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京都の野外彫刻 フィールドワーク19

『明澄』

1960年   松田 尚之

 

松田 尚之(1898年- 1995年)日本芸術院会員 京都学芸大学教授、金沢美術工芸大学教授を歴任

設置場所: 七条烏丸下がる 西側
 トーチを右手で持ち上げ,右足を少し前に出した姿は,「自由の女神」を彷彿させるイメージです。女性の衣装は古代ギリシャのキトンのようで,薄い服地の襞から垣間見えるプロポーションが美しい。遠くを見つめるショートカットの若い女性の表情に平和を希求する意志が感じられる。 
 この像は1960年に七条警察署庁舎落成を記念し、明るい社会の建設を念願して建立されたもので、希望と平和を念願して、「明澄」と命名された。その後,周辺の環境が変わり,隣接していた丸物百貨店が近鉄百貨店,ヨドバシカメラとなり,また七条警察署も移転となった。像は台座がなくなり,当時の設置場所から道沿いに移動したが残されることになった。