銀行は慈善団体ではありません。
お疲れ様です!
先日ご相談頂いた方とのエピソードを紹介します。
※ご本人さんから紹介の了承いただいております。
とても優しい経営者さん
先日資金繰りの件でご相談頂いた経営者さんは、
とても優しい経営者さんでした。
私が書くと嫌味っぽくなってしまうかもしれませんが、
社会とか、人の関わりとか、理想とか、
そういったことを大事にされている経営者さんでした。
以前までしっかりと黒字決算でして、
銀行さんとも良いお付き合いができていたそうです。
声かけてくれて連絡もあったとか。
そんな中、
競合が伸びてきたことで自社の集客が落ちてきて、
不安になったころ見つけた広告で参加したセミナーで紹介されたマーケティング手法があった、
自社の規模に対して高額だと思ったけど営業担当者の話を聞くとしっかり回収できると思った、
思い切ってマーケティング予算に先行投資することに決めた、
始めてから半年ほどたつけどまだ効果は出ない、
そうこうしているうちに赤字になってしまった。
その決算書を銀行にもっていってから対応が変わったと。
それまでは、
近くに来たからと挨拶してくれたり、
色々と連絡くれたり、
融資の提案をしてくれたり、
とても親身にサポートしてくれて感謝していたけど、
今では全然そんなことなくなった。
今はまだ手元資金でなんとかやれているけど、
このまま投資を続けると厳しいので銀行さんから借入したい、
どう交渉していったらいいか、
という相談でした。
その時にマーケティング予算の使い方、判断の仕方、見極め、なるべくお金を使わない売上拡大策などお伝えしつつ、
苦しい局面では売上より利益、利益よりキャッシュ、などお話しました。
色々と伝えた話のうちの1つが「銀行は慈善団体じゃないです」ってことです。
優しい経営者さんにお伝えするのもどうかなと思いつつ、
中長期的に考えると強く伝えた方がよいと思いました。
なにより、他の悪徳営業会社とかに騙されそうで勝手に心配になりました。
ブランディングとかマーケティングとか、
成果強調して成果出ないってパターン割と多いので、
おせっかいながら色々と今すべきことをお伝えしました。
銀行融資で今のマーケ施策の効果が出るのを待つより、
もっと違うアプローチが優先だろうなと。
金融機関は金融で儲ける営利企業です
タイトル通りなのですが、
時々いらっしゃるので改めて言います。
銀行さんは慈善団体ではありません。
しっかりと営利企業です。
悪徳企業ではないと信じていますが、
営利企業なので自社の利益を当然考えています。
先ほどの経営者さんはしてなかったのですが、
多くの強い企業はお客を選別しています。
稼げる儲けられる企業、
手間ばかりかかって売上利益が作れない企業。
限られたリソースをどこに投下し、
最大限のリターンを得るべきか、
と考えたら、
当然、稼げる儲けられる企業になります。
銀行さんもそうです。
各支店ごとに営業ノルマが課されて、
それが各銀行員さんに割り振られ、
ノルマ達成のため忙しく営業されております。
忙しい銀行員さんに好かれる会社さんはどんなところでしょう?
生臭い話ですが、
自分のノルマ達成に貢献してくれるお客さんです。
つまり、業績が良く、融資を多く利用してくれて、高い金利で借りてくれるようなお客さんです。
業績が悪化し、赤字や債務超過になってしまうと、
どうしても銀行さんはお金を貸せません、貸しづらいです。
貸しても大丈夫かどうか決算書を分析し、稟議にまとめないといけません。
上司に厳しくチェックされ、「本当に大丈夫か?」と詰問されるでしょう。
ノルマに忙しく時間が取れない中、
赤字決算を分析する時間、
上司を説得するための時間をどれだけ業績が悪い会社に使ってくれるでしょうか。
もちろん、気持ちの熱い銀行員さん、支店長さんもいらっしゃるでしょう。
でも絶対数は少ないです。
銀行は営利企業です。慈善団体ではありません。
銀行さんに良い対応を望むなら、
銀行さんの望む優良企業を目指すのが一番の近道です。
つまり、業績が良く、安定しており、多くの融資を利用して、
金利に文句言わない。
これが大前提であることを是非心に留めてください。
業績が悪化している会社は、
銀行交渉はできなくないですが、
当然難易度は高く、確率は低いことを覚悟してください。
ツラめの話でした。
まとめ
本日は先日ご相談頂いた方とのエピソードをもとに、
金融機関がバリバリの営利企業であることを改めてまとめました。
CMとかHPとか見ていると、
とてもきれいな発信されている企業さんばかりですもんね。
地域社会に貢献!とか、
中小企業の信頼と安心のパートナー、
みたいな。
もちろん、志としてお持ちなのでしょうし、
非常に熱い担当さんとかとたまにお会いすることもありますよね。
でも、基本的には相手もビジネスでやっている、
というのはどんな時も忘れないでほしいと思います。
あなたと取引して儲かりそうなら良くしてくれますし、
儲かりそうでない、損しそうであれば扱いは悪くなるでしょう。
表現として非常に悪いかもしれませんが、
打算的にお取引きするのが良いと思っています。
お互いにビジネスメリットのある関係でいられる中で、
心を通わすようなやり取りは全く問題ないと思いますが、
ビジネスメリットがなくなった中小企業を、
熱心に銀行さんがサポートしてくださることはほぼないです。
当たり前のようですが、
なんとも寂しい話でもありますね。。。
本日は以上です。