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【2022年版】苦情の多いD2C企業一覧 化粧品・健康食品 通販企業の苦情グラフ

化粧品・健康食品を販売している会社について、苦情件数を分析し、グラフ化した。

この文書の意図

この記事は、一般消費者への情報提供を意図している。

消費者が商品を買うとき、「苦情が多い会社の商品は買いたくない」と考えるのが普通だ、と筆者は考えた。その論点での情報提供として書く。

以前、全く同じ視点で、下記の記事を書いた。このときは2021年7月から2022年6月のデータを集計したが、この記事では2022年1月から12月のデータを対象としている。6ヶ月ぶん新しいデータになった、ということだ。

注意

この記事で分析しているのはあくまでも「苦情件数」のみだ。筆者としては、有益な指標のひとつになるだろうと考えているが、これだけで悪質性を強く断言できるとは思っていないので、その点を最初に申し添えておく。


データの出典など

苦情件数の期間は2022年1月~2022年12月の1年間。出典はPIO-NET毎日新聞の記事だ。

PIO-NETは、「苦情相談情報(消費生活相談情報)の収集を行っているシステム」だ。日本各地の消費生活センターなどに寄せられた苦情相談情報が記録されている。

各社の売上情報については、決算公告や、各社のIR資料、信用調査会社の有料レポート、業界紙の記事などから得た。

苦情件数グラフ - 年間件数

まず、前回調べた2021年7月~2022年6月の苦情件数グラフを再掲する。

会社ごとの年間苦情件数
(2021年7月〜2022年6月)

上記グラフに、2022年1月から2022年12月の苦情件数を緑色で書き添えると、下記のようになった。

会社ごとの年間苦情件数
(2021年7月〜2022年6月、2022年1月~2022年12月)

筆者が調べた中では、ファーマフーズへの苦情が最も多く、6,618件だった。前回と比べ、2,108件の増加となった。

PIO-NETに記録された苦情の中で、化粧品・健康食品に関するものは、全企業の2022年年間総合計で110,408件だ(79,793件+30,615件)。

化粧品・健康食品の苦情件数(国内全件)
出典:2022年度 全国の消費生活相談の状況 PIO-NETより|国民生活センター

国内の苦情の年間総合計が 110,408件 であるのに対し、ファーマフーズへの苦情件数は 6,618件 だった。この件数から、ファーマフーズは、化粧品・健康食品の苦情全体の5.99%を占めている、と算出できる。

算出式は単純な割り算だ。以下の通り。
6,618件 / 110,408件 = 5.99%

なお、前回調査の対象外とした会社にも、たくさんの苦情が発生している会社がいくつかあった。それらについては後述する。

苦情件数グラフ - 1億円あたり件数

上記グラフは、単純な苦情件数だ。一方、「売上が大きくなれば苦情も比例して大きくなるのは当然だ」という考え方もあるだろう。

そこで、上記の年間苦情件数を各社の年間売上(概算)で割り、売上1億円あたりの苦情件数のグラフを作成した。結果は以下の通りだ。前回のデータも書き添えた。

なお、こちらのグラフは数値のばらつきが大きい。そのため、グラフが上方向に突き抜けている部分がある。ご容赦頂きたい。

売上1億円あたりの年間苦情件数

数値の評価

売上1億円あたりの苦情件数については、どう評価すればよいか迷う消費者が多いと思う。少し補足する。

上記グラフの右端に、ウエルシア薬局のグラフがある。関東に多数の店舗を持つドラッグストアだ。

ウエルシア薬局に対しては、「健全な商売をしている会社だ」と認識している人がほとんどだと思う。筆者も同じ考えだ。

「健全な商売をしている会社でも発生する苦情の頻度」を把握すれば、他の会社の数値に対する判断をしやすいのではないか、と筆者は考えた。その意図で、このグラフに書き加えた。

ウエルシア薬局の苦情件数は、売上1億円あたり0.01件だった。この数字を基準にして、他の会社の苦情頻度を評価すると良いだろう。

苦情件数グラフ - 会社追加版

今回のデータを収集する過程で、前回対象にした会社以外にも苦情の多い会社があることに気付いた。また、今回のデータでは苦情が大きく減っていた会社もある。そこで、筆者の手元のデータから、件数が多い順に改めて抜き出し、グラフにした。以下の通りだ。

会社ごとの年間苦情件数
(2022年1月~2022年12月)

このグラフに名前のある企業について、参考までに、いくつかの情報を付記する。

上場企業

上記に挙げた企業のうち、上場企業は以下の通りだ。

  • ファーマフーズ
    ※数値には子会社の 明治薬品 、 フューチャーラボ を含む

  • 北の達人コーポレーション

  • ロート製薬

先ほどの画像に赤矢印で示すと、以下の通り。

ファーマフーズとロート製薬は、提携関係にある。ファーマフーズは、2022年に「博士ルーペ」の広告を打ち、電話をかけてきた顧客候補に、アイケアサプリメントの「ロートV5粒アクトビジョン」の定期購入を勧めていたそうだ。

ファーマフーズ等と関係があるかはわからないが、「メガネを広告し、電話してきた消費者にサプリメントを売る」という手法は、問題となっている様子だ。ある消費生活センターの入り口には、その手法を取り上げた掲示が、下記のように示されていた。

この場所では、この掲示だけ、ひときわ大きい紙に印刷され、立て看板になっていた。おそらく、これに該当する相談が特に多いのだと思う。

ある消費生活センターの入り口にあった掲示

上場企業に広告を依頼している企業

上記グラフの中には、上場しているマーケティング会社に広告を依頼していると思われる企業もあった。

例として、トラストライン株式会社を挙げる。この会社は、美白歯磨きの「ミカホワイト」などを扱っている。上記のグラフでは、左から7番目の会社だ。

トラストライン株式会社は、上場企業である株式会社ブリーチに、かなり多くの広告を依頼していた様子だ。

推測する根拠は、株式会社ブリーチの有価証券届出書だ。売掛金の欄を見ると、株式会社ブリーチは、トラストライン株式会社に対して、433百万円ほど残高を持っていたようだ。

引用元:株式会社ブリーチ 有価証券届出書

一方、トラストライン株式会社の売上は、筆者が以前買った信用調査会社のレポートによれば、概算で年間1,000百万円らしい。売掛金と売上の金額比を考えると、トラストライン株式会社は、広告の多くを株式会社ブリーチに依頼していたのではないか、と感じる。

生産依頼先が同一の企業

D2C企業は、生産をOEMしている例が多い。MONOMEDICAという会社は、下記の5社の商品を生産しているらしい。

  • グロリアス製薬

  • ツインガーデン

  • ファビウス

  • FUMENT

  • 196plus

グロリアス製薬、ツインガーデン、ファビウスは、今回、2022年1月~12月の苦情件数グラフの中に名前がある。FUMENTと196plusは、前回の2021年7月~2022年6月のグラフに名前がある。

MONOMEDICAが商品の生産をしている企業にオレンジ矢印
MONOMEDICAが商品の生産をしている企業にオレンジ矢印
※2021年7月~2022年6月のグラフ

そして、MONOMEDICAが生産する製品の大半が、これらの会社の製品で占められているようだ。

MONOMEDICAのサイトによると、MONOMEDICAが生産している品目数は57品目。そのうち、グロリアス製薬、ツインガーデン、ファビウス、FUMENT、196plusの5社が販売する品目数は、合計で47品目だった。比率としては82%ほどを占めている。

苦情の多い会社の商品を、同一の会社が生産している。これら5社とMONOMEDICAは、互いに強い関係があるのではないか、という印象を持った。

実店舗のドラッグストアで買おう

化粧品・健康食品は、実店舗のあるドラッグストアで買ったほうが良い。インターネット上で売られている化粧品や健康食品は、相対的には危険が多いように思う。

実店舗のドラッグストアについて、良いところを挙げる。

確実に単品で買える

ネット通販などの通信販売では、単品で買えるように見せつつ、定期購入に引き込む手法が多く存在する。購入者としては単品で買ったつもりでも、定期購入の契約になっていたりする。

実店舗のドラッグストアでは、商品を確実に単品で買える。レジで買った商品は、勝手に定期購入になったりしない。

解約の作業が不要

通信販売で定期購入の契約をすると、当然ながら、解約の作業が必要だ。それはとても面倒だ。

実店舗のドラッグストアでは、商品を単品で買えるので、解約の作業をしなくて済む。

電話代が不要

通信販売の定期購入の場合、解約の手段が電話に限られていることがある。そして、その電話番号が有料のナビダイヤルになっていることもある。

ナビダイヤルの場合、携帯電話のプランが通話無料であっても、消費者側に通話料金がかかる。解約するときにお金がかかるので、損だ。

実店舗のドラッグストアでは、商品を単品で買えるので、解約の電話をする必要はない。そのため、電話代がかからない。


実店舗のドラッグストアは、安全だ。消費者としては、なるべく安全な場所で買い物をしたほうが良いだろう。

以上


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kazuo dobashi
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