013_20220922_兎が二匹
前置き
最近、期せず読んだ後に「ああ、同じテーマだ」という作品を立て続けに3本読みまして。
ずっと読まななーと思ってた「月姫 真月譚」や、これもまー名作で有名なんで、いつかこの配信でも取り上げようかと思ってた「そうそうのフリーレン」がそうなんですが、「不老不死人と人間の時間の流れの違いによる悲劇」をテーマにした作品なんですけど。
今回は、そういうテーマで、かつ期せず続けて読んだ「兎が二匹」というマンガの紹介です。
作品情報
「山うた」さんによる成年向け漫画
女性向け、男性向け、というジャンル分けはしにくい
このマンガがすごい!2017オトコ編 第9位
経緯がハッキリしないのですが、短編をどこかで発表した後、『月刊コミック@バンチ』で2015年7月〜2016年4月に発表された作品
新潮社から単行本がでています、全2巻
この作品のためだけのスペシャルサイトがあり、初回から3話まで読めるほか、短編版「兎が二匹」など読めて、気合が感じられます
開始時
まー二巻なので、話せば「最後まであらすじをするっと喋れてしまう」ので、難しいのですが
一話目なんですが、カップルっぽい若者2人、男性が首〆てじょせいを殺そうとしてるトコから始まる
男性は「すずちゃん、お願い死なないで!」と言いながら首をしめ、女声は苦しんでいる
で、死ぬ、が生き帰る
女声は稲葉すずといい、職業は骨董修復師、日課は自殺、年齢398歳
男性は宇佐美さくろう、職業は喫茶店定員、日課は自殺幇助、19歳
次に、デートのようなことをしている場面、すずはさくろうの「子供の頃の様子」をはなし、江戸時代、戦争の時代、最近と、夏の記憶が蘇る
そのうちテレビを観たスズは「死刑になれば死ねるんじゃ?」と思い立つ
「犯人は死刑確定」という事件を観て、出頭する
死刑を求刑され、執行されるが、生き残る
次に、焼いて灰にして、コンクリに混ぜて、粉にして、海に撒く、その時広くまくため、花火にしてパーンと打ち上げることになった、と面会室でさくろうに話す、がさくろう号泣
数年後、すずは五体満足で浜に打ち上げられる
地元に帰り、さくろうの働いてた喫茶店に行くが「半年前に心の病気になって死んだ」と聞かされる
最後は海に身投げしたと
その喫茶店でデートした夏の日と同じく、アイスコーヒーを前に、泣きながら「幼いころのさくろうと出会った日」を思い返す
というところで、一話終了という、怒涛の展開
観想
不老不死の話は数々あれど、人はそれを渇望する話ではなく「期せず手に入れてしまってそれをひたすら捨てよう」とする話
バトルものでもなく、この不老不死で世界を救おう・よくしよう、という話ではない
望まなかった不老不死を手に入れてしまった場合、人は「他人と触れてしまった後の不幸」を恐れ、拒絶し、身を隠して生き、死をひたすら望むようになる、というのがよく似たテーマを持ってしても、作劇なん無限にあるなあと
時空を越えて全ての悲しみを背負っている…のが、ようこんなそんなストーリーをつくれたなぁと
不死人のストーリーで共通してるのは、やはり「自分が一緒に年を取れない悲哀」みたいなものだが、やはりここちの良い悲劇を産むなと
巻末に有る「エセ広島弁に設定しました」みたいな話がおもろかった
まとめ
2巻ですので、頑張れば昼休み程度の時間で読めてしまう作品なのでオススメ
良質な救いのある悲劇を読みたい場合、是非読んでみては如何でしょうか
サイトもあり、電子での取得手段が充実しているのと、紙本の取り寄せ&取扱書店情報なども充実している
最後までお読みくださり、ありがとうございます!
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