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彼女が仕事をやめ北浦和に越してきたのは、春一番に運ばれた死の香りにどの路も満たされたころだった。
大学をさぼってよくフェレットと遊んでいた。
うらぶれたペットショップで元気に売れ残っているその動物は、ひたすら売れ残って元気にしていた。
時を忘れて遊んでいた。よくない客だと解っていても止められない。
理解することと行動することは別のベクトルだった。
いつか連れて帰ると思っていた、はしゃぎまわるファンキーな彼を見ているだけでよかったのだ。
そんな彼もいつの間にかいなくなっていた。
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