シームレスになる消費と応援

昨今の騒動の中で飲食業において、より強く消費と応援がシームレスなものとして捉えてられてきている気がする。

これはチケットを買ってスポーツチーム/選手の応援に行く事に近い。

もちろんこの騒動の前から、応援したい人や気持ちの良い人の会社に発注をしたい、とか、好きな人のいるお店で食事をしたい(お金を使いたい)、みたいな事は良くある事だった。

そして、そこには多少なりとも「その人の生活が豊かになったら良いな〜」とか「自分が消費した事で、その人たちが潤い、活力を得て、また新しいプレゼンテーションを楽しめたらなぁ」という様な、愛情とか期待が存在していると感じていた。


そんな中、世間では「今は使えないけど未来に使える◯◯」が販売されている姿を頻繁に目にする様になった。

これを購入する人の心理は、①まぁ、近い将来使うだろうし、お得な時に買っておこう②少しでも彼/彼女らの助けになれば良いな③この人たちを応援したいから買おう、といったものが多いと思う。

そしてこの中の②③の消費をする事によって、人から感謝されたり、とか、自分は誰かの為になっているなと実感できたりする。

誰かからもらう「ありがとう」の一言は少なからず自分に元気をくれるし、人の役に立った時の自分には気持ち良さが感じられる。

これはつまり、人間が社会で(他者との共存の中で)生きている中で、「誰かの役に立つ事で自分が満足する」という事をよく表している。

人は自分の行動に対し、自分以外の誰かからの反応があった時に(反応が無いという反応もある)、初めてその行動による影響を実感できるのである。

さて、話を戻そう。

前述の「誰かの役に立つ事で自分が満足する」事を覚えると(新たに覚えるというよりは、その事をより意識して消費し始めるという意味)、人はどうなるのであろうか?

私は、人はその快感体験を繰り返し求める様になると思う。そして、消費×応援×投資=自己満足度の向上、のような感覚がより生まれると思う。

今回のコロナ騒動によって活性化した「飲食店で未来に使えるチケット」の考え方は消費者の捉え方は違えど以前からあった。例えば、「300円×11杯分のチケットを3000円で販売」みたいな事である。

今後は更に、飲食店に対する投資的要素も含んだ消費が出てきそうな気もしている。

例えば・・・

半期の頭にのみ、400円ドリンクチケット×10枚を4000円で販売。
このチケットは1年間いつでも使える。
半期間の業績が好調であれば、400円チケット1枚で500円までのドリンクなら使えるようにアップグレードされる。
業績が悪くても1枚あたり400円以下の価値には下がらない。
現金化はできない。

などである。(※これが法律的にOKかどうかは調べてません。)

もしこれがOKであればだが、飲食店はキャッシュの確保が出来るし、消費者は前述の「誰かの役に立つ事で自分が満足する」を価値が上がる可能性と共に得られる。更にチケット保持者は価値が上がれば上がるほど特になるので、来店頻度がUPする可能性もある。

店側もキャッシュがあれば新たな設備投資やチャレンジがしやすくなる。

・・・

話が少し派生したが、今日、シームレスな消費と応援を実感している人も少なくないと思う。

飲食に従事するものとして、応援を受けるのであれば、何としてもそれに応えたい。

応援されるに値する結果を出す事とその為の準備を怠らない事がとても大切だ。

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