かずなり

物書きがしたくてやってまいりました。

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  • 「三菱の至宝展」に行ったら三菱創業四代のことが知りたくなった

    三菱一号館美術館で開催中の「三菱の至宝展」鑑賞後に調べた色々を書き物をしました。

最近の記事

「三菱の至宝展」に行ったら三菱創業四代のことが知りたくなった番外編③翻訳と異読のはなし

岩崎久彌が収集したコレクションには異なる言語で書かれた同じ本や異なる時代に書かれた同じ書物の写本、異なる版で印刷された同じ本などが数多く収蔵されています。今回の展示では、ベルギー、フランス、オランダで出版された翻訳本が揃っている《東方見聞録》がこれに該当します。 複数の言語で書かれた同一の書籍を収集することは、翻訳の過程において生じる記述のズレを突き止めるために非常に重要です。聖典などの場合、些細な翻訳の違いがその言語圏の宗教教義や宗教文化に対して大きな影響を及ぼすことがあ

    • 「三菱の至宝展」に行ったら三菱創業四代のことが知りたくなった番外編②陶磁器が持つ景色のはなし

      魯山人によれば、「陶器には、その具わっている慶長以後に見られる貧弱な美的価値と、それ以前の作と見られる思想的高踏なる芸術陶器の両面があるということを知らねばなりません。」のだそうです。さらに魯山人は徳川中期以降に作陶された作品に関して、「極めて低級な美を盛るに過ぎない大量的なもの」と一蹴し、慶長以前の作品は「名巌のような、松樹のような、琅玕(ろうかん:美しい竹の意)のような、梅花のような、その美しさに打たれる」と、何やら抽象的で感覚的なことを言っています。  いきなり魯

      • 「三菱の至宝展」に行ったら三菱創業四代のことが知りたくなった番外編①古典籍と蔵書印のはなし

        文字を手に入れた人間は文字を見るとどうしても読みたくなってしまうもので、意味が取れそうで取れない漢字の配列を眺めるのはなんだかスッキリしません。本質的には中身が分からないことには古典籍の本当の価値は伝わらないのかもしれませんが、古典籍は文字以外にもたくさんの情報を持っており、実際に様々な側面から史料として研究されています。 例えば、「三菱の至宝展」で展示されている古典籍には様々な「蔵書印」が押されているものがあります。これの蔵書印は所有者を明示するという目的以外にも、貴重な

        • 「三菱の至宝展」に行ったら三菱創業四代のことが知りたくなった④小彌太編

          三菱の至宝展は9/12に無事最終日を迎えました。直前に開催されたコンスタブル展が会期途中で臨時閉館したまま再開することなく閉幕を迎えたので、今回ももしかすると・・・・・・とは思っていましたが、無事完走したということでひとまず安心しました。 もう展示を見ることはできませんが、鑑賞後の事後学習ということで最後まで書いていこうと思います。ちなみに、静嘉堂の展示ギャラリーは2022年秋に現在の三菱生命館1階に移転することになっています。丸の内の三菱一号館と三菱生命館を舞台に今後も三

        • 「三菱の至宝展」に行ったら三菱創業四代のことが知りたくなった番外編③翻訳と異読のはなし

        • 「三菱の至宝展」に行ったら三菱創業四代のことが知りたくなった番外編②陶磁器が持つ景色のはなし

        • 「三菱の至宝展」に行ったら三菱創業四代のことが知りたくなった番外編①古典籍と蔵書印のはなし

        • 「三菱の至宝展」に行ったら三菱創業四代のことが知りたくなった④小彌太編

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        • 「三菱の至宝展」に行ったら三菱創業四代のことが知りたくなった
          7本

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          「三菱の至宝展」に行ったら三菱創業四代のことが知りたくなった③久彌編

          彌太郎の長男として生まれた岩崎久彌は慶応大学に進学後ペンシルベニア大学に留学し、22歳にして副社長として三菱に入社したエリートです。久彌は本社機能に大きな負荷がかかっていた当時の三菱に事業部制を導入し、迅速な経営判断を可能にするとともに、事業の多角化を押し進めました。その結果、三菱重工業(造船業)の近代化、丸の内エリアの開発をはじめ、キリンビール、三菱製紙、小岩井農場などを立ち上げるなど、事業を幅広く展開しました。 読書家であった久彌は第2代岩崎彌之助以上に学術的な価値を重

          「三菱の至宝展」に行ったら三菱創業四代のことが知りたくなった③久彌編

          「三菱の至宝展」に行ったら三菱創業四代のことが知りたくなった②彌之助編

          前回は創業者岩崎彌太郎についてご紹介しました。 今回は2代目岩崎彌之助についてご紹介します。 2代目 岩崎彌之助父彌次郎と兄彌太郎が投獄されたとき、4歳だった弟の彌之助は国内で漢学に親しんだ後、21歳でアメリカに留学し翌年には兄が創業した三菱商会に入社しました。 彌之助は企業が文化芸術に対して貢献することの社会的な意義や企業が社会的責任として行う芸術支援の意味をアメリカ留学を通して学び、軌道に乗った三菱商会の資本の多くを投じて文化芸術への出資を行いました。彼の収集した作

          「三菱の至宝展」に行ったら三菱創業四代のことが知りたくなった②彌之助編

          「三菱の至宝展」に行ったら三菱創業四代のことが知りたくなった①彌太郎編

          三菱一号館美術館で三菱の至宝展が開催中です。 国宝が12点(前後期合計点数)をはじめ、日本古美術、古典籍などが数多く展示されています。ジョサイア・コンドルが設計したクイーン・アン様式建築の中に鎮座する日本古美術の姿はまさに非日常。会期は9月12日までということで残り少ないですが、是非お勧めしたい展覧会です。 展示品の美しさ、本物が目の前にあるという感動もさることながら、三菱という組織を作り上げた人物がどのような文化的関心を持っていたのかということがとても気になったので、簡

          「三菱の至宝展」に行ったら三菱創業四代のことが知りたくなった①彌太郎編

          日々書き物と向き合う大学院生が改めて書き物について考えてみた②:書き物とは○○である編

          前回は「書き物は○○ではない」というテーマで書き物の定義について考えてみました。 その結果、書き物は・・・・・・ ・突然振ってきたアイディアではない ・気持ちを吐露する場所ではない ・書き物だけで完結するのではない ということになりました。では、書き物とは一体なになのか。端的に言えば、前回投稿の冒頭で書いたとおり「自分の意見や主張を論理的に伝えるための文章」を生成するための行為やその技術ということになると思いますが、今回は「書き物とは〇〇である」というテーマでより具体的

          日々書き物と向き合う大学院生が改めて書き物について考えてみた②:書き物とは○○である編

          日々書き物と向き合う大学院生が改めて書くことについて考えてみた①:書き物は〇〇ではない編

          はじめに先日、集中講義を踏まえた課題レポートの筆が思うように進まなかったのをきっかけに、改めて書くという作業について考えてみました。学生という身分がゆえ、書き物をする量は一般的な人よりも多いと思います。いまも、修論に向けた自分の書き物、バイト先で命じられた資料作成、申請書の提出に向けた準備などなど、複数の書き物タスクを抱えて書き物に取り組む日々ですが、それでもふと筆が進まなくなることもあるわけです。 「何を書いたらいいのかわからない」、「コンテンツはあるが文章にできない」と

          日々書き物と向き合う大学院生が改めて書くことについて考えてみた①:書き物は〇〇ではない編

          これからのミュージアムショップを考える

          博物館・美術館の展示室を抜けて明るい外の光に目が慣れる頃、その目はかなりの頻度でミュージアムショップに並ぶ商品たちを眺めているだろう。博物館・美術館を訪れた回数はミュージアムショップを訪れた回数とほぼ等しいと言って過言ではない。しかしながら、展示に対して併設するショップの存在はどこか付随的であり、美術館の活動からすると本筋から外れたかのような印象も与える。 この印象は、現在の博物館定義と実際の博物館運営の実態との乖離から生じるものだと筆者は考える。ミュージアムショップは博物

          これからのミュージアムショップを考える

          noteの「いいな」と思うところ

          これまで、WordPressやその他ブログサイトでも書き物をしてきましたが、noteを始めてるにあたって、「いいな」と思ったことをまとめてみます。 続けることに対する明確なメッセージnoteを始めるにあたって、「noteが大切にしていること」というメッセージを見つけました。 ページビューを増やすことよりも、お金を稼ぐことよりも、あるいはフォロワーを集めることよりも、何よりも大事なこと。それは、楽しんで、発表し続けることです。(https://note.com/info/n

          noteの「いいな」と思うところ

          使い倒す! ー図書館活用法ー

          学生は夏休みもいよいよ終盤に差し掛かり、もうすぐ秋学期がやってきますね。新型コロナウイルスの影響で春学期はオンラインでスタートした大学がほとんどですが、秋学期からはキャンパスとオンラインを併用して授業を行う大学が多いようです。 となると、春学期と比べれば大学図書館の利用機会も増えるはず。図書館というのは大学にとって非常に重要な施設です。にもかかわらず、本格的に利用するのは卒論に追われる4年目の秋学期だけ・・・・・・だけなんて人も少なくないように感じます。そこで、今回は自分な

          使い倒す! ー図書館活用法ー

          勇気を引っ張り出す音楽

          大学院の入試会場に向かう道中聴いた勝負曲を2つご紹介。 ウルフルズ『バカサバイバー』この曲は格闘家・青木真也の入場曲。(『ボボボーボ・ボーボボ』の主題歌でもあったそう、知らなかった・・・・・・)青木真也という格闘家は寝技が恐ろしく上手くてONE Championshipの総合格闘技ライト級でベルトを取ったこともある。この曲を聞くと、愚直に練習を重ねて圧倒的な寝技でタップをもぎ取る青木真也になったような気分で歩けるというわけ。 歌詞もいい。 グズグズしてても始まらへんのち

          勇気を引っ張り出す音楽

          はじめましての自己紹介

          はじめまして、まきた かずなり と申します。 基本的な情報年齢:23 趣味:最近はPC周りの作業環境づくり 好物:コーヒーとシュークリーム 興味関心芸術関連 幅広く 特に、人間が音楽を書き残し、それらを改変する行為 note開設の経緯もともと書き物、というかアウトプットが好きです。とはいっても、レポートや論文ばかり書いていれば疲れることもあります。レポートや論文は疲れようと、寝てなかろうと書かなきゃいけないわけですが、締切に追われることなく好きなことを書く場所があっても

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