見出し画像

Dual Residence:サくら&りんゴ #22

野菜ガーデンだより:

ズッキーニとトマトとペッパーとナスとロメインレタスとグリーンビーンズとソイビーンズとシラントロとディル、そしてキュウリ。
それからそれから、りんご。

グイ~ン
そんな音が聞こえてきそうなくらい、裏庭の野菜たちが成長して来た。
雨の後は特にぐいぐい来ている。

ズッキーニは初試みでうまくいくか心配していたが、いちばんに育って今日はもうこんな具合だ。
雄花と雌花が仲良く並んで咲いている。

画像1


去年まで植えていたズッキーニに近い仲間、クロックネックスクワッシュは、いつも綿棒で受粉をした。雄花が先に咲いて、しばらくしてからしか雌花が咲かないのである。だから雄花の花粉を綿棒で取って、雌花が咲くまで冷蔵庫に保存していた。夫は私の事をmy wifey bee(奥さんバチ)と呼んだものだ。

何かしらいつも抜けている私は、ここで野菜を育て始めたばかりの頃、受粉の事はまったく頭にはなかった。(一番要の部分だというのに!)
しかし近くの図書館で野菜の種の仕分けを手伝った時、裏庭に置いておくBee Houseの存在を知る。

画像2

これは家庭菜園の受粉を助けるための蜂を呼ぶものだ。庭の木などににつるしておくといいらしい。なんせ東京では、ハチの巣はマスクに手袋の重装備で取っ払うものだと思っていたから、ハチを呼ぶなんてとんでもないと思ったものだ。
一匹のハチを見つけただけで逃げ回っていたけれど、しかし彼らのおかげで私たちは美味しく野菜や果物を食べているのである。

キュウリも、数日前に花が咲いたと思っていたらもう

画像3

根元が膨らみかけている。
知らない間に誰かが働いていたに違いない。

画像4


こちらはビーツ。ビーツと言うよりトップのグリーンを食べるビーツグリーンである。

画像9

グリーンビーンズ

画像6

ロメインレタス

画像10


そしてディル。
いくら好きだとは言え、ちょっと蒔きすぎたかな・・^.^;

画像7

トマトはまだまだ苗の状態だが、私が東京にいる間、Lauriが購入しておいてくれた変わりトマトである。どんな味か楽しみである。

画像11

そう言えば、隣家が空き家となってしばらくたつ。
ココだけの話、カップルと3歳の男の子1歳半の男の子、生まれたばかりの女の子そして大型犬2匹の家族が住んでいたが、私の知る限り 少なくとも17か月分の家賃を滞納していた。犬の散歩に連れて行かないので裏庭にウ〇チし放題。カップルはどちらも明るく親しみやすかったが、男性の方は去年の夏中、もちろん世間はロックダウンだったせいもあって、昼間はいつもベランダでマリファナを吸っていた。おむつ姿の子供がそばで遊んでいる。彼のおかげで私もマリファナの匂いがわかるようになったようなものだ。
しばらくして公的機関の指導が入ったのだろうか。彼らは突然庭の手入れを始めた。そして男性の方がフェンス越しに、

ラズベリーを植えたんだ。すぐ伸びるから、そっちの方にも行くと思うけれどいい?好きに取っていいよ。

と言ってきた。

ラズベリー!もちろんいいですとも!大好物です。

だから彼らが引っ越してから、そのラズベリーの事が気になっていた。
そうしたらある日、前触れもなく大きなバンが止まったかと思うと、三人の男たちが出てきてブイーンブイーンと機械音を立てている。表の木まで切り倒す大がかりな作業をしているではないか。
あの~ラズベリ~残しておいてほしいんですけど~
など頼める余裕もなく 庭はあっという間に整備された。

バンが去って庭に出てみる。
すると昨年のこぼれ種から出てきたのだろうか、フェンスを越えてラズベリーが一本こちらに向かって残っているではないか。

画像8

思わず口元がほころんだ。うふっ。しめしめ。


さて、ご近所の家庭菜園仲間 Ritaがやって来た。
庭のルバーブで作ったジャムを持ってきてくれたのだ。ルバーブはうちの庭から株分けしたものである。シナモンフルーツケーキも一緒に。
どちらもRitaの夫Marcの手作り。私は毎年彼が作るクリスマスクッキーのファンのひとりである。

画像9

東京とここで半々に暮らして、まだまだ、あるいはこれからもずっと、私はこの地の人にはなり切れないと思う、多分。
でも夫がここにいてくれたおかげで、知ることができた人々との関係を、私はずっと大切にしていきたい。

それに何と言っても、育てなければならないリンゴの木があって、私はここを離れることできない。

画像12


いいなと思ったら応援しよう!

ながつきかず
日本とカナダの子供たちのために使いたいと思います。