チームワーク考【221019】
「チーム医療」は活きている!?
チーム医療と言う言葉を初めて聞いたのは、医学部5年生の時だったと思う。病院実習の中で、「病院の裏方の仕事を知る」と言う実習が取り入れられる事になり、1週間ほど看護と看護助手の仕事を経験した。その時、指導医から言われたのが、「これからの医療はチーム医療。医療だけでなく、どの様に病院が動いているのか、君たちは知る必要がある」と言う事だった。病棟で出会う先輩達からは冷やかされたり、同級生もそれほど熱心に取り組んだとは言えなかったが、僕にとっては、今でも時々思い出される印象的な実習だった。
その後、仕事をする中で何度「チーム医療」と言う言葉を聞いた事か…
2010年には、厚労省からこんな報告書も出されている。
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/03/dl/s0319-9a.pdf
2010年と言えば、医学生時代から四半世紀近く経っているのに、まだ「これからはチーム医療だ」って、どう言う事?
まぁ、結局のところ、事あるごとに「チーム医療」、「チーム医療」って言われながら、それは根付いていなかった…って事なのだろう。
「チーム医療」の現実
医療は医師一人で回せる現場ではない。特に、規模の大きい病院、急性期の医療を担当する病院であればなおの事、いくつもの医療専門職からなる「医療チーム」が存在し、そのチームワークが機能しない事には、患者安全だって確保できない…確かに今では、感染対策、医療安全、栄養管理、緩和治療などなど、多職種で構成されるチームが病棟を巡回したりカンファランスをしている様子を目にする様になったし、そこに医師の参加も見られる。
が、それが「チーム医療」?それが目指すべき姿?
何かが決定的に違う様な気がする。
チーム、チームワークのあるべき姿、とは?
それを考えるには、「チーム」とか「チームワーク」について考える必要がある。チームとかチームワークって、結局のところ、最初は外からもたらされた考え方だったはず。まぁ、およそこの手の概念?考え方?を取り入れる時は、単に外国語をカタカナ語に変えただけでわかった気になってはならず、自分たちの背景にある文脈に照らし合わせて、どう咀嚼するのかを考えないとならない。
大体、近代化以前の日本に「多くの職種」が、「対等な立場」で、「力を合わせて一つの目標に向かって取り組む」なんて事、あったのだろうか?
典型的な日本型組織は、職種間や同じ職種の中にも権威勾配が存在し、しばしば属人的…例えば、習い事の「お家元」や親分を頂点とする任侠組織などが思いつく。それに、「ベースボール」が日本にもたらされて「野球」になり、そこに「野球道」なるものが生まれた様な、こう言うlocalization 、私たちの社会の得意とするところではないか。
改めて「チーム医療」を考えてみる
ここまで来ると、昨今の「チーム医療」に感じる違和感、ムズムズ感の正体が見えた…様な気がしませんか?
ちょっとイジワルな目で、病院内の「チーム医療」を見てみると…
う〜ん、やっぱり、日本型なんだよね、どこか…
さぁて、じゃあどうする…なんだけど…
それには、もう少し自分の中で整理しないとならないので…稿を改め書いてみたいと思う。