マネジメント論 第1講 (9/26) 山崎敏夫教授
第1講 企業におけるマネジメントとは
1 マネジメントの定義
(1)なぜ管理は必要か
「Management」という単語には元々4つの意味が含まれている
①経営 ②管理 ③経営者層、管理者層 ④経営学 ←ふつうは②の管理で訳される
”管理”と”組織”は表裏一体である。
<p.1 11行目> 『組織とは共通の目的を達成するために集まった人々が、互いに協力し合って活動する協働体である。』 → つまり、組織は一人では成り立つものではない。
<p.1 13行目> 『組織を構成する人々はその分業体系のもとで分割された部分的な仕事を遂行している。』 →(例)フォード・システム
管理=「能率向上」原理 → 労働者(労働)に必要なものはモチベーション
チンギスハンは属国民のモチベーションを上げる方法を知らなかった。←倭寇の時に侵略できなかった一つの要因
<p.2 2行目> 『組織内で協働する人々の個別的な、、、それこそが管理』
<p.2 11行目> 『分業体系のもとで細分化された、、、管理活動が必要である。』
(2)経営管理の主体と対象
企業という組織における管理・・・経営管理ともいう
<p.3 3行目> 『管理とは、「組織のなかで共通の目的を達成するために、他の人々に働きかけて協働へと導いていく活動である」』
共通の目的 → 能率向上 (例)分業化、調整する能力
管理は指揮である。 → 主体者および対象者は誰なのか
もともと資本主義企業での支配者は直接的に資本をもっていた資本家(資本の所有者)
※所有者は2つの権利を所有している(所有権)・・・①処分権(資本を処分する権利)、②用役権(資本を利用する権利)
→ 資本家が主体の地位をもっていた。しかし、時代の変化とともに経営者がその地位をもつようになっていった。つまり、
<p.3 22行目> 『資本家の支配力と管理権限は経営者に譲渡され、いわゆる「経営者支配」という現象が一般化。経営管理の主体という地位と職能も経営者層に委譲されることになる。』
「経営者支配」 ⇔ 「所有者支配」 ・・・この2つは対比関係にある。
「会社支配」・・・取締役会の構成を決定する権能(パワー)
バーリ=ミーンズ(2人とも法学者)の『近代株式会社と私有財産』・・・会社が潰れてしまったとき、私有財産がなくなってしまうのではないか?とバーリが危惧した。そこで、経営者は所有を失わないことなどから、経営者ではなく所有者の権利を優先するべきだと述べた。 → これを「所有と経営の分離」という。
→経営者を監視する必要性が出てくる。・・・「コーポレートガバナンス(企業統治)」
株主 → 専門経営者 ・・・株主は経営権を委託する(経営者は受託)
専門経営者は会社が大きくなればなるほど、分業する必要が出てくる。 → 権限委譲
分業化
水平的(役割の拡がり)
垂直的(基本トップから下へ向かっていく)・・・トップマネジメント→ミドルマネジメント(課長)→ローワーマネジメント(係長)→労働者
<p.4 11行目> 『労働者側からの労働提供と経営者側からの賃金支払いという行為を媒介にして、資本主義的な労使関係が形成される。』
<p.4 14行目> 『その労働過程では、、、経営者側からの指揮・統制という機能に支配力(+強制力)があり、、、。』
(3)経営管理の目的
<p.5 8行目> 『経営管理の目的もそうした資本主義企業の運動を規定している根本的な目的にまで立ち返って考えなければならない。』
経営管理の目的は、我々の必要なサービスの提供と利潤追求
<p.5 19行目> 『実際の企業経営においては、利潤を高めるためにつねに改良と改善を重ねながら経営管理が行われていくことになる。』
経営管理に労働者が持つ特性
労働意欲
労働能力
労働者人格 (p.6 3~6行目参照)
→労働意欲を喚起するためには?
モチベーションの向上 ← インセンティブを与えなければならない
インセンティブを与える要因 ①金銭的・物質的な刺激 ②顕彰・昇進といった非物質的な刺激(仕事での喜び)
→労働者の能力向上を促すには?
経営管理び方法と手段の実行が重要
→労働者の人格
人格を尊重し、人権を擁護する経営管理が重要
(経営管理は「モノ」ではなく「ヒト」を対象にした管理である)
2 管理階層の形成
(1)管理の幅と階層化
<p.8 下から8行目> 『「管理の幅」、、、管理の幅は管理の限界とも言われるが、、、、。』
(2)階層化の長所と短所
【長所】
トップマネジメントとミドル・ロワーマネジメントの差別化
ミドル・ロワーマネジメントは現業的活動の管理「オペレーショナルである」
トップマネジメントは「戦略的意思決定」に全力を注ぐことが可能になる
<p.9 下から6行目> 『経営トップは、本来的に彼らが果たす
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