#38 二日目の朝は瞬発力トレーニングから始まる 【イングリッシュブートキャンプ】
二日目。
朝の集合時間に十分間に合うものの、入り口の前で少し戸惑いました。
(また長時間英語だけ)
というプレッシャーがありました。
私が入るとすでに参加者のみんなは揃っていました。
参加者同士で軽く英語で挨拶をします。
「よく寝れた?」
「宿題やった?」
という何気ない会話をします。
1人だけ昨日いた参加者がいませんでした。
開始時間になるとトレーナーたちが現れます。
トレーナーは昨日と少し違うメンバーも混ざっています。
二日目の朝のトレーニングは瞬発力を鍛えるものでした。
私とペアになったのは女性でした。
この女性はとても感じが良くて、ペアになれて私はとても嬉しく思ったことを覚えています笑
瞬発力のトレーニングはモニターに映る画像をみたら、できるだけ早くその画像に関することを英語で言うというものでした。
「IPPONグランプリ」や、昔の「ひとりごっつ」の写真で一言を
英語版で、ボケなしで、極力早く言う。
というものでした。
私はこれが得意でした。
難しい文法や論理立てた英文を必要としなかったからです。
モニターの画像に写っているものを説明するなら
・あの少年は白い帽子をかぶっている
・2人の人が座っている
・空は晴れている
と言った具合に
もの(ひと)+数量+状態+色
がわかれば過去形も比較級も仮定法もありません。
続いてのミッションはペアの片方が1分程度のムービーをみます。
それを見終わったら相方に英語でムービーの内容を伝えるのです。
これがなかなかシュールで、答え合わせを2人で確認するのが楽しかったです。
11時くらいにはペアを変えて別のトレーニングです。
モニターに映し出された英文(短文)をペアで読みます。
たとえば
「あなたは食べるのが好きか、飲むのが好きかどっちか」
という内容だったとします(もっとちゃんとした内容でしたが忘れてしまいました)。
そのあと間髪入れずにトレーナーが、ペアの片方を指名して
「食べる方!」と言うので
指名された側は食べる方が好きな理由を速攻で答えます。
これもとにかくスピードが命。
頭の中のいろんな部分を使うので時々パニックになります。
「俺は食べる方がいいね!なぜなら噛むことが気持ちいいからさ!」というめちゃくちゃな理由でもオッケーです。
私はこのトレーニングやっているときに、瞬発力やリアクションについて考えさせられたことが2つありました。
一つ目は「会話ではリアクションが大事」ということを英会話スクールのバイリンガル講師からいつもいわれていたこと。
二つ目はまさに、このイングリッシュブートキャンプで体験したことで、
それは初日の夕食の時の出来事でした。
私よりも何倍も英語ができる男性に、英語で質問したんです。
食事の最中の、なにげない問いだったのですが・・・
彼は数秒だまって斜め下をみていました。
私はだんだん不安になったのを覚えています。
(機嫌悪いのかな)
(嫌な質問をしてしまったのかな)
数秒後、彼はとてもきれいな文法と単語を駆使して私の質問に長い英文で、しっかりと答えてくれました。
彼が黙っていたのは
私の質問に対し、しっかり時間をかけて頭の中で文を作っていたんです。
(私の質問に真摯に答えてくれていたんだ・・・。)
この時気がつきました。
それまでは
(この人、質問しても反応悪くて感じよくないな)
(長々と言わなくても、もっとサクッと言えばいいのに)
と思っていました。
改めてコミュニケーションと英語力は似て非なるものということを感じた瞬間です。
コミュニケーションは筆記テストではない。
瞬間瞬間の生きたやりとりに、文法の正解不正解は小さなことかもしれません。
実際、自分の日本語だって怪しいものです。
私は日本語教師の資格を取るために、日本語についてそれなりの勉強をしてきました。
日本人の大人のしゃべり言葉を聞いていても、文法的にたくさんの間違いは日常に溢れています。
でも、わからなかったら聞き返したり、確認するという作業をしてお互いに会話を成立させているものなのです。(書き言葉は別ですが)
相手の反応がいいとおしゃべりが楽しいです。
相手の反応がイマイチだと盛り上がらないですよね。
相手との関係を築きたければ、会話のコミュニケーションでの沈黙は危険だということを知りました。