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016_20221110_月曜日の友達
作品情報
「阿部共実(あべともみ)」さんによる成年向け漫画
ビッグコミックスピリッツなので、恐らく青年でいいかな
2017年25号 - 2018年2・3合併号までの連載、半年くらいの連載
最終巻が2018年2月22日に発売されている
小学館から全2巻
最終巻の「主題歌」として、amazarashiが「月曜日」という曲を書き下ろした
作者がamazarashiファンであり、「月曜日の友達」完結巻の発売を機に作品性の近いamazarashiとのタイアップを、週刊ビッグコミックスピリッツ編集部が企画したことから
導入
主人公は中学一年になりたての女の子
自分や自分の周りが変わっていく、そんな思春期に戸惑ってる「永遠の少年で居たい」女子
恋愛バラエティとか恋話とかを「しゃらくせえ!いままでのようにドッジボールしようぜ!」な女の子
土日のテレビや出来事でキャッキャしてる「月曜日はキライだ…」と思っている
入学して二週間が過ぎたある日、一人の少年と出会う
劇中の表現だからわからないが、髪は白く、瞳は透き通った美少年
出会いは階段でぶつかる→小馬鹿にされる、のような他愛のない感じも良くないもの
皆からは「不思議な少年」と認識されてる少年
その日、先ほどの少年が「不良っぽい女の子とその一団」に絡まれてどこかに連れてかれるのを目撃する
第3の主人公と言うべき、キャップに茶髪のヤンキー風の女子
詳細は示されないが、卒業生のお兄さんが札付きのワルだった?みたい
そのキャップの女子が少年に興味を持って、離してただけなのを、主人公の女のコが勘違いして、乱入して、その一団から助けようとする
ただ「紙パックのジュースをおいしいからやるよ」ってわたそうとしてたのに、そのパックジュースを見事な飛び蹴りで蹴り飛ばす
でも「助けられたはず」の少年は、「蹴り上げられたパックが一直線にゴミ箱に入った」ことに異常とも言える感嘆を見せる
基本、外では「物静かで喋らない」人格だけに、静かにではあるが、興味を見せるという感情を表す自体が(作品中では)稀有なこと
その時、主人公は「もう中学生なんだから」とか「女の子なんだから」とか、友達に「危機感持て」「常識持て」というたしなめをされる
その夜「自分の行動や思いは何か間違ってるのか?』『なにか悪いことでもしたというのか?」というようなモヤモヤとした気持ちを持って、外へ走り出してしまう
中学生になった途端気づいた、この街は窮屈すぎる。道も世界も生活も
無意識に学校へついてしまう
そこには「バケツからカラーボールをぶわさーって撒き散らしている少年の姿」が
後者から、机も多く運び出して、タマを撒き散らしている
主人公の女の子は「私はそんなに変なのか!故意に興味ないことや、体を動かしたいことや、秘境を咎めるのは変なのか!!」というモヤモヤを少年にぶつける
少年は「別に変でもいいじゃないか」という
少女は「君だけが私を認めてくれた、今私の胸を締め付ける感情の小隊は嬉しいって名前だ」と返す
少年は、「これからの月曜日、夜の学校で在ってくれないか?」と少女を誘う
曰く「僕は超能力が使えるんだ。紙パックを蹴ってゴミ箱に入れたのは実は僕だ。ただ、超能力の発動には君が必要だ」と。
学校ではこの事は秘密だと
少女は「約束だよ」と言われるまま、指切りげんまんしてしまう
「ふたりだけの秘密だ」という言葉に「秘密基地みたいでわくわくする」と
さて、この月曜夜の秘密会合と学校での二人、また超能力の話はどこへいくのか?…というところらへんで一話終了と。
観想
漫画で描いた「文学」な感じがした
自分は文学青年でも無かったし、子供のころ太宰を読んで感銘を受けたりはしてないが…
ただ、ポエミーだったりファンタジーだったり、微妙なところを描いている感じがする
序盤から見える設定やドラマは、絵は可愛いけど割と「現実社会寄り」のものだったりする
割と下町のヒューマンドラマが展開される
と、対象的な爽やかな淡い恋のような青春ドラマも
クライマックスに向けて、その作品の色みたいなものを急激に変えていく
映像美…ではないけど「白地にシャボン玉と笑顔」みたいな、「さわやかな一枚絵」が良いなーと
水滴っていうかシャボンというかガラス玉というかそんなの
形容として「美しい」とか「キレイ」とか「かわいい」とかのほめことばは思いつかないけど…
なんか「いいえだなー」って思う絵が好き
「大人になっていく」っていう思春期の輝きみたいなものが素敵だった
「大人になるっていうことは我慢したり控えることではなく、与えるってことだよ」ってのが頭に残った
でも本当はそれも違うけどな!
「自分のカラを破る」っていう、ちょっとした、でも当人にとってはなけなしの「勇気を出す」お話
仲直りのために謝るだったり、友達に自分の弱みを打ち明けてみるだったり、半目してたヤツと離してみる、だったり
それが「過度にエエハナシではなく」「だいそれた話に誇張されてない」ってのも、読後さわやかで良い
少女漫画とかにありがちな「この日から自分の世界は変わったんだ!」的な世界が輝いて見える系ではない
まとめ
2巻だけど、まとまってる…というか「どう締めるんだ?」を解らせず、でも短くまとめた良作だと思う
「いつも読まないものを読んでみたい」人や「SF(少し不思議のほうの)を読みたい人」におすすめ
いつも殺伐とした現実に追い立てられてる人に「しゃらくさくないちょっとしたメルヘン」を観たいときとかにも良さそう
最後までお読みくださり、ありがとうございます!
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