最近の記事

#010 HRテック...成功するツール選定(Dicision Analysis)のポイント

当社にご依頼頂くクライアントの多くは「システムを活用できない」「経営からDXと言われたがどのようなアプローチをすればいいかわからない」のいずれかのケースです。 どちらも戦略をインプットとしてロードマップを描き、それをサポートするシステムアーキテクチャを設計する訳ですが、後半の工程は必ず「ツール選定」となります。「ツール選定」は、いわゆる意志決定であり、”Dicision Analysis(以下、DA)”と言われる責任重大なマイルストーンです。 一方で、DA推進担当者は日常業

    • 009_人事システムの機能強化・機能統合をどう捉えるか?

      最近、日本の人事関連システム業界でも、人事フロントシステムが勤怠機能やタレマネ機能を強化・集約したり、逆にコア人事・給与計算システムがタレマネ機能を強化・集約する動きが活発化しています。 私もクライアントから「人事フロントのSaaSベンダーA社が勤怠機能をリリースするみたいだけど、そこを見越してA社を選定候補に入れた方がいいかな?」のような相談を頂く機会も増えてきました。 HRテックにおけるこうした機能強化・集約の流れは、「競合製品に追いつけ、追い越せ」という製品戦略上仕方な

      • #007_バグ発見!からの感動

        一昨日、クライアントの人事評価シートの設定をしていました。 使っていたツールは、人事業界ではご存じの方も多いSaaSです。 評価シートの設定を変更しようとすると、「こりゃバグだ」という”動き"に出くわしました。 ちなみに、バグと聞くと、ネガティブなイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、バグにも”良いバグ”と”悪いバグ”がありまして、当然ツールの品質がある程度高いとそれは”良いバグ"となる傾向があります。 今回は、我ながらよく見つけた、という自画自賛も含めて、直感的に”

        • #008_良いバグ、悪いバグ

          この前の記事で、「良いバグ」の話を取り上げましたので、私なりに「良いバグ」「悪いバグ」の定義を整理してみました。 対象は、BtoBの業務系SaaSとします! なぜなら、業務系は、基本的に効率化を目的としたものでわかりやすいからです。 私にとって、「良いバグ」とはユーザーが「直感的にこれは仕方ない(にやっ)」と感じるもので、具体的には、開発者の想定外と思わせるようなレアな操作で発生する、ものです。 前回記事で言えば、いくつかのレアケースが重なって気づくものでして、これは「に

        #010 HRテック...成功するツール選定(Dicision Analysis)のポイント

          【#006_タレントマネジメントシステムの活用と定着化に関する考察】

          24年間のITエンジニア人生において、その半分以上がHRシステムの導入・運用となりました。特にタレントマネジメントシステムでは、企業の大小はありますが50社を超え導入や運用に関わってきました。 そんな中で、今でもよく聞くのが、「タレマネシステムを使いこなせていない」という話です。 という訳で、タレントマネジメントシステムの活用、定着化について私の考えをまとめてみました。 ちなみに、本投稿は特定のツールやベンダー様、企業様を批判するものではなく、日本の企業文化の傾向を踏ま

          【#006_タレントマネジメントシステムの活用と定着化に関する考察】

          #004_料理研究家・インテリアデザイナー行正り香さんのセミナーにて

          昨日、料理研究家・生活空間プロデューサーである行正り香さんが、「人生をかえるリノベーション」という本を出版され、出版セミナー(東京国立博物館@上野)に行ってきました。 行正さんの名前を聞くと、料理研究家としてご存じの方も多いのではないでしょうか。 実際に「食べる専門」の私はまったくその行正さんの名前に触れる機会はありませんでした。 でも、かなり前から、インテリアデザイナーとして活躍のフィールドを広げられていまして、家内きっかけで名前を知り、”建築好き”ITアーキテクトである

          #004_料理研究家・インテリアデザイナー行正り香さんのセミナーにて

          #003_建築から学ぶ「美しいシステム」とは? ~ITアーキテクトの役割~

          改めて建築家とアーキテクトの役割をまとめてみました。 建築が、意匠、構造、設備という3つの要素で設計し、施工していくように、システムもハードウェア・ネットワーク、データベース、アプリケーションという3つの要素で設計し、構築します。 建築と比較して、システム開発は役割分担があいまいで、やはりITアーキテクトの不足感は否めません。これが、日本ではまだまだ「美しいシステム」になりきれていない原因だと考えています。 そこで、大変恐縮ながら「美しいシステム」構築に向けて、現状を打

          #003_建築から学ぶ「美しいシステム」とは? ~ITアーキテクトの役割~

          #002_建築から学ぶ「美しいシステム」とは? ~ITアーキテクトの重要性~

          今回は、「美しいシステム」構築に欠かせないITアーキテクトの重要性を建築家の役割と比較して考えてみたいと思います。 まず、建築家の役割を広辞苑で調べてみると、 「建物の設計や監理を職業とする人」 と書いてあります。 次に、話題のChatGPTに聞いてみると 「建築家は、建築物や空間を設計し、建設する専門家です」 と答えてくれました。 なんか無機質な表現で私にはしっくりきません。 そこで、もっとしっくりくる表現がないか調べてみると・・・ 「建物や空間をつくる」

          #002_建築から学ぶ「美しいシステム」とは? ~ITアーキテクトの重要性~

          #001_建築から学ぶ「美しいシステム」とは?

          私は、大学時代は建築という全く畑違いの専攻をしていました。研究テーマは現代建築の巨匠ル・コルビュジエ(※)。 そのコルビュジエの有名な言葉「住宅は住むための機械である」は、ITアーキテクトである私の座右の銘となっています。 意味は「住宅は生活のための道具の一つに過ぎない」という意味ですが、コルビュジエは決して、住宅(建築)を自虐的に否定したわけではなく、住宅(建築)は「あくまでも住宅で生活を営む人によって心地よい、便利な住空間を提供すべきだ」という、アーキテクト(建築家)

          #001_建築から学ぶ「美しいシステム」とは?