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木や粘土などで立体作品を制作しています。また,京都市内に設置されている野外彫刻を見るフ…

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木や粘土などで立体作品を制作しています。また,京都市内に設置されている野外彫刻を見るフィールドワークを続けています。設置されている場所で感じたこと気づいたことなどを発信しています。

マガジン

  • K's gallery

    グループ展や個展に出品した作品やスケッチなど自分の作品の記録。

  • 植物園の野外彫刻

    京都府立植物園内の野外彫刻について書いています。

  • 京都の野外彫刻フィールドワーク

    京都市内にある野外彫刻を見てまわっています。 作品について調べたこと感じたことなどを書いています。

  • ちょっとスケッチ in

    旅行先の風景などをちょっとスケッチした記録。

最近の記事

京都の野外彫刻フィールドワーク100

【設置場所】京都市立芸術大学C棟前(下京区下之町) 京都市立芸術大学は,日本の初の公立絵画専門学校である京都府画学校が起源だ。日本最古の芸術系の大学といえる。現在は京都駅の東側にあたる下京区下之町にある。2023年に西京区大枝沓掛町から現在の場所に移転した。 この像も校舎移転にともない新校舎の一画に移設された。新校舎での企画展見学の際にこの像を見学したのだが,コンクリートでつくられているためか経年劣化が激しく,台座につけられている碑文もはっきりと読めない状態だった。幸野媒嶺先

    • 野外彫刻フィールドワーク in 札幌⑪

      北海道立近代美術館は1977年に開館した。当館のガイドには北海道の美術,日本近代の美術,エコール・ド・パリ,ガラス工芸,現代の美術の5つを収集しコレクションを形成しているとあった。彫刻には直接の記載がなかったがこの館の野外彫刻作品群は興味深い。本郷新の「嵐の中の母子像」や新宮晋の「風の対話」など8点ほどが美術館正面の前庭に設置されている。また,館内にも安田侃の「天秘」など4点の作品がフリースペースに設置されている。2Fのロビーは開放的なガラス窓になっていて,前庭に設置された彫

      • 野外彫刻フィールドワーク in 札幌⑩

        創成川公園の狸二条広場は創成川のアンダーパスの上にある広場で,ここにこの作品がある。題名は『生誕』,作者は安田侃だ。狸小路から二条市場に行く途中で出会った。ゲートのような水槽のような大理石の枠のなかにオタマジャクシが泳いでいるように見える。枠とつながっているチューブ状の形態が臍帯のようだ。最初は気づかなかったが,作品が置かれている狸二条広場は,その下に創成川が流れていてる広場だ。そこにオタマジャクシのような作品が置かれているのは偶然ではないだろう。創成川の流れ方向からこの作品

        • 野外彫刻フィールドワーク in 札幌⑨

          二条市場の近くに創成川公園がある。創成川に沿って南北に広がる公園で,この作品は公園の緑地帯に置かれていた。芝生の地面にヘリポートのように円形に石のブロックが敷かれ,その上にふわっと置かれているような印象だ。全体の丸いフォルムや少し凹んだ上部の形や大理石の白さなどから,相当に重いであろうこの作品の質量や硬さを感じさせなくしている。この作品が公園の環境に合わせて制作されたものなのかは不明だが,周辺の風景と合っている作品だと思う。周囲の芝生の色や作品より少し黒っぽいブロックで組まれ

        京都の野外彫刻フィールドワーク100

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          2本
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        記事

          野外彫刻フィールドワーク in 札幌⑧

          大通公園とすすきのの間に狸小路商店街がある。この商店街の歴史は古く,明治初期からはじまる。西2丁目・3丁目の商店からはじまり現在では1丁目から7丁目まで約900mも続く商店街として賑わっている。札幌ではこの狸小路にあるホテルに滞在した。商店街の広い通りや長いアーケード,飲み屋や飲食,衣服,雑貨など多彩なお店がある。規模の大きさや賑わいに驚かされる。 この狸小路商店街の長い通りの途中にこの作品が設置されていた。題名は『PONSA』,作者は流政之だ。流氏の作品にはこのようなユーモ

          野外彫刻フィールドワーク in 札幌⑧

          野外彫刻フィールドワーク in 札幌⑦

          大通公園を散歩中に道路を隔ててビルの一画に裸婦の野外彫刻を発見した。遠くからだが,きっと佐藤忠良の作品ではないかと感じた。散歩した道を戻りその作品を確認しに行くことにした。作品の置かれている場所はホテルの一画でやはり佐藤忠良の作品だった。細身の若い女性の裸婦像でさすがに佐藤忠良の作品だと思えるいい作品だった。しかし,置かれている場所と管理に疑問を持った。台座の周りはそれなりに整備されているのかもしれないが作品の表面に劣化や汚れがあり,せっかくの作品がかすれて見える。だいじにさ

          野外彫刻フィールドワーク in 札幌⑦

          野外彫刻フィールドワーク in 札幌⑥

          北海道立近代美術館の前庭には多彩な野外彫刻が設置されている。この作品は正面玄関の前方に置かれている。比較的低い台座の上に置かれている。重量感のある作品だが,台座と作品の接地面にわずかだが隙間があり,浮遊しているように感じる。鋭く切り立つ二つの山の間に川が流れている風景のようだ。題名に『雲の砦Jr.』と記されている。鋭い形は雲なのか。川が流れているよう思ったところが雲の砦に囲まれているということなのだろうか。鋭角に削られ磨かれた石面に周りの風景が映りこむ。そして,砦は視点を変え

          野外彫刻フィールドワーク in 札幌⑥

          野外彫刻フィールドワーク in 札幌⑤

          札幌に来たのはプライベートな旅行でちょっとした避暑だったが,市内を観光し思いがけなく野外彫刻に出会うことができた。この本郷新の作品は北海道立近代美術館にある。大通公園でのんびりとした流れで訪れることにした。美術館の東側の入り口から本館に向かう庭の左手に設置されていた。煉瓦積みの台座に設置されたこの親子の像はとても存在感があり力強い。母親の逞しさや子どもたちを守ろうとする姿・意志の強さがよく表わされている。今もウクライナやガザなどで戦争や紛争が続いている。そんな戦禍にさらされて

          野外彫刻フィールドワーク in 札幌⑤

          野外彫刻フィールドワーク in 札幌④

          大通公園の端,札幌市資料館を背にして佐藤忠良の作品が置かれてている。像の周辺にはバラが植えられ美しく整備されていた。出会った当日もボランティアと思われる方々が数人整備をされていた。この作品の設置場所について佐藤忠良が「札幌で育てられた私が,こんな良い所に作品を置かせてもらえ,大変嬉しい」と語った,と作品の近くに書かれた解説にあった。札幌市資料館(旧札幌控訴院庁舎)は、大正15年(1926年)に札幌控訴院として建てられた建物で,裁判所の移転に伴い、昭和48年(1973年)11月

          野外彫刻フィールドワーク in 札幌④

          野外彫刻フィールドワーク in 札幌③

          札幌二日目の朝,大通り公園を散歩していて突然この作品に出合った。「えっ,ここにあるの」という驚き。写真で何度か見たことがあるイサム・ノグチの作品だ。大通り公園の中央あたりの少し盛り上がった丘の上に置かれている。親子がこの作品の近くにいた。滑り台の遊具になっている。世界的に有名な彫刻家の作品というより公園の遊具だ。それがイサム・ノグチがこの作品に望んだことなのだろう。親子が滑り終えたあとに,僕も挑戦することにした。頂上に登る入口の円形の穴から階段を上り頂上へ,そして上から滑って

          野外彫刻フィールドワーク in 札幌③

          野外彫刻フィールドワーク in 札幌②

          大通り公園には多くの野外彫刻が設置されている。この作品の背景にはさつぽろテレビ塔があり眺望がとてもよい。これは泉という題名の本郷新の作品だ。三人のレオタード姿のバレリーナーが円盤の水面につま先で立ち,水が噴き出すような美しいフォルムだ。三人のそれぞれの腕から先の形が水の噴き出す様子を表しているいるようだ。周辺の緑や背景の青空ととても合う気持ちのいい作品だ。 本郷新は戦後の具象彫刻を牽引した日本を代表する彫刻家のひとりだ。さっ札幌の出身で札幌市内には作品が多く設置されているよう

          野外彫刻フィールドワーク in 札幌②

          野外彫刻フィールドワーク in 札幌➀

           この夏,一週間ほど札幌で過ごした。札幌には多くの野外彫刻が設置されている。また,整備されたこの都市に野外彫刻がその環境にピッタリと合った作品に出合うことができた。  新千歳空港から札幌駅に着き,南口からすすきのに向かう出口に安田侃の大きな大理石の作品があった。遠くからでも安田侃の作品だとすぐに分かった。近づくにつれその大きさに驚かされた。天井の高いエントランスに置かれたその存在感はすごい。待合の場所になり,子どもたちの遊具になり,記念写真の場所になっている。僕自身も家族とこ

          野外彫刻フィールドワーク in 札幌➀

          ちょっとスケッチ in 台中

          今日は国立歌劇院に行った。ここは台中観光で絶対に行きたかったところだ。新光三越や台中市政府がある地域に建っている。周囲には高層のビルが建っているが歌劇院の周囲には適度な空間があり、建物の形のユニークさが際立つ。入館する前からワクワクするデザインだ。設計はプリッカー賞を受賞している伊藤豊雄だ。 館内は無料で見学ができる。小学生や観光客の団体が来ていた。館内のデザインされたベンチに座って、ちょっとスケッチ。

          ちょっとスケッチ in 台中

          ちょっとスケッチ in 台中

          台中のバスを乗りこなすのは旅行者には難しい。宿泊しているホテルから「彩虹村」に行こうとして苦労した。バスの路線がよくわからない…事前に調べたが、間違えて乗ってしまい市内を迷走。途中下車して、再再度の乗り換えで何とか「彩虹村」に到着。ほぼ半日かかってしまった。さらに残念、今日は中には入れないらしい。でも建物の壁や塀のカラフルな絵はユニークで面白い。となりの公園で休憩しながらちよっとスケッチ。 帰りはバスとMRTを乗り継いで帰宅。帰りも下車する場所を間違えた。

          ちょっとスケッチ in 台中

          ちょっとスケッチ in 台中

          台中第二市場に出かけた。台北の南門市場や北投市場は冷房の効いた建物で各店も清潔感があった。しかし、何となくデパ地下のようで面白味に欠ける。一方この第二市場は昔ながらの雰囲気があっていい。市場内は入り組んでいて、空気が生あったかい。いろいろな臭いがする。 路面まで列が出来ている店があり並んでみた。どうやらルーロー飯の有名店らしい。赤いTシャツを着た店員さんが忙しいそうだった。肉厚のルーロー飯弁当を買って帰った。なるほどこれは長い時間並んでも食べる価値ありでした。

          ちょっとスケッチ in 台中

          ちょっとスケッチ in 台中

          台北から台中に移動した。台中ははじめてだ。台中駅の近くに宮原眼科という観光スポットがある。ここはレンガ造りの建物をリノベーションしたアイスクリーム店らしい。早く来すぎて、まだ開店前だったので隣のカフェで待つことにした。店内から宮原眼科の建物が見えたのでラテを飲みながらちょっとスケッチ。

          ちょっとスケッチ in 台中