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感覚統合における代表的なアセスメント方法

今回は、「感覚統合における代表的なアセスメント方法」について解説します。感覚統合の支援においては、その子どもに最適な支援方法を見つけるために、まずアセスメント(評価)を行い、子どもの背景や特性を分析することが重要です。このアセスメントにより、子どもに合った支援を効果的に提供できるようになります。以下、代表的な5つのアセスメント方法を紹介します。

▼ 参考にした本

1. JMAP(日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査)

アメリカで開発された幼児向けの発達スクリーニング検査を日本向けにアレンジしたものです。対象は2歳9ヶ月から6歳2ヶ月で、30〜40分かかります。この検査では、幼児の「感覚と運動」「協応性」「言語」「非言語知覚 (視知覚)」「複合能力」など、5つの領域について評価します。検査は専門家が実施し、医療機関で行うことが可能です。幼児期の発達を総合的に把握できるため、早期支援のための重要なツールです。

2. JSI-R(日本感覚統合イベントリー)

JSI-R (Japanese Sensory Inventory Revised) は、発達障がいに関わる行動の出現頻度を評価するための質問形式のチェックリストです。147項目の行動リストをもとに、保護者が4歳から6歳の子どもの行動を記録します。専門家でなくても利用できるため、家庭で簡単にチェックができるのが特徴です。作成者である太田先生の公式サイトからダウンロード可能で、保護者でも子どもの感覚発達を確認できるツールです。

3. 感覚プロファイル

感覚プロファイルは、特に自閉スペクトラム症の子どもなど感覚に困難を抱える人向けに設計された検査です。対象年齢は3歳から82歳と非常に広範囲で、感覚の「低登録」「感覚探求」「感覚過敏」「感覚回避」という4つのタイプに分類して評価します。検査は保護者や本人が回答し、それを専門家が分析する形式です。簡易版であれば10分、標準版で30分程度で実施可能です。特に感覚面での特性を知りたい場合に有効です。

4. 感覚・動作アセスメント

感覚動作アセスメントは、小学校の担任の先生が生徒の感覚統合の状態を把握し、支援するために開発されたウェブサービスです。日常的な行動に関する質問に答えると、結果がレーダーチャートで視覚的に示され、支援方法も同時に提示されます。感覚統合についての知識が少ない先生でも簡単に利用でき、支援の方向性を理解しやすくする設計です。

5. JAPAN感覚処理・行為機能検査

日本独自に開発された感覚統合のアセスメントツールで、対象年齢は4歳から10歳。以下の4つの領域に分かれており、合計32の検査項目で構成されています。

  • 姿勢・平衡感覚の機能

  • 体性感覚の機能

  • 行為機能

  • 視知覚・目と手の協調

この検査は子どもの発達の特性を詳細に理解するために有用です。


私自身もこのアセスメントを通じて息子に合った支援を見つけ、効果的な方法でサポートしていきたいと考えています。特に「感覚プロファイル」や「JAPAN感覚処理行為機能検査」については、近々息子に実施してみる予定です。

子ども一人ひとりに合った支援を行うためには、アセスメントを通じて個々の特性を正確に把握することが不可欠です。各ツールはその子に最適な支援を見つけるための指針となり、効果的なサポートをするための第一歩です。関連リンクも記載してありますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

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小野|ぬりえ
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