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005_20220505_邪剣さんはすぐブレる
基本情報
「飛田 ニキイチ」さんによる、中世ファンタジーギャグ漫画
2019年1月から現在まで、小学館が運営するまんがサイト「裏サンデー」にて連載中
今日現在、既刊11巻、執筆継続中です
導入
剣と魔法のファンタジー世界「ファンタジア」が舞台
だが、急に電子機器や通信技術が発展
事態を重く見た魔王だったり勇者だったりが突如会見し「今のノリを活かしたままうまいことやっていきましょう」と発表
それから数十年後、種族間の争いは減少、平和が訪れていた
町外れの貧しい兄妹、その妹(8歳)が邪剣を見つけたところから物語が始まる
ブラックな職場で働く兄(20歳)が主人公
妹はわけのわからない宇宙人的ユニークな発想の持ち主
兄が邪剣を「飼えない」ということで、邪剣を埋めにいく
すると巨大化したり、森を禍々しい植物で覆ったり、嵐をよんだり
兄が謝罪したところ、邪剣は「二足歩行で関西弁をしゃべる何か」に
その邪剣に妹が「聖剣ジャスティスブレーバー」と名前を付ける
隠して、妹、邪剣、兄が巻き起こす騒動はいかに?
みたいな話。
読み切りだといい感じでしょうが「このあと連載していく」には「一体どうしていくんだ?」と不安になる…けど続きが気になる感じの始まりです。
全体的な印象
絵柄は「絵画寄り」というか「劇画寄り」というか「楳図和夫絵寄り」というか、リアルでシリアスでキレイめ
「中世ファンタジーの真面目目、怖めの世界感」でギャグ頑張る、みたいな漫画
絵は凄い頑張ってるから「このクオリティの絵でギャグやんの?」ってなんとなく勿体無い、というかなんというか…そのギャップが魅力かな
例えば「ちびまるこちゃん」がギャグやってても似つかわしく思うが、「武論尊の絵でついでにとんちんかんやる」とどうなるか、みたいな話
「中世ファンタジー」と「電子機器・通信機器が発達」という舞台装置が、イー感じにご都合を展開できるブースターになってる
不思議なことは「古の武器とか道具とか魔法とか」のせいにしたらいいし、「なんでその情報知ってんの?」はテレビやネットのせいにできる、そのことが作話に有利に働いてるんじゃないかなと
その割に、主人公である兄の思うようなご都合には行かない、とこがギャグマンガ
特殊な異世界の日常系マンガ、とも言える
「ギャグ漫画」としては「割とベタ」
逆に言えば「安心して笑える」感じ
見どころ
兄が絶えず苦労させられて突っ込む側である
妹が理不尽でむちゃくちゃしたり
ブラックバイトで働かされてたり
社長になってもブラックバイトをやり続けてたり
報われない兄…だが「来てほしくないとこ」からは大人気だったり
特に魔王軍界隈からはなんか娘から気に入られてるせいで何故か崇められてたりとか
武器の精霊が「全裸のおっさん」だったりする絵面の汚さ
が美麗なタッチでこぎたないおっさんを書いてるからなんか複雑
主人公が本気出す時の「よくわからない顔」が好き
ロクデナシブルースのイノキのマネみたいな顔になる
「謎」との兼ね合い
邪剣さんが何者なのか?とか「確信に触れるけど薄めの謎」に至らせないように至らせないように一話完結のギャグを頑張ってる印象
その制約上でキャラクターを増やして行ったり、ストーリー考えたりと工夫が解る
別に「謎の邪剣だからなんでもあり」って言う「舞台装置」にしとけばいいのに…
時折「魔王」とか「邪険とはなんなの?」とか、少しずつちょいちょい謎ををバラすから、読者が思い出す…ので書かなきゃいけないじゃん!みたいな
最後までお読みくださり、ありがとうございます!
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