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第15話 │ 温度感
人との関係に関わらず、温度感とは非常に大変なものだ。
頑張ったら頑張った分だけ、成果が出なければ悔しい。
準備をしても準備しただけ、結果が上手くいかなければそれは準備不足だが拍子抜けすることもある。
先日、とある集まりで自分の料理を振る舞うことになった。
人数は自分含め5名。
そのうち1名が誕生日だという特別な日。
元来、この集まりは旅行をするはずだったのだが緊急事態宣言で取りやめとなり、代替案でみんなで日帰りで食事をすることとなった。といういきさつがある。
それにもかかわらず、当日になってひとりがドタキャンしたのだ。
この時、怒りの感情が手に取るようにわかるくらいふつふつと煮えていた。
しかしその怒りは、直ぐに喪失感とも言える感情に変化した。
私は、この日を絶対に成功させようと思ってたくさん構想をねり、みなが楽しめるメニューも考案し、感染対策を講じて自作ケーキもひとりひとりの大きさのプティガトーと呼ばれるものを作成していた。
これはもちろん、人数分を計算してのことであったし、ただ楽しんで美味しく食べてもらおうという純粋な気持ちだけで作ったものだったのでかなりの精神的ダメージを受けた。
ドタキャンの理由は体調不良。
無論、コロナ禍と言う状況下で陽性反応が出て本当に大変な状態になっているかもしれない。
さらに、今の状況を鑑みての判断なのかもしれない。
かなり厳しい言い方になってしまうが、体調不良という理由は正直、凄くずるい手だと思う。
言われた側は、キツくでられないし言った側も言及されないから無敵の手なのである。
とも捉えられてしまう。
細かな話にはなってしまったが、
要するに、人の想いや準備をした努力に対して考え無しに無下にしてしまう(無自覚でも)ということは、周りの人を遠ざけるのだ。
ドタキャン、遅刻、時間にルーズというものは現代社会にとどまらず、対人間の関係性においてマイナスのイメージしかもたらさない。
特に今回の件は、こちらの熱意と相手側の想いにかなりの相違があったように思う。
お互い同い年、気づき合うところは違えどもう少し分かってくれてもいいんじゃないかとは思うけれど、何を隠そうもちろん他人なのでしっかりと言葉で告げてコミュニケーションをとらないと。