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vol.14 英国で学びたいこと


気候変動セミナー

先ほど大学で気候変動に関するセミナーが開催されるというので行ってきました。
地元の気候変動研究所が主催し、ロンドン大学のBill McGuire名誉教授を招いての講演会でした。
彼の専門分野は地球物理学および気候災害学。
ロンドンの「New Weather Institute」の共同代表として、特別科学アドバイザーとしてご活躍です。

暗い…

夕方18:00開始でしたので、外はかなり暗くなっていました。
なのに、照明がほぼ点灯していない。
気候変動の講演会ということと、エネルギー価格のことで、誰も文句は言いません。
一方で、会場は盛況でした。
100名くらいが参加していたでしょうか。
教室のキャパがあまり大きくなかったので、びっしり埋まっているという感じ。
見た感じですが、高齢者が4~5割、若者は2~3割といった状況。

講演会直前の様子

英国らしい内容も

講演はとても分かりやすく、かつ、危機感を感じる内容でした。
データを豊富に提示しながら、温暖化がどの程度進んでいるのか等、細かく説明。
私の拙いヒアリング力ですが、特に印象に残った点を二つほど。
一つは、気候変動の原因が英国から始まったとされる産業革命に起点があるという話。
ジェームズ・ワットの蒸気機関やクロンプトンの紡績機等を提示しながら、
自分たちに責任があるんだという話。
もう一つは、Tsunamiの話。
グリーンランドの氷が急速に溶けていて軟弱な地盤が表出しつつあるため、
ちょっとした地震などで地滑りが発生しやすくなっている。
それで発生したTsunamiがスカンジナビアやスコットランドのフィヨルドに到達すると大きな被害出るという。
東日本大震災の写真を提示しながら、日本に学ばなければならないと。

驚いたのは…

質疑応答が活発ですね。
30分の質疑応答で、20名以上に対応していました。
次から次へと手が上がり、いろんな質問がなされました。
質問も手短だし、教授も端的に回答。
日本人だと、前提を詳しく説明してから質問する人が多いので、
質問が長くなってしまいがちですよね。
そんな感じが全くない。
内容的に一番多かったのは、政治の役割に関すること、
次に、市民活動の活性化でしょうか。

もう一つ、驚いた点。
ほぼ全員がメモをとっていなかったこと。
私が机の上にPCとノートを出していたのはちょっと違和感があったかな。
つまり、
話を真剣に、集中して聞いているのです。
だから、話が終わった後に質問が続出する。
すごい活性化する場になっていました。
メモすることが目的になっていて、
内容を理解したり、
自分の意見と自分の中で戦わせたり、
批判的に考えたり。
そういった「考える」という行為が弱くなっているかもなぁと感じた次第。

私が英国に来た理由の一つは、
Sustainabilityについて、
こちらの人たちはどのように考えているのか、
生活や文化にどう根付いているのかいないのか。
その現状を「体感」したかったことがあります。
現代の歴史を創り上げることに大きな貢献をした欧州の人たちの考え方、
発想に触れたいと思っています。

それと、先日大学のボランティアオフィスに行って、
地元でできるボランティア活動を紹介してもらいました。
やはり英国らしくなのか、
こんな田舎でもメッチャ多くのボランティアの機会がありました。
ちなみに、うちの大学では、ボランティアオフィスがキャリアセンターの中に設置されています。
ボランティアの経験が、就活時のCV(履歴書)に箔をつけるからだそうです。
ボランティアの本質からはズレているなぁと感じましたが、
実際に経験した大学生などに今度詳しく話を聞いてみたいと思います。

そう、それで早速今週末から3週連続で、気候変動関係の団体のミーティングが開催されるので、行ってみることにしています。
大学院の勉強が半端なく大変なので、どこまでできるかわかりませんが、
できることを見つけに行ってみたいと思います。
これらの様子も報告しますね。

※メイン写真は「St.Paul's」教会。寮から徒歩5分の私のランニングコース沿いにあります。

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