031_20230629_トリコ
基本情報
島袋光年先生執筆の、少年向け漫画
集英社「週刊少年ジャンプ」にて、2008年25号から2016年51号まで連載
完結済み、全43巻
メディア展開
ヴォイスコミック: 2009〜2010年の間、3クールに分けて、テレビ東京&VOMIC公式サイトで放映&配信
テレビアニメ: 2011年4月〜2014年3月、フジテレビ系列にて、147話放映
劇場アニメ: 2013年7月
大まかな紹介
世は「グルメ時代」…未知なる味を探求する時代!
貴重な食材が国際経済すら揺るがすこの時代に、みちの食材を探し調達する
プロフェッショナル達「美食屋」がいた!
中でもひときわ異彩を放ってるのが、美食四天王の一人・カリスマ美食家「トリコ」!
ホテルグルメの料理人「小松」から猛獣「ガララワニ」調達の依頼をウケたことを皮切りに、
二人は入手困難な食材を目指す旅に出る!
そして人間界の外に広がるのはグルメ界!
未だ発見されていない食材の宝庫となっているグルメ界にトリコは思いを馳せ、
自らの夢である幻の食材「GOD」入手のために実力を高めていくのであった…!
一方彼の背後には、目的の食材を手に入れるためには手段を選ばない「美食會」の影が忍び寄る…。
彼らもまた「GOD」を狙っていると言う。
果たしてトリコは「GOD」を発見して「人生のフルコース」を完成できるの!?
美味なる食材を愛して止まないトリコと、料理人小松の美食を求める大冒険が今、幕を開ける!
TV版あらすじの抜粋ですが、ほぼこんな感じ。
導入
(今回なし)
感想
わりと有名なので「ある程度知っている」「うっすら知ってる」という前提で話ますけど…
最近よく、Webを泳いでると、自分たちより下の年代で「おもしろかった」って意見だったり、考察している記事とか動画を良く観た
ので、読んでみたくなった
自分は、途中まで見てた立場
予想(あるいはうろおぼえのイメージ)よりも、知的で計算されたストーリー漫画だった
とか言うと「え?地球割れるアレが?」って言う人も多いかもしれないけれど
もともと「ギャグ漫画家」な上、嘘の尽き方やハッタリ、ケレン味の「出しどころ」は、心得てて考えて出してるように思えた
Wikiが出来るくらいの「作り込まれた設定」
「少年漫画でウケそうな要素てんこ盛り」な感じ
主人公がバディ+優れた1ペット、主人公側が四天王、親世代の四天王、敵の幹部級、物語の最初に無かった新ジョブの登場、八王、第三勢力、かつての敵との共闘、出自の謎、世界の謎、「え、兄弟?え、親?」、実は良い人…etc
DBとNARUTOとゆう泊とハンターのパロディか?言うくらいの「こんなん好きなんでしょ?」感
風呂敷広げすぎて「登場人物の辞書や関係性を整理する必要性」からWikiとか
とはいえ、そない使い捨て」でもない人材起用
この人(しまぶー)の本質は「凄惨で絶望的な悲劇」だと思う
話に困ったり、逆に話の核心に迫ったり、あるいは私生活でなんかあると「画面が(血で)黒く染まる」ような話がすーぐ顔を出す
だいたいの場合「それでも正義を通そうとしている」みたいな展開が多いけれど
ギャグとか明るい話を期待している人は、そこらへんで離れるんだけど
すごく恣意的な推測だけど「ギャグ漫画家を目指したのは、”そうじゃないこと”を書きたいと思ってのこと」ではないかなーとか、勝手に思う
「戦闘力」と「奇跡的な回復手段」の指数関数的なインフレが、その「凄惨さ」の緩和手段になっているんじゃないかなーと
途中、腕もげたり一度死んだりとかを描きたくなる…ならば「そんなに大事ではないようにする」のが、読者にとっても緩和になって読めてるのではないかと
ドラクエで後半ザオリクがアタリ前になる、みたいな世界
ただし、それすると「命や怪我が軽い」になってしまうのが、いたし痒しかも
シナリオの完成度は高いのだが、逆算なのかアドリブなのか
辻褄の合わせ方や伏線の回収が見事だった
あるキャラの「いい人?→極悪人?→やっぱいい人」は、説明つかないご都合だなぁみたいなとこあったけど
まあ、うちはイタチでおなじみの「ジャンプ仕草」やから寧ろ伝統的王道的かもしれんけど
最終回への「たどり着き方」を見ると、「最初から頭の中にあったものを逆算している」のかな?と思うように巧みに思う
けれど「裏の世界」「死後の世界」らへんの「設定の複雑さ」を見ると「事前の整理ではない」ような気もして…
ただ、最後らへんで「あきらかに端折り寄ったな!」ってところがあって、そこは「ちゃんと書いてほしかったなー」と思った
ただ「打ち切りが決まった」から、これまた逆算して畳んだのなら見事だし、それこそ「そりゃ描けるなら書きたかったわい」かもしれんけど
最期まで読んで無かったのを読んで、しまぶーを再評価しました
それだけに「ビルドキング」が残念でならないなーと
自分は好きだったのだけれど、世の判断はそれなんだなと
総評
作者ならではの「独特かつよく出来た世界観」を味わいたいなら、おすすめ
ただ「コミカルに隠れた”シリアスな嗜虐性”」を許容できるならば、という条件がつきます
「あの作品、最期まで読んでないけど、どうなったかなぁ」が気になった人は、満足して読了してもらえるかなーと
最後までお読みくださり、ありがとうございます!
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