京都の野外彫刻 フィールドワーク34
『巨大な輝き』
1992年 宮瀬 富之
設置場所 : 左京区蹴上 琵琶湖疎水記念館対岸
明治維新後の衰退した京都の産業復興を願い,琵琶湖から京都へ水を運ぶ「琵琶湖疎水」事業が行われた。この琵琶湖疎水は,外国人技師に頼らず設計から施工まで日本人の技師(田邉朔郎,1861年~1944年)らによってなされた日本の近代産業史に残る土木事業。
当時の工事には約400万人の作業員が動員されたといわれているが,トンネルの掘削は人力で行われ過酷を極めた。
この像の碑には,完成した疎水の水門からあふれる水のエネルギーを人物に託したとある。金色に輝く姿は大きくデォルメされ,突き上げる筋肉隆々の両手,大きくうねる水の流れに力が溢れている。また,巨大な水の流れの下には,工事を支えた多くの作業員の姿がレリーフされている。