小屋一雄(ユーダイモニアマネジメント)

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人生100年時代のリ・エンゲージメント第3回:慢心が晩節を汚す

天才プロデューサーの獄中死  拙著『LET’S WORK ミック・ジャガーに学ぶ「これからの働き方」』の執筆中,紙面の都合で多くののエピソードをカットせざるを得なかった。カットした文章の中に,伝説の音楽プロデューサー,フィル・スペクターとミック・ジャガーを比較したものがある。  スペクターはジャガーより4 歳年上のニューヨーク生まれ。10代の頃に自分のバンドで成功を収め,やがて音楽プロデュース業に専念をするようになった。多くの名作をプロデュースしたが,最も有名なのはビートルズ

    • 人生100年時代のリ・エンゲージメント第2回:まだ見ぬ世界にワクワクする

      好奇心こそが60年間稼ぎ続けるドライバー  ミック・ジャガーをテーマにしたビジネス書という,奇天烈な出版をしてから,いろいろな人から声をかけてもらうようになった。  「私もローリング・ストーンズが大好きです」といった声が多い一方で,「ストーンズは好きですけれど,ミックはちょっと節操がなさすぎではありませんかね。いや,女性関係の話ではなく,音楽的に。つまり,あっちこっち手を出し過ぎというか…」などとミックに批判的な意見を(控えめに)伝えてくれる人もいる。  今回は,ミックの節操

      • 人生100年時代のリ・エンゲージメント第1回:ミック・ジャガーの60年間稼ぎ続けるエンゲージメント

        79歳でも「あがり」の気配を見せないミック・ジャガー  私は,今年4 月に『LET’S WORK ミック・ジャガーに学ぶ「これからの働き方」』を上梓した。ミック・ジャガーは,今年で79歳になるロックスターだが,昨年はコンサートツアーで全米最高額の売上をたたき出し,今年は60周年記念ヨーロッパツアーを開催し,コロナ感染なども乗り越え,先日ツアーを成功裏に終了したばかりだ。私のイメージする70代とはあまりに違う輝きだ。  私がお付き合いしている企業では,50代になると社員は「あが

        • 『LET'S WORKミック・ジャガーに学ぶ「これからの働き方」』あとがきのあとがき

          主な内容(10のポイント) ①    ビジネスの「切り盛り」を楽しむ ②    「時代」に関わり続ける ③    二つ以上の顔でしたたかに演じる ④    感情を逆なでする ⑤    失敗を食い物にする ⑥    友と化学反応を起こす ⑦    ビジネスを転がし続ける ⑧    好奇心と自制心を持つ ⑨    他者の靴に足を踏み入れる ⑩    与え続ける ミックの働き方から学べるVUCA時代の働き方  60年代から第一線で活躍し続けるローリング・ストーンズは,今年プロデビ

          ナラティブ・アプローチで考えるウィズコロナ時代のエンゲージメント

          緊急事態宣言も東京アラートも解除されたものの、ワクチンの開発にはまだまだ時間が必要なようだし、コロナの収束には、あと2年以上かかるというのが定説になっているようです。 当初思ったよりも長引きそうなウィズコロナ時代ですが、そんな中でも企業のトップマネジメントやマネジャーは目先のビジネスに加えて社員のエンゲージメント(当事者意識や熱意の高さ)を高め続けなければなりません。ここで気を緩めてしまっては、組織が硬直化し、コロナが収束した後の成長のチャンスを捉えられなくなってしまうから

          ナラティブ・アプローチで考えるウィズコロナ時代のエンゲージメント

          社員エンゲージメントを高める「遅い」リーダーシップ

          今話題の書籍、「遅いインターネット」(宇野常寛著)を読みました。 色々考えさせる良書でした。ちょうどある組織のリーダーシップについて考えている最中だったので、リーダーシップについても多くの示唆がありました。 遅いインターネット著者の宇野常寛氏は「遅いインターネット計画」として、自分のペースで情報に触れ、ゆっくりと考える場を構築しようと活動を進めています。本書のポイントだけを取り出すと次のようになると思います。 ・誰もが発信者となるインターネット世界は新しい民主主義を

          社員エンゲージメントを高める「遅い」リーダーシップ

          「日常X自分の物語」とナラティブ・コーチングの時代

          withコロナ時代、語られる物語(ナラティブ)が変わってきている半年前には全く予期していなかったことですが、私たちは突然「withコロナ時代」という新時代を迎えました。なんだか理不尽のような気もしますが、これから古い価値観の一部は通用しない世の中になります。この時期に幼少期を迎えた子供たちは、その新しい人生観、価値観から「コロナ世代」と言われることでしょう。 コロナ元年ともいえる今、コーチングあるいは雑談を通じで、私は語られる物語(ナラティブ)に変化を感じています。 これま

          「日常X自分の物語」とナラティブ・コーチングの時代

          プリズン・サークル~“Welcome to my jungle”

          少し前になりますが、坂上香監督の「プリズン・サークル」という映画を観ました。  それは、「島根あさひ社会復帰促進センター」という刑務所内で撮影された、稀有なドキュメンタリー映画です。  多くの人は刑務所というと、懲罰の場だと考えるでしょう。しかし、本来刑務所は更生の場であるべきなのです。多くの刑務所で、受刑者は社会から遮断され、看守からは番号で呼ばれ、厳しい規律と共に労役を課され、懲役が終わるのをただ待つというのが実情です。  罪人なのだから仕方がない、という考え方もあるでし

          プリズン・サークル~“Welcome to my jungle”

          コロナ危機下の社員エンゲージメントを高める「オフライン」対話

          1月16日に国内初の感染者、同月18日には日本人初の感染者、2月13日には国内初の死者が確認され、その後コロナウィルスは急速に拡大を続けました。4月7日にやっと緊急事態宣言が発令され、その後国民の活動が制限され続けていますが、緊急事態は期限だった5月6日以降にも延長されるようです。 もはやコロナの収束を前提に仕事は続けられない中、職場ではデジタル化が加速化しました。デジタル化に出遅れ感のあった日本においても、もはや言い逃れをしている場合ではなくなってきたということです。今では

          コロナ危機下の社員エンゲージメントを高める「オフライン」対話

          小屋 一雄(Kazuo Koya)プロフィール

          ユーダイモニア マネジメント株式会社 代表取締役    -一般社団法人 日本エンゲージメント協会 代表理事    -ギャラップ社認定ストレングスコーチ    -京都大学EMBA講師(コーチング) 日米の自動車メーカー、外資系ラグジュアリーブランドにてマーケティングマネジャー職を担当。米国系自動車メーカーではアメリカ・デトロイト本社においてアジア地域の商品戦略を担当。またギャラップ㈱では1995年に日本における創業メンバーとして参画。同社が開発した各種診断ツール(ストレング

          小屋 一雄(Kazuo Koya)プロフィール