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サくら&りんゴ #36 弁護士との真剣な会話にそら耳英単語が理解をはばむ

ファミリーロー
弁護士に会いに行く日である。

詳細下記


車がないのでレンタカーをする。
よくわからないままwebで予約していた車保険をキャンセルすることになる。弁護士とのミィーティングが気がかりで、そんなことをしている時間がないと言うより、心の余裕がないのにと思いながら保険会社に電話をする。あなたの待ち時間は5分ですとテープが流れてくる。

Webで安いレンタカーを見つけられるのはいい。が、この会社は、北米にあるレンタカー会社を網羅したウェッブサイトで表示が米ドルである。一緒に保険も申し込める。しかしうっかり安いと思って予約すると最後の最後のPayNowのボタンの下の方に、ちいいいいさあああい字で USD(米ドル)とある。カナダドルにすると1.25倍になるのだ。
要注意である。

さて弁護士事務所は 自宅から30分ほどの位置。
メールでビクトリアン調の白い建物だとあった。
なんだか弁護士事務所としてそぐわないではないか?(日本人的考えから)
以前の電話での会話で、彼女はある事項を誤って考えているということがあったから、あまり期待せず出むく。
入り口は頑丈にロックされていて用事の人は電話をとある。
そして出てきた弁護士アマンダは40歳前くらい。夏ニットのミニスカート。何本もの細いブレスレットを両腕に付けている。
てっきり薄グレーのスーツで現れると思っていた。襟に弁護士バッチがさしてあって。(日本人的考えから)

部屋は濃い水色の壁で、ビーチチェアが二つ描かれた絵がフレームに入って飾られている。
弁護士事務所らしくないインテリアである (日本人的考えから)

概要は電話で伝えメールで書類も送ってあるので話をすぐに始める。

あなたが言っている数字と言うのは・・・?

3ページ目の下の方で・・・・

アマンダは資料に目を通していなかったのかなと思う。これじゃだめかなと不安がよぎる。私は早くも、明日ズームミィーテイングの予約を入れている別の弁護士に頼もうと思い始めている。

するとアマンダが

この計算書にはOOOOの事が含まれていませんね。

英単語が聞き取れないので

もう一度と聞き返す

マッチョオニオンですよ

??マ、マッチョオニオン??なんですそれ?


MATと呼んでいるファミリーローです。妻の立場を保護するものです。
それがありますから、あなたはこんな大金を払う必要は全くありませんよ。

ファミリーロー。あの早口でわからない英単語をまくしたて、あなた騙されたんですよ!と言ったMr.ギルモアの言葉が戻って来た。彼の話で私はてっきり家庭内のいざこざの事項を扱うのだと思ったファミリロー。勝手にカタカナ英語だけで理解してはいけない。

それって例外があります?私は現在半分カナダ半分日本に住むという状況なのですけれど。

ありません。オンタリオでは、あなたが結婚した相手と一緒に住んでいたその家はあなたのために50%の権利が保護されます。

アマンダはきっぱりと言った。そして

それにしても向こうの弁護士はなぜそれに言及していないのかわからないわ。

私は半信半疑である。と言うより、いやあなた、何か見落としてることありません?と言う思いである。そんな大事な事項ならいくらなんでも向こうの弁護士が全く無視することはないのではないか。

1時間のミィーテイングで、他に精査することを確認してとりあえず彼女に進めてもらうことにする。

アマンダの言葉に少し気持ちは明るくなったが、Mr.ギルモアが、なぜもっと早く自分の権利を主張しなかったのか、遅すぎるといった言葉もまた蘇って来た。
それが引っかかって、完全にほっとした気分にはなれない。明日のズームカウンセリングの弁護士の意見を待とうと思う。

アマンダのビクトリアン調オフィスを出て高速400南向き。自宅のInnisfil Beach roadは三つ先の出口である。今抱えている問題に心が占領されていたがレンタカーの走りが快調である。と言うのも、いつも通りコンパクトカーを予約していたが、レンタカーオフィスに行くと 

今日はもう一台あるから好きな方を選んでいいよ。超過料金は請求しないから。

見るとフォルクスワーゲンのTiguamというSUVタイプの車がコンパクトカーと並んで駐車されている。新車だと言う。Tiguamを選ぶ。

そして車音痴のわたしはレンタル二日目にして気づいた
サンルーフがある!
そしてサイドミラーについているアラーム
それは背後の死角からくる車の感知である。
なんせ壊れる寸前で、時折蒸気が噴き出す夫のバンにしか乗ってこなかったので、最近の車にはそんなものがついているのかと浦島太郎な気分である。
スピードが出ている高速走行が多いこの地では、かなり有用なシステムだと思う。
三車線斜めに一気に車線変更するなど、急に現れる車にひやりとするときが一度や二度ではないのだ。

湖畔の家に戻ると久しぶりにリンゴの木を見に行った。
忙しくてとても心の余裕がなかったこの10日間。
3種類の木のリンゴたちが、それぞれにひと回りずつ大きくなっている。
しかし、ちょっと目を離したスキに虫がついているものもある。

虫や傷から守るためにカバーをつける。

ピーチも、思わず頬が緩むにっこり色になって来た。

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私たちの ”この子供たち” がいる限り、私はここを離れない。
そう決めている。


ところでマッチョオニオンとはmatrimonialと言う単語であった。アマンダの話を聞いて結婚、婚姻の意味だとわかったが、全くつづりが分からず見つけるのに苦労した。


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ながつきかず
日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。