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#010 HRテック...成功するツール選定(Dicision Analysis)のポイント

当社にご依頼頂くクライアントの多くは「システムを活用できない」「経営からDXと言われたがどのようなアプローチをすればいいかわからない」のいずれかのケースです。
どちらも戦略をインプットとしてロードマップを描き、それをサポートするシステムアーキテクチャを設計する訳ですが、後半の工程は必ず「ツール選定」となります。「ツール選定」は、いわゆる意志決定であり、”Dicision Analysis(以下、DA)”と言われる責任重大なマイルストーンです。

一方で、DA推進担当者は日常業務を抱えている中で時間がないという理由以外でも次のような理由で推進しにくいようです。
・スケジュール決めるがずれずれとなる、結果的にゴールが見えない
・関係者多くコミュニケーションの取り方がわかならい
・トレンドがわからない、
・ベンダー候補を挙げるだけでもどこにすればいいかわからない
・ベンダーにまずは情報収集と気軽に問い合わせると営業連絡が来て断りにくい
というわけで、DA担当者様が苦労されるDA成功ポイントをまとめてみました。

Ⅰ.前準備
 DAというと、RFI→RFPという工程を想定しがちですが、形式にとらわれず、次の①〜③のどこからでもいいので、アジャイル前提で本工程できちんと整理できるとベンダー候補の洗い出しがとてもスムーズとなります。

 ①ステークホルダーを洗い出す
  システムを利用する人、つまりステークホルダーを洗い出します。
 ②マクロな粒度で目指すべき姿を想像する
  ①で洗い出したステークホルダー別に一言で「なにを変えたいのか」、  
  「どうなると嬉しいか」を洗い出します。
 ③ミクロな粒度で要件を洗い出す
  HRシステムの場合は、給与、勤怠等、業務のToDoレベルで具体的な要件を洗い出します。

Ⅱ.ベンダーとのコミュニケーション
 ①〜③である程度整理できると、候補となるベンダー様とコミュニケーションを始めます。ベンダー様とのコミュニケーションでは、機能面の要件適応度(ミクロな粒度)評価に偏ってしまいがちですが、マクロ視点の要件適応度評価、投資対効果、導入スケジュール、インフラ・セキュリティなど、少し俯瞰する視点でチェックしていくといいでしょう。

導入スケジュールですが、HRは、月次の給与計算に加え、定期異動、評価締め、年末調整など、繁忙と呼ばれる時期が毎年必ずやってきます。こうしたイベントがある前提で、ベンダーが提示するスケジュールを参考に、現実的な導入スケジュールに更新していくことも重要です。

また、インフラ・セキュリティはHRの担当外ですが、契約前に必ずチェックが必要となるので、この段階でIT部門を巻き込み、味方にすることも大切です。どうもHRではIT部門と会話することが苦手な方が多いようです。IT部門に限らずですが、後で言われるなら、最初に言われた方がいいですし、勇気を持って巻き込むと彼らからいいアドバイスをもらったりするケースがあるので、同じゴールを目指すチームの一員になってもらいましょう。
これをきっかけに彼らから学ぼうという気持ちがあれば尚良しです!

Ⅲ.ツール選定(DA)
  ここまでくると後は、各項目で採点をして、役員、部門長に上申するだけです。逆にここで揉める場合は、ここまでの工程が不十分ということです。
  役員には、
  ・マクロな視点の変化点(誰にとって、何が変わるのか、その変化はどう嬉しいのか)
  ・費用対効果
  ・導入スケジュールと体制
  をエグゼクティブサマリーとしてまとめ、熱意というスパイスを加えてプレゼンし、決裁をもらいます。
上記アプローチは、数万名以上の企業規模では関係者も多くなりますが、そのエッセンスは変わらないと考えています。

先日、当社クライアント様(社員規模500名)が「勤怠システム」を導入されるということで、当方が「Ⅰ.前準備」「Ⅱ.ベンダーのコミュニケーション」をサポートさせて頂きながら、関係者様が納得のミクロとミクロ目線の要件適応評価、投資対効果、スケジュール・体制、インフラ・セキュリティの各視点を踏まえた取締役レビューを実施後、事務局の皆様と"ハイタッチ"するほど納得の「Ⅲ.ツール選定(DA)」を迎えられました。

HRテックの世界も変化が目まぐるしいものなので、私のような専門家が必要な領域ではありますが、ぜひ上記Ⅰ~Ⅲのアプローチをご参考ください。

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