カズコ・デラックス

せっかくなんで、オカマキャラにしてみたわ。 ただただ、恋愛体験や過去の情事を無機質に…

カズコ・デラックス

せっかくなんで、オカマキャラにしてみたわ。 ただただ、恋愛体験や過去の情事を無機質に書き綴るというアカウントね。 会ったこともない人に読まれて見て承認欲求を満たすだけの、そんなオカマキャラのアカウント。 ゆっくりとお過ごしして頂ければと。

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女友達に誘われて向かった二軒目カフェバーで、女二人でワインを1本空けそうになっていた。 「もう、その彼とはダメなんやし、新しいの探したら?」 目の前で諭すように言う女友達の顔が、暗いお店の照明でも真っ赤に染まっているのが分かる。 同じ女子大に通うこの女友達は、一番の心を許せる友だちということもあり、オンナは今の彼氏の愚痴を聞いてもらっていた。 オンナは二十歳になったばかり。細身の体つきと長い手足から、いつも女友達からモデルにでもならないかと進められていた。 ファッションやメー

    • shortfilm

      チャイムの音を聞いたオンナは玄関のドアに向かってゆっくりと近づいた。 8畳ほどの小さなワンルームの部屋。 家具は白色で統一され、部屋は綺麗に片付けられている。 壁には同い年の彼氏と一緒にとった写真を2,3枚貼り付けていた。 鍵をそっと回し、小さくドアを開けて隙間を覗くと、無表情のスーツ姿のオトコがそこにいた。 無言で玄関に入る彼氏とは違う別の年上のオトコ。 オンナは待ちきれずにオトコに抱きついた。 オトコの身体の冷たさから、部屋の外はとても冷えていたことが分かる。 舌が唇の

      • chatroom

        繁華街の雑居ビルの7階に、オンナは簡単な受付を済ませ、受付の先にある廊下を進んでいった。 廊下の両脇にはワンルームくらいの部屋が並んでおり、オンナはそれらの部屋に興味を示すことなく、受付で指定された部屋にゆっくりと向かっていった。 オンナは受付で預かった鍵で部屋の扉を開ける。 部屋の中は綺麗に掃除がされた状態。 オンナは少し安心して、真っ白な部屋に不釣り合いなピンクのソファの前にバックを下ろした。 近くのコンビニで買ったパックの飲み物を、デスクトップPCが設置された机に置い

        • recognition

          長めのお風呂から上がったあと、寝室でスマートフォンのゲームに熱中する旦那を確認し、バスタオルで髪を拭きながら、リビングに向かった。 冷蔵庫からカロリーオフの発泡酒を取り出し、テーブルの上にスマートフォンと一緒に並べる。 オンナは今年、32歳になった。22歳で結婚し、今年でちょうど10年目になる。大阪の千里中央駅の側のマンションに、旦那と二人で暮らしていた。旦那との子供はすでに諦めており、もうセックスレスが1年以上続いている。しかし、それ以外の面では、優しく気の利いた旦那だった

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        • カズコのお話
          6本

        記事

          moratorium

          「このまま新橋に直接向かうね。遅くなるかもしれないけど、電話するね!」 目黒八芳園の入り口で、オンナは微笑みながら、婚約者にそう伝えた。 3ヶ月後の結婚式の打ち合わせに、ウェディングプランナーとの打ち合わせ終わった後だった。 プランナーはオンナよりも4つ年下。 はっきりとした顔立ちで、豊満な胸をした女性だった。 プランナーのシャツの隙間からちらちらと見える胸の谷間に、オンナは嫌な気分になっていた。 「無理しなくていいよ。俺、最近、残業多いから、このまま帰って寝てるかもしれない

          vibelation

          東京麻布にある高層ホテル。オトコはフロントでチェックインを済ませ、オンナの表情を伺っていた。 オトコは優しく微笑みかけ、そのままフロントで鍵を預かり、一緒にエレベータに向かっていた。 オンナは、オトコの後ろに付いて行き、エレベータに乗り込む。 ゴールデンウィークが終わった後で、客は少なかった。 オンナは通勤用のスプリングコートに身を包んで、オトコの背中に隠れるように、じっとエレベータが指定の階に上がるのを待っていた。 エレベータの中には、オトコとオンナ、そして50歳くらいの中