不要の昼と不急の夜
仕事に行くために電車に乗った。
無言で座る人々はみんな
くたびれた顔をしていた。
不要不急の外出は自粛してください。
都知事の会見で緊張が高まって、
ストレスがたまっているんだろう。
僕と同じで、あんまり
眠れてないのかもしれない。
人の少ない空間を探して、
どこにも触らず立ち続ける。
そして降りる駅に着くまでの間
ぼんやりと考えてしまう。
この外出は、不要不急なんだろうか。
僕が仕事と呼んでいるものは
ほとんどの場合お金にならないし。
再生回数やいいねでわかる。
世の中に全く求められていない。
不要の昼と不急の夜。
毎日がその繰り返しだ。
もちろん、そんなのは
前からわかっていたことだ。
誰に何と言われようとも。
誰にも何も言われなくても。
好きなように生きてきた。
だから後悔はしていないけど。
それでも、どうしても
眠れない夜があるから。
不要の昼と不急の夜が
許される日が待ち遠しい。
今のままだと何というか
まるで人生を自粛しろと
言われてるような気がして。
また寝不足の朝が来るから。