「ポメラ日記28日目(2023年にやってみたいことリスト、文学編)」
こんにちは、もの書きのkazuma(@kazumawords)です。新年になりましたね。昨年からはじめた「ポメラ日記」もおかげさまで継続しております。
新年といえば新たな目標を立てるのにはうってつけの時期ですが、あまり気負って「今年の抱負」を語ると、後に引けなくなって収拾が付かなくなりそうです。
なのでここはひとつ、「2023年にやってみたいことリスト、文学編」と称して、2023年にやってみたい文学周りのことを思いつくままに並べてみようかなと思います。
①いま書いている短編作品を春頃(3~4月頃)までに完成させたい。
短編作品を最後に発表したのが去年の8月頃だったので、約4ヶ月前になる。短編第七作の「君は花束を忘れた」は、いまのところ僕の書いた短編ではいちばん読まれた作品になった。第二作の「ハイライトと十字架」に並ぶ作品がようやく書けたなというところ。
小説は、毎日のライティング作業やkazumawords.comの更新、noteのポメラ日記、一馬書房での出品・配送などの合間を縫って書いている。
忙しいと順序を間違えそうになるけれど、やっぱり今年も小説の完成を一番上に置きたい。
べつに小説を書かなくても生きてはいける。ブログやnoteの文章を書くのは楽しいし、ライティングやネット古本屋の作業にもやりがいはある。プロや商業の作家ではないから、小説を書いて食べていこうとは思っていない。なるべく小説を書いても、書かなくても、生活を送れるようにしておくのが理想だと思っている。
それでも書かずにはいられないときがある。日常生活を送っていると、ふとしたときにどこにも行き場のない思いが溜まっていく。僕が小説のなかに書きたいと思うことは、いつも誰にも話せなかったことだ。
実用文は何でも筒抜けだ。いつでも相手にわかりやすく、噛み砕いて、相手がちっとも傷つかないように速度を落として投げる。でも、こんなキャッチボールを何千、何万回と続けても、書く方も読む方も、何も変わらないだろうと思うことがある。
ホールデンならきっとこんな言い方はしない、スペンサー先生に怒られながら平気でセントラルパークの池の家鴨のことを考える、シーモアだったらいちいち説明なんかしないでこめかみに拳銃を撃つ、ホリー・ゴライトリーならここからドアまで歩いてだいたい四秒かかるんだけど、きっかり二秒で行ってちょうだいね、って言う。あとは「旅行中」の札を立てて、アフリカの掘っ立て小屋で暮らせばいい。
小説は説明しないし、弁解もしない。いつでも言葉の下には何かが隠れている。それをちっとも見せようとしないで、ぶっきらぼうに言い放つ、そういうときの表現が、僕は好きだ。わかる、とか、わからない、とか、頭で考えなくていいから。
短編の第八作は納得のいく言い方になるまでやろうと思っている。そのためにはまだあと三ヶ月はかかりそうだ。春頃には発表できたらいいなと思う。
②短編の第九作から公募を再開する
僕が短編を作りはじめたのは、四年前にあるひとから助言を貰ったからだ。僕は四年ほど前に一度、筆を折った時期がある。書いた小説をこてんぱんに言われ、僕はそのことがきっかけで公募を止めた。プロになることも諦めた。
それまでは長編小説を書こうとしていたんだけど、僕は長編をものにすることができなくて、挫折した。同じやり方を続けていては、いつまで経っても僕は小説を書くことができないと思った。
普段なら作品を批判されても、しばらく経てばまた書きはじめるのだけど、あの時はもうこれ以上、僕がものを書いても仕方ないんじゃないかと思った。「これは小説ではなくて、ただのお話」と言われたときに、僕の中で糸がぷつんと飛んだ。助言の内容は一から十まで正確だった。僕の創作のいい加減さをはっきりと見抜かれていた。
落ち着いてその言葉を読み直せるようになったのは、何年も経ったあとのことだ。手加減をせずにはっきりと言ってくださったことに頭が下がる思いがする。僕が返せることは小説を書き続けることだけだった。
それでもう一度、ゼロからやり直した。二百五十枚や三百枚とただ枚数を膨らませただけの紙切れを増やすのではなくて、まずは十枚、三十枚の小説をきっちり書けるようになろうと思った。この二年間は、小説の武者修行をするつもりで短編を書いた。
サリンジャーに「ナイン・ストーリーズ」っていう短編集があるけれど、やっぱり「九」っていう数字は意識しないわけにはいかない。もちろんサリンジャーは短編を九作しか書かなかったわけじゃなくて、生涯に三十の短編を書き残している。未発表の原稿を加えれば、もっとあるだろう。
あやかるわけではないけれど、短編を九つ書くというのは憧れであったのは確かだ。
僕はまだはっきりと自分の書き方をつかんだとは言えない。何度やってもこの言い方でいいんだろうかと悩む。たぶんその繰り返しの中からでしか、表現することは生まれない。
いまの短編が書き終わったら、次の九作目は小さな文学賞に出してみようかと思う。今回の短編は賞に出すことは考えていなかったので、合うものがなければいつも通り、noteで公開することになる。
③私家版の短編集を作ってみたい話
いまの短編を書き終えた辺りで、自選の短編集を紙の本で作れたらいいなと思っている。これはまだ漠然としていて、何となくそう思いついたのでリストに入れている。もし私家版の短編集が出せたら、ネット古書店の一馬書房で販売しようかなと。一馬書房を続けられる期間もそんなに長くはなさそうなので、何とか間に合わせて並べられたらいいなと思う。自分の作品を手弁当で売る、というのをやってみたかった。
ゆるいつもりで書こうと思っていたのだけど、何となく抱負っぽくなってしまった。ゆるい版はまた今度。
2023/01/05 19:30
kazuma
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