空気感
自分の好む空気感というのがある。そこの空気感、自分の視界、聴覚、皮膚感覚、全てに受け入れられる場所というものがある。
いくつかの心地良い場所のひとつは軽井沢にある鹿島の森という場所。軽井沢の駅からもなんとか徒歩圏内だが、そのあたりは確実に違う空気が漂っている。毅然とした森の匂いがする。多少の風が吹いていても常緑樹の天幕が吸収してほぼ無風になり、太陽光にエフェクトを掛け、ついでに心地良い周波数の音だけ僅かに残し他は吸収する。樹木の力だ。
飛行機の中で書いている。
離陸した空港の気温は朝から快晴28℃。
シートベルト着用のサインが出て間もなく着陸しようとしている空港の気温は9℃。そんなアナウンスがある。
予報とは格段に違う。
地上付近は冷たい風雨らしく機体ががたがたと揺れている。
どうやら引っ掛けてきた薄い羽織では事足りないみたいで、仕方がない、タオルを首に巻くしかないようだ。もうひとつのお気に入りの空気感のある街に向かっている。
冷たい雨が降っている。