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サくら&りんゴ #49 次の人生のために
ビーチウェディング中継
お昼ごろ、(日本人の私の目から見たら)急ごしらえのウェディングアーチがビーチに建てられた。
そう言えばビーチクラブからお知らせメールが来ていた。
土曜日の16:00からメインビーチで結婚式があります。
ビーチでウェディング、素敵!
いくつになってもトキメク乙女心。
なんだかこちらもそわそわしてビーチの様子を眺めている。
16:00時を過ぎたあたりからやっと人々が集まって来る。
その参列客の服装を見ているとなかなか興味深い。
ワンピースドレスの女性やスーツ姿の男性もいれば、あれ、そんな恰好で来ちゃったのみたいな人も。
グレイのスーツはきっと新郎。足には真っ白なスニーカー。頭にヤマカが見えたのでジューイッシュなのだろう。女性の参列者に黒っぽいドレスがちらほら見えたのはそのせいかもしれない。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/62612607/picture_pc_9741b5175134bc0864165f52597c9989.jpg?width=1200)
式は音楽もなく大声援も聞こえず、でも遠くでシーガルが鳴くというビーチならではの演出(?)
あら、ビーチに入るゲイトで鍵を探しているのはカメラマンらしき女性。もう式は始まっているようですけど?
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/62612914/picture_pc_53dd316a2426aed0c36a2d122b44f972.jpg?width=1200)
そう言えばエリックの結婚式に出席した時もなんだかおもしろかった。
彼らの式は実家の農場でとり行われたのだけれど、会場に着いたときはまだウェディングアーチに続くゲートを建設中。
(日本人的思考の私は)きっと何か手違いがあったのだろう。こんな時間になっても出来上がっていないなんて、気の毒に。
そう思ったが、誰一人として焦っている様子はなかった。文句を言っている人もいないし。
とにかくそれが出来上がるのを1時間ほど待って開始。
おまけに業者の人だと思った作業をしていた人はそのまま参列。親族だったの?その汚いシャツとジーンズのままで?
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/62613050/picture_pc_e42a950a68213a1e3bc1de612c49063b.jpg?width=1200)
↑短パンにサンダルの人もいるし。(一応、一張羅の短パンかも)
こうしなければならない、こうすることになっている。そういう事が日本では多すぎるとこちらに住んで思ってきた。が、最近は、いやいくらなんでもこの地では、こうしなければならないことになっている、がなさすぎだろうと思っている。
とにかく
目がくらむ(めまいがする)カナダの人たちの男女関係であるが、結婚式と聞くと、知らない人のであっても ”末永い幸せを” と声をかけたくなる。新しい門出を目にすると、
心がふんわりして軽やかになる。
(たとえ長続きしなくとも)
その時はそこに
幸せがある(はず)。
ビーチで執り行われる手作り結婚式。一度参加してみたいものである。
Next life time
次の人生で
夫が時折そう言った。
死を前にしてさえも、新しいビジネスの事を考えていた夫であったが、時には正気に戻って(?)自分の残りの人生ではできないと認めざるを得なくなって言うのである。
しかしそれは決して失意の言葉ではなく、次に希望をつなげるような感覚。むしろ次の人生まで取っておこう、そんな気持ち。
私もそれが気に入って
そうね、Next life timeでね。
そう夫の言葉を繰り返した。
だって死を前にしなくたって、
私たちがこの人生で経験できる事はあまりに少なすぎて
そのほとんどを
次の人生まで
とっておくほかないのである
自分ができなかった経験は星の数より多い。
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![ながつきかず](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/29218130/profile_15b8241aee3fc19954e35e89fe88337e.jpg?width=600&crop=1:1,smart)