【中国ビジネスまとめ】トレンド・ライフスタイルから視る中国②~医療編~
本日は中国の医療事情からビジネスを考察します!どうぞよろしくお願いいたします!
中国の医療問題
中国国内では医療市場の改革の機運が高まっている。国内での健康意識の高まりとともに、人々のニーズは受け身の治療から積極的な健康管理へと変化してきたという。しかし、中国の医療制度は「診療を受けるのが難しく、医療費が高い」と評されてきた。その医療問題の解決に向けて、インターネット技術のよる新サービスに大きな期待が寄せられている。その機運の中でIT企業はこぞって医療のIoT化や医療ビックデータの活用を進めている。
家庭では医療用スマートデバイスを仲介としワンストップサービスを受けることが主流となっている。同サービスは日常からユーザーの検査データを収集してカルテを作成し、ユーザーや契約医師に提供するほか、医療機関を受診する前にユーザーが自身の病状を知ることができるスマート予診サービスも行っている。電子機器に不慣れな高齢者でも使用できるよう多彩な手段でUXの向上を図っている。また、単なるデータ収集では終わらず今後オンラインでの診断、医薬品のオンライン購入、病院予約を展開していくことを考えている。中国では家庭で医療サービスが受けられる様に研究が進められている。
↑医療サービスロボット「医哆咖(YiDoKa)」
保険分野ではどうだろうか。
アリババ・グループの金融関連会社「アント・フィナンシャル(螞蟻金服)」によると、同社が運営する医療共済「相互宝」は昨年10月の開始以来、加入者が7500万人を超えたという。今年7月1日までに合計597人の重大疾病患者が同共済の援助を受けている。
同サービスの加入者の56%は三級都市以下の地域に在住しており、農村や県級市(中国の行政区分で県と同等の市)の居住者が32%を占めた。アリペイユーザーは相互宝に加入すれば、重大疾患(対象は100種類)にかかると、最大で30万元(約480万円)の共済金を請求できる。共済金の費用は加入者全員で分担し、2019年の1人あたりの負担額の上限は188元(約3000円)で、それを上回る部分はアント・フィナンシャルが負担するとされている。この様に、保険料が高く入れなかったユーザーに対し加入方法も簡易的でなお負担額も低いことから大きくペインに刺さったことが伺える。同社はこの価格を維持するために、IT技術で従来の審査の処理能力の向上を図り更には関連分野でのフィンテックの技術も駆使し、今までの運営方法を革新し大幅なコストダウンを可能にしている。しかし、完全にオンライン化はできておらず今後の技術革新がサービスを維持するためには必要となる。