、順番にアイデアを口に出して発表するスタイルが多いのですが、そうやって出されたアイデアの9割はつまらない、もしくは、よくあるもの。
私がオススメするのは大喜利スタイルです。
どうしようもないアイデア、くだらないアイデアから出していきましょう。
グループ内に素っ頓狂な人、天然ボケが入った人がいるとなお良いです。
意識高い系、優秀な人は最初から、ベストアンサーを出してくれようとするので、どこかで聞いたことがあるものが多いうえに、『それを言っちゃあおしめぇよ』的に次に口を開くのが難しくなります。
アイデア出しと言っても、基本的に脳内にある『知ってること』をほじくり出すことしたできません。
心理的安全性を高めて、そして広めて、他者の脳と自分の脳がグチャグチャになっていくようなブレインストーミングができるようにするには、
『間違っても良い』
『バカでも良い。バカの方が良い』
『くだらないアイデアもウェルカム』
にしましょう。
意識高い系、地域豊富系のアイデアマンはChat-GPTの方が優秀なので、ファシリテーターが上手にバカの才能を伸ばしてあげてください。
我々がやったブレストは完全にダジャレ形式の大喜利スタイル。
『サバで連想できる言葉を出してみようぜ』
『サバイバル!』
『サバンナ・・・』
『さば・・・バーサー・・・』
『鯖を読む!!』
『サバらしい(すばらしい)!』
『サバーソニック?』
『それいくなら、アジロックもいけんじゃね』
というダジャレ大会の中でアイデアがネリネリされていきました。
ブレストで大切にしたいこと
つまんないことを言っても恥ずかしくない。
むしろ、くだらないアイデアをスピーディーに出せることが勝負。
ファシリテーターはアイデアを言いにくい人にもどんどん振っていく。
もし、決定的な案が生まれなくてもいいや的な空気感も重要です。
そういった状況で醸成される心理的安全性がチーム力を生み出していくものです。
で、名前が決まったので、取材してもらいました。(内容は全く未確定)
中身はなくても、バズればいいだろ的なw
一番最初に思いつき、進んでいったことは
『あたかもすごいイベントのようなポスターやTシャツを作って、実際にはイベントをやらない』というアイデアでした。
とりあえず記者会見だけやったら、ヤフーニュースの下の方にランクインしてしまうことに。
当初は音楽をやるとか言ってたことを今知りました。。。
後に少し音楽要素を入れることになったのですが、
『音楽イベント名なのに、まともな音楽がない。魚のイベントだ!』
というのがおもしろポイントになるという判断は発表後に生み出されたわけですね。
かっこよく言えば、『走りながら考える』ですが、行き当たりばったりの思いつきをぶち込んでました。
そして、上のニュースが伊東市長の目に止まり、
『市長室に説明に来てほしい』
と連絡が。
そうして実際のイベントを開催せざるを得ないことになったのでした・・・
自然発生的に生まれ、認知されたコンセプト
そうして生まれたサバソニアジロックゆえに、『ダジャレ』というものがコンセプトというか、コアコンピタンスになっていきました。
巻き込まれてくれた皆様も
『誰が一番くだらないダジャレを思いつくか』
『一番バカなのは誰か』
というような謎にエネルギーに満ちたものになっていくのでした。
一応表向きには『地魚のうまさの訴求』という目的を掲げてはおりました😅
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『暴走族のステッカー』手法と呼んでいました。
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こだわりポイントは
・干物の包装紙に印刷している
・何をやるかわからないけど、インパクトを重視
・旧ソビエト的なデザインで共産主義的思想を練り込む
一応、この時から『こどもたちに魚を好きになって欲しい』と
アジの掴み取り、捌き方教室とかやってましたね
バカで良い。バカが良い。
そうして『くだらないダジャレ』『おバカだけど、かっこいい』という価値を中軸にサバソニの個性を確立していったわけですが、実は最初のブレストの前から『伊東の価値はバカなこと』という仮説を持っていました。
これは伊東の各種観光イベント
・まくら投げ大会
・尻つみ祭り
・タライ乗り競争
昭和40年くらいに行ったプロモーション
・象を温泉に入れる
などを抽象化した際に
『バカ』
というキーワードが抽出されました。
なので、中途半端な田舎が、中途半端な資金力で、中途半端にカッコつけたイベントをやるよりも、金はないし、賢くないけど、バカならできるという狙いは持ってました。マジで。
なので、そのアイデアがどこまで通用するものなのかを試してみたいという動機を個人的には持っていましたね。