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芸術としてのサッカー論

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サッカーを"非"科学的視点から思考する
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#コラム

『お前は一体、サッカーで何がしたいんだ?』

父は「野球のルールは複雑だから、お前にはまだ難しい」と僕に言った。自分がサッカーを始めた理由は、多分、これだと思う。実際のところは覚えてないけれど、キャプテン翼に感化されてサッカーを始めたわけでも、憧れの選手がいたわけでも、身内にサッカーをしている誰かがいたわけでもなく、なんでサッカーを始めたの?と聞かれても、答えることが出来なかった。 今となっては、この「サッカーを始めたきっかけ(理由)がわからない」ということに対して、特に何も思っていない。むしろ、数あるスポーツの中から

これまでの発言、そしてこれからの発言は、全てこの3937文字に通ずる。

時々私は、自分は動物園にいる動物だったのではないだろうかと思う時がある。特に外国に住み始めてからというもの、この人たちが野生の動物であるならば、日本人は“動物園にいる動物”なのかもしれないと、確かにそう思う。もしくは、野生の動物に近い環境で飼育されている動物だろうか。 それが良いか悪いかは一度置いておいて欲しい。全く正解を言える自信がないし、その必要もないように思う。 ただ、日本人は、いつからこんなにも人間離れしていってしまったのだろうかと、最近そう思わずには居られないの

ある成熟した分野において「非正規的な思考態度」を取るということ

【対談:編集後記】 三倉克也さんとの対談を読んで、人がなんと言うのかは正直わからない。新しい発想の種になった人もいるかもしれないし、もしかすると全く意味のない対談に思えた人もいるのかもしれない。 ただ、他人の評価がどうでも良いと思うくらいに、私にとって大切な時間になったことは間違いなく、それを誰かに共有出来ればいいと、そう思っている。 *** 私は「サッカー監督」という職を求めながら、こうして文章を書いたり、写真を撮ったり、ブランドをつくったり、サッカーという「何か」

今時の若いやつは

「今時の若いやつは・・・」と、今時のおじさんはよく言う。 世の中が目まぐるしく変化を遂げていく現代において、「過去の若者」と「現在の若者」に違いがあるのは当然だが、それと同じように「昔は良かった…」と、昔と今を比較してしまうのもまた当然のことで、きっと、どこの国のどこの時代の「今時の若いやつ」も、同じことを言われて育てられてきたに違いない。これからも世の中からこの言葉が消えることはないだろう。 ところで、サッカーにおける「今時の若いやつ」は、一体何を考えて、何を思ってサッ