SmartHRの取締役会実務〜準備の全体像〜
こんにちは。SmartHRの@kazukiと申します。
法務ガバナンス本部カンパニーセクレタリー部で、取締役会の運営を担当しています。
1.はじめに
前回は、SmartHRの取締役会発展の歴史をお届けしました。
今回は、月1回実施している取締役会までの準備実務を概観してみたいと思います。
2.取締役会準備の全体像
当月の定例取締役会が終わった時点から、来月の取締役会の準備が始まります。
1. 日程調整/アナウンス (前回取締役会当日)
以下3.-14.の日程を確定し、関係者にアナウンスします。
ご参考までに、日程調整に使用しているスプレッドシートのサンプルをお配りします
2. 議案確認MTG 0次会(前回取締役会の翌週の月曜日)
取締役会事務局は、法務ガバナンス本部のカンパニーセクレタリー部 / コーポレート法務部で担当しています。
両部合同の週次定例ミーティングで「0次会」として、次回取締役会のアジェンダを確認します。
3.議案確認MTG 1次会(n-11営業日)
VP of Finance and Accountingと取締役会事務局で、次回取締役会のアジェンダを確認します。
4.社内取締役への議題アナウンス(n-11営業日)
事務局は、社内取締役に予定議題をアナウンスします。
同時に、他に上程したい議題がないか、も確認します。
5.議長MTG Part1(n-6営業日)
取締役会議長、CEO、CFO、VP of Finance and Accounting、取締役会事務局が参加します。
「取締役会議題確認」「前月取締役会アンケート結果の確認」「ディスカッション」の3部構成になっています。
取締役会議題確認
現時点での予定議題・要旨・所要時間を確認します。
前月取締役会アンケート結果の確認
前月の取締役会のアンケート結果を概観し、改善事項を議長と議論します。
改善事項はリスト化し、対応状況のステータスを管理します。
ディスカッション
今後の取締役会運営について、事務局からテーマを出して、議長とフリーディスカッションをします。
過去のテーマ例
モニタリングボードの解像度をあげたい
社外取締役への情報提供及び支援体制
上場会社の本年6月総会の所感・感想
社外取締役が期待する「CEOレポートのテーマ」
取締役会の所要時間
内部統制システムについて
全社キックオフの感想
6.取締役会議事録ドラフト
この時点で取締役会議事録のドラフトを作成します。
特に決議事項における特別利害関係の有無を確認し、議長の当日の議事進行への影響を検証します。
7.株主間契約に基づく通知発出(n-4営業日18:00)
取締役会議題に、種類株主との株主間契約に基づく事前承認・協議・通知事項が含まれる場合、その通知を発信します。
8.取締役会招集通知発出(n-4営業日18:00)
事務局は、取締役の皆さんに当日の予定議題・タイムスケジュール・会社法上の取締役会招集通知をお知らせします。
9.起案書1次締切(70%完成)/取締役会アナウンス(n-3営業日18:00)
各議題の起案担当者は、概ね70%程度の完成度の起案書を作成します。
事務局は、取締役の皆さんに資料の所在をアナウンスします。
10.起案書2次締切(100%完成)/取締役会アナウンス(n-2営業日18:00)
各議題の起案担当者は、起案書を100%完成させます。
事務局は、取締役の皆さんに資料の完成をアナウンスし、事前に一読いただくよう依頼します。
11.社内取締役ブリーフィング(n-2営業日)
社内取締役向けに議題要旨の事前ブリーフィングを行います。
議長MTG Part1での議長コメントも共有しています。
過剰に意見のすり合わせはせず、取締役の立場で意見があれば、当日コメントしてもらうようにしています。
12.監査等委員会(n-1営業日AM)
当日資料に基づいて、監査等委員へブリーフィングを行い、事前コメントをしてもらいます。
13.議長MTG Part2(n-1営業日PM)
取締役会議長、CFO、VP of Finance and Accounting、取締役会事務局が参加します。
当日資料に基づいて、議長と各議題の議事進行の指差し確認を行います。
また、社内取締役ブリーフィング・監査等委員会でのコメントも共有します。
議長から確認事項があれば、社内取締役などへ連携します。
14.取締役会直前MTG(15分前)
取締役会議長、CFO、取締役会事務局が参加します。
議長MTG Part2からの変更点や議長からの確認事項があれば、指差し確認します。
15.取締役会(n)
事務局内で、役割分担して運営します。
事務局進行
タイムキーパー
録画
画面共有
定刻出欠確認
途中参加者呼び出し
特定の議題のみ参加する方がいる場合のお呼び出し
議事メモ
質疑の速記
16.取締役会直後(n)
継続議論スレッド
所定時間内で議論したりなかったことやコメントできなかったことを記載できるように、議題ごとにスレッドを立ち上げます。
取締役会アンケート
当日の議事進行に関するアンケート回答を依頼します。
社内向け宿題アナウンス
取締役会で宿題になったことをリスト化し、社内で対応する人をアサインします。
17.取締役会議事録ドラフト(n+1週間程度)
SmartHRの取締役会議事録では、議題に関する質疑はほぼ発言どおりに掲載しています。
上記「6.取締役会議事録ドラフト」で、会社法上の議事録要旨は固まっていますので、ここでは当日発言メモを整えて記載します
18.取締役会議事録レビュー(n+2週間程度)
取締役の皆さんに、取締役会議事録ドラフトをレビューしてもらいます。
概ね3営業日程度のレビュー期間を設定しています。
19.取締役会議事録の電子署名(n+2週間程度)
レビュー期間が終わったら、取締役の皆さんに電子署名を依頼します。
当日ないし翌日には署名が完了します。
3.おわりに
今回は、取締役会準備の全体像について、その概要をご紹介しました。
いかがだったでしょうか。
次回以降は、今回ご紹介した各準備工程における工夫など、より具体的な内容をお届けできればと考えています。
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