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Lesson Note: 学びの先にあるもの

今日は仙台でのレッスン

本格的に寒くなってきてスタジオの中もひんやりしていて今年も石油ストーブの登場
スタジオはなかなか真冬は暖かくなりにくくて
コロナのときのオンラインで東京の人と
ミーティングしていると僕の喋る息が白くて
「大丈夫ですか?暖房つけたほうがよいですよ?」と言われ
「暖房ついてます」というやりとりがある笑

今回は子供達(小学生、中学生)3人を集めての集中的なレッスンをしてみた
3人ともこの一年ですごく上手くなってきたのだけど
学校の部活などなどで忙しく来れたり来れなかったりで
みんなが集まることも難しそうだったのでこちらから声をかけて集まってもらった

まずは今までステップを覚えるこなどに一生懸命だったので
今日は一緒にタップの映像をじっくり見ることにした
この時間はなかなか良かった
まずは自分がバイブルとして見ているGregory Hinesの映画「TAP」のチャレンジのシーンを観た
錚々たるマスターたちがタップバトルを繰り広げるシーン
初めて観たようでじっくりと静かに集中して見ていた
以前、大人の生徒に見せた時に踊っているタップダンサー達が俳優だと思っていたそうで。。。(え?)「俳優さん達タップ上手いんですね」と言う感想があったが、この映画に出ているタップダンサーは本物のタップダンサー達です

子供達にはあえて説明せずに時代を追って、そこに出ている子供のSavion Gloverが大人になっていく過程としてブロードウエイのショウ『Bring in Da Noise Bring in Da Funk』を見せてみた
これまた、何も言葉を発せずじっくり見ていた

そしてまた真逆のブロードウエイのショウ『42nd Street』
リバーダンス、そしてリバーダンスのダンサーとSavionのバトルの映像
Gregory HinesがSammy Davis Jr.のバースデー(病気で最後のステージ)で踊るシーンなどざっくりと一通りの映像を一緒に観ることができた

子供達が感じるままに観てもらおうと思い敢えて言葉を挟まずに観てもらった
当然だけどタップを習っているのにタップダンサーの映像など見る機会がなければ自分がどんなタップを踊りたいかもイメージできない
自分が好きなスタイルのタップを自分でまずは自分で知ることが大事だと思う
映像を見て感想を語っていると
自分自身が辿ってきたプロセスをもう一度改めて振り返る経験にもなって
とてもよかった

15歳でタップを始めて当時の先生の佐藤勝先生に借りたビデオをダビングさせてもらい
とにかく擦り切れるくらいに映像を観た
それからNYに行って偶然シアターの前を通ったらSavionがいて
タップのショウとは知らずに見て衝撃を受けたNoise Funk
そこでひょんなことから自分もそこでトレーニングを受けて
ディレクターのGeorge C Wolf、Savionの前でオーディションを受け
合格の通知を受けたにもかかわらず出演は叶わなかったショウ

子供達と映像を見ながら
タイムスリップしているような不思議な感覚を感じた

今という時代は求めればいくらでもボタンひとつで欲しい情報を得ることができるということ
誰かがビデオを持っているからという理由でその人の家に行って
じっくりと映像を見せてもらったあの頃のような時代ではなく
いくらでもどんな情報でもアルゴリズムが先に見つけてくれる時代

だからこそ自分が何が好きで
どんなことを学びたいのか
そしてその先にどんな表現をしたいのかを
自分が選択してほしいと思う

そうしているうちに色んな大事なことを自然に学ぶことになる
先生や他のダンサーから学ぶ上での人との関係性
何かを一緒に創作する上で協力し合うことや感謝することなど

いまだに僕は自分の先生からたまに連絡を受けたり
連絡をしたりできることは本当にかけがえのない財産になっている
それも自分が創作していく表現の一つだ

今の時代に何かを『人から学ぶ』ということはどんどんレアな体験になっていくかもしれない
もっと合理的なものが優先されて
選択肢が増えてはいくが
その分その瞬間の『一期一会』の一瞬を選び取ることが
困難になるような気がする

学ぶ先にあるのはただ上手くなるだけではない
ビジネスチャンスを得ることでもなくて
もっともっと心に豊かなものと信じている
それは教える方にも同じことが言える

学んでいく先に(教えていく先に)自分が得ることは
自分自身が創造していくことなのだと思う






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