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「その仕事やめましょう」と言えない風潮、業務改善が進まない話

仕事の現場では「決められたことをただこなす」風潮が根強く、特に新卒時代はその色が濃いと感じる方も多いのではないでしょうか。
実際、客先常駐のサーバーエンジニアとして働いていた頃、私も業務の大半が決められた手順に沿って動く仕事でした。
自分で考えて改善する余地が少なく、「自分でなくても良い」という感覚に陥り、モチベーションを失った経験があります。
こうした環境は、新卒の頃から「指示を守ること」が当たり前として教え込まれる風土とも無縁ではないように思えます。
一方で、現場の慣習や既得権益が絡むと「やめましょう」と言い出すこと自体が難しくなるのも事実です。

新卒時代のSI企業で感じた「言われたことをやる」風潮

私が新卒で入社したSI企業では、研修期間から徹底的に業務手順を叩き込まれました。
その結果、客先常駐先でも「決められたとおりに動くこと」が何よりも重要視されていたのです。
確かにミスを最小限に抑えるためには、マニュアル通りのオペレーションが重要でしたが、一方で新しい発想や改善の余地は乏しくなります。
それでも入社当初は「先輩や上司の言うことを覚えるのが新人の仕事」と割り切っていましたが、徐々に自分の存在意義への疑問が募っていきました。
「自分の代わりはいくらでもいるのではないか」という思いを拭えず、仕事へのモチベーションが下がっていったのを覚えています。

「やめましょう」のコミュニケーションとSalesforce業務の改善

次にSalesforce改善施策のお話ですが、システム全体を最適化する上で、さまざまな過剰カスタマイズを「やめる」決断が必要でした。
しかし、これまでの運用方法に慣れきった現場では「なぜ変更しなければならないのか」という声や、既存の設定を維持したいという要望が強かったのです。
このような局面では、「やめる」提案をすること自体が関係者の反発を招き、説得が難航するケースが多々ありました。
個別最適が積み重なると、全体最適を阻む構造になってしまうことは明らかでしたが、既得権益と慣習を乗り越えるために、多くの時間を費やさねばなりません。 

エッセンシャル思考とシステム設計思想の理解

そこで考え方を改める必要がありました。
エッセンシャル思考の要は、「やらなくて良いことを見極める」ことにあると考えています。
Salesforceの設計思想を深く理解すると、多機能を詰め込むよりも、必要最小限のカスタマイズで最大限の効果を狙う方が効率的だと気づきました。
「何か足りないから機能を追加する」のではなく、「今の仕組みで足りないものは何か」を精査し、本当に必要な部分のみを拡張するイメージです。
この考え方を業務フローやシステム設計にも適用し、「本来の目的を達成するために最小限で回せる方法は何か?」を追求していきました。
すると、これまで当たり前と考えていた多くの作業や手順が、じつはなくても支障がない、あるいはもっと簡素化できることに気づくのです。

まとめ

新卒時代に感じた「言われたことをやるだけ」の仕事から抜け出すためには、自分自身の存在意義を問い直す必要がありました。
さらに、Salesforce導入での「やめましょう」の難しさを通じて、業務やシステムをシンプルに保つことがいかに大切かを痛感しました。
エッセンシャル思考を取り入れ、やるべきこと・やらないことを明確にすることで、業務効率とモチベーションの両方を高めることができるはずです。
「本当に必要なこと」にフォーカスすれば、自分の付加価値を活かしつつ、組織としても無駄を減らして効果的に成果を上げられます。
最終的には「自分で考え、決断し、実行する」プロフェッショナルを目指す姿勢が、どの現場でも活きてくるのではないでしょうか。

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