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前置き

  • 今回は「オススメ」というより「自分はこう感じたのだけど、皆はどうだったのだろうか」ということが知りたくて「読んで観て欲しい」という、いわばお願いみたいな感じの紹介です。

基本情報

  • 『レイリ』は、原作:岩明均、作画:室井大資による日本の漫画

    • 岩明均さんは、これまたマンガが書ける、寄生獣は国民的代表作

    • 室井大資さんは、漫画家だが「バイオレンスアクション」で原作担当だったりする

  • 『別冊少年チャンピオン』(秋田書店)にて、2015年12月号から2019年1月号まで連載(6〜3年前の作品)

  • 2019年、第3回さいとう・たかを賞を受賞した

    • さいとうたかお賞は、シナリオライター(脚本家)と作画家の分業により制作された漫画を対象とする漫画賞である、

読む前情報

  • わりと「短め完結作の名作」として紹介される

    • ので読んだ

あらすじ

  • 国は日の本時代は戦国末期

  • とある武家屋敷の男集が金をかけつつ棒でちゃんばら勝負?をしているところから始まる

  • 金払って参加し勝ち残り、茶碗に金がドンドン溜まっていく

  • 権蔵ってのが勝ち残ったのだが、様子がおかしい「誰かにまだ勝ってないから…」みたいな空気

  • 「レイリ」と呼ばれる少年とも少女とも取れる中性的な未成年が洗濯モンを干しきって佇んでる

  • 権蔵に「やるじゃん」と言うが、権蔵は「立会いがしたい」といい周りの皆が勝ち逃げを許さない雰囲気

  • 次元が違う強さで叩き付すレイリ

  • 勝ちが決まった時点から、笑顔で無抵抗の権蔵をフルボッコにするレイリ

  • 周りに止められて勝ちを宣言されるレイリ「こんなもんか…」というような表情

  • そこで”殿様”と言われる人物ガ帰ってきた、岡部丹波(岡部元信)という-

  • レイリは「そろそろ戦に出たい、戦に連れて行って欲しい」という

  • 丹波は「おなごを戦にはつれていけぬ」という

  • レイリは「ここに居るだれもカテないくらい私は強い」「丹波様の敵なら10人でも20人でも皆殺しにする」「最後は丹波様の盾と成ってちゃんと死ぬ」と、執念にも似た目に炎をともしたような表情で言う

  • 丹波は「どうしてこうなった」と後悔し、レイリと出会った4年前に思いをはせる

  • 主人公は農家の娘だった少女・レイリ

  • 長篠の戦いにおける武田の敗残兵を追う織田の首狩り隊の巻き添えで11歳にして全ての家族を失った主人公の少女・レイリは、岡部丹波(岡部元信)に拾われる

  • 彼を命の恩人と崇敬し、自分を守るために死んでいった家族達と同じように「いつか誰かの盾として死にたい」と思う「死にたがり」の少女として剣の腕を磨きながら育っていった

  • 15歳の時、丹波のもとへ最前線の高天神城への異動を命じる伝令としてやってきた土屋惣三(土屋昌恒)に見いだされ、屋敷を出る

  • 丹波のレイリを死なせたくないという思惑もあり、ここからレイリの「武田信勝の影武者」としての生活がはじまる

  • 信勝や惣三との人間関係、斜陽の武田家の中での仲間の死を通して「死にたがりの少女」から脱していく

作風

  • 下地は悲劇、だが本質は人間ドラマ

    • 残虐描写もありありだが、主人公は冷静かつひょうひょうしていて、絶対的ピンチにも絶望感はない

  • 短いので、基本は話の速度は速いのだけど、その中でもSTOP&GOのチェンジオブペースがだいぶ在る感じ

    • ああ、安定してきて、このフォーマットで話が続いていくのかな?と思ったらヒュっと壊される

読後の観想

  • なんか「壮大に始まりそうで始まらず終わる」感じの話し
    -「活躍のエピソード」があって、「ほー、こういうのが続いていく武勇伝なのかな」と思ったら、それ一つ、という感じ

  • よく使われてる「1巻の扉絵」な真っ赤な衣装の主人公の絵があるが、こんな感じ…でもない

  • 最初の「キャラクター紹介」な展開の部分で「類稀なる才能」を持ってる!…わりには負け無双するのかというとそうでもなく、強くて大活躍!無双が始まる!…と言えばそうでもないし、影武者として話が盛り上がる!…と言えばそうではないし、(ネタバレとなるが)女性を活かした知略戦が…と言われればそうでもないし、ひど段落付いて女性の幸せつかむ第二部!…なんてないし、偉人になりました…でもない。

  • とはいえ「ストーリーの濃さ」ではなく「描きたいことの濃さ」を考えれば、前述の「ストーリーの感じ」をマイナス点として挙げたくないというか、なんというか

勧めたい人

  • 全06巻と短く、話しもまとまってるので、短時間で読みたい完結作を探している人にはおすすめ

    • テーマ性や整合性は凄くとれてるし、キャラの活躍の場所もキッチリと

  • 読んでみてフィードバックがほしいです

    • 杓子定規な王道を期待してしまったからこの観想になってしまっただけで、バイアスかけない状態で読むこの作品は違う観想だと思うので


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