どこかのだれかの日々の記 崇垂サク 編 その2

エッセイ

随筆。自由な形式で書かれた、試作性をもつ散文

広辞苑 - 第七版


2041年12月16日

ジュウジロウとのクリスマスデートまであと10日。今まで何度かジュウジロウを含む友人たちとクリスマスを過ごした事はあったが、2人きりは初めてだ。今時こんなピュアな事を書く高校生がいるのだろうか。



2041年12月17日

家の近くのカフェに久々に寄った。こういう事を書いておくと読み返した時に微細な記憶を起こせる気がする。



2041年12月18日

この間やった期末考査の結果が返ってきた。今回も成績は良かった。安定だ。



2041年12月19日

週末にミキに買い物に連れて行かれる約束をされた。クリスマスデートに着ていく服を見繕われるらしい。そんなに凝る必要があるのだろうか。ジュウジロウはどんな姿でも喜んでくれているのだが、実際はどうなのだろう。



2041年12月20日

今学期最後の金曜日だという事に今気付いた。もう一生この金曜日は無いのだと思うと感傷的になる。



2041年12月21日

週明けに行われる委員会の引き継ぎの為、最後の仕事をした。そろそろ卒業なのだと嫌でも意識してしまう。冬のせいかもしれない。



2041年12月22日

ミキと買い物に行った。買ってすぐは高揚していたから良かったものの、今になって本当にこれで良かったのかと思い始めてきてしまった。考えすぎるのも考えものだ。しかしミキが良いと言ったもの。きっと良いのだ。



2041年12月23日

委員会の引き継ぎをした。後輩たちのやる気はマチマチだったがミキがいるから多分大丈夫だろう。帰り道はよく晴れていて、少し寂しかった。



2041年12月24日

明日はいよいよクリスマスデートだ。緊張してきた。自分でも何をどう考えているのか分からないが、常に「大丈夫なのか?」という疑問が脳内を駆け巡っている。全く柄ではないが少しメイクも練習した。この努力をジュウジロウに知って欲しいような知って欲しくないような、不思議な気持ちになっている。明日は過ごしやすい気候らしい。


※この文章はフィクションです。実在の人物・団体・名称なぞとは一切関係ありません。

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