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京都の野外彫刻 フィールドワーク32
『高山彦九郎皇居望拝之像』
1961年再建 伊藤 五百亀
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設置場所 : 京阪三条
この像は1961年に再建された像で,初代の像は第二次世界大戦下での金属回収令により供出されたということです。この高山彦九郎は今ではあまり知られた人物ではないように思いますが,戦前には二宮尊徳や楠木正成と並んで修身に取り上げられた人物です。江戸時代の尊王の思想家で吉田松陰や幕末の志士に影響を与えた。各地で勤王論を説き,京都三条に来た折には,御所の方向に向かって拝礼したと云われている。
通称「土下座の像」と呼ばれているが土下座ではなく,御所に向かって拝礼している姿で,像が北西方向に向いているのはそのためです。京都市内に設置されている人物像としては台座も含めて大きく存在感がある。しかし,以前には待合場所として親しまれたということですが,周辺が整備され,ここだけがぽっんと取り残された場所のように思えた。
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