036_20230907_齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定
基本情報
ライトノベル原作を 榎本快晴 さん、キャラクター原案(小説挿絵)を しゅがお さん、そして漫画を ムロコウイチ さんによる、ファンタジー・コメディー漫画
Web版、つまり原作小説のタイトルは「齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定〜やだこの生贄、人の話を聞いてくれない〜」
漫画版の正式タイトルも一緒
漫画刊行の略歴
元々『小説家になろう』にて2017年6月から2020年6月にかけて連載された
2018年2月から2019年10月にかけて角川スニーカー文庫から書籍化
2018年2月から2019年12月、スクウェア・エニックス『月刊ガンガンJOKER』にて連載
メディア展開
2021年、中国の角川青羽(現地子会社)とBiliBiliの共同企画で、中国でコミカライズ
2022年7月にBiliBiliでアニメ化
2023年1月から日本語吹き替えで有料放送系(BSやケーブル)で放送、ネット配信
大まかな紹介
突如現れた少女に、ドラゴンは困惑していた。
少女の魂と引き換えに、魔王を討つ手助けを……
って言われてもただの人畜無害な草食ドラゴンなんじゃが?!
しかも生贄を村に帰す為についた適当な嘘のせいで、
少女がありもしない"邪竜の魔力"を発動し――!?
邪竜(認定された無害な草食ドラゴン)と勘違い少女の、『魔王討伐の旅』始まる!?
導入
暗い洞窟、年端も行かない村娘っぽい子と、黒く巨大な龍が相対している
「さあどうぞ邪竜様、この私をお召し上がりください」
「いやぁ、わし、草食なんじゃけど…」
娘、頑張って「美味しいから食べて」アピール
食べて、そのかわり「魔王討伐してくれ」と
龍はこの5000年間を懐古する
草食動物やし、5000年で鍛えられたのは眼力くらいやし、なにより平穏が好きで人畜無害よ?
食べる趣味はないと伝えると、娘は「命を断つから魂を喰らえ」と
龍は「おいまてまて」と「発想ぶっとんでんな」と
龍は考えた末、設定を考えて伝える
「魂の一部はもう食った、村までついていって説明してやるから安心して帰れ」と
娘は「やった食べられた!ということは邪竜様の眷属になったわけですね」と
龍、村に娘を背負って到着
弓矢構えてっけど、あれ射られたらワシ死ぬな…
怯えたとこ見せたらヤバそう
「美味だったから余韻を楽しみたいので邪魔すんな(もう生贄とかささげないで)、魔王のことはおいおい考える」
そんなおり、龍に石を投げる少年一人
よくもレーコの魂を食ったな!と、
龍は「娘、元気なのをみせたれ」と言う
娘は「もう眷属なので、あの方を愚弄するなら容赦しない」と
龍は思った「このレーコという娘、”思い込みが非常に激しい”」
そんなこの夜、魔物が村を襲う
暗明狼(という種族)の群れ約40頭、群れで行動し人里を襲う魔物
影にも意志があり、それも狼として這い回る、実質2倍の80頭相手にする計算となる
龍、初手逃げようとする
次に「わし、魔王軍幹部なんじゃけど?」と「口上で威嚇」したが通じず
その時、少女は龍の額の上に立つ
「愚かしい獣どもめ、消し炭になれ、邪竜様の力の片鱗を見よ!竜王の大爪!」
なんか巨大な衝撃波みたいなんが出て、一網打尽、巨大なクレーターが完成
「邪竜様、この力は永遠にアナタ様とともに…」
龍、宴の準備を観ながら思う
「この生贄少女がなによりも恐ろしい…洞窟に帰りたいのう」
ここまでが一話。
感想
ノン情報から、ジャケ買いみたいな形で全5巻を一気に読んだ
無論、アニメの情報も小説の情報も一切観ない状態から
なんやったら、1巻の表紙で男の子とか冒険譚かな?って勝手に思ってたくらい
後にアニメのキャラデザ観て「マイルドに成りすぎでは?」と思った
龍が芳仲さん、娘がY.AOIと聞いて、それはそれでこれから観ようとは思ったけど
小説版の挿絵もきれいめに思えた
それくらい「マンガの荒削りでマッドな印象」が目に止まったんだけれど
もう、一話目かつ数コマ目から「勢いが凄い!」となんかテンションが上がってしまった
「思い込み”だけ”で世界を破壊出来る!」みたいなコンセプトとスピード感とケレン味に圧倒された
規模ちっちゃくなったのに勢いだけは増した「列車戦隊トッキュウジャー」かと
これは「マンガ版のスピード感」「コミカライズによって付加されたもの」かもしれないけれど
最初にそれを凄く感じて「やられたー」って思ったのは「飛べないのに、ヒロインの能力で飛ぶ龍」って絵面
「龍が翼を広げて飛ぶ」というアイデンティティを「思い込みだけの少女が出した黒い龍の翼」でまたがって飛ばせてしまってる異常感
ようは「ねこつまみ」というか「うさぎの持ち方」で首根っこ掴んで移動している、みたいな「主体性のない状況」な状態の話
ゲラゲラワロた
マンガは凄い勢いで駆け抜けてしまった
ノンストップで5巻全部読んだ
この「凄い勢い」「読ませる」は、原作小説の素晴らしさかもしれない
最初、完結済みと思ってなかったし、全然続きそうな最後なので「え、コレ完結?これで終わりなん?」って読み終わって後に知った
高速道路の突端が、急に断崖になった感じだったので、残念感が凄かった
それだけに、続編を期待している
画力もその「読ませる勢い」に寄与してるのだと思う
ヒロインの「思い込みの凄さ」と「やることのえげつなさ」と「わっるい顔」が、凄い頭に残ってる
こういう「ライトノベルのコミカライズ」は、スナック感覚で読んでる
消費、って言い方がしっくりくる感じの、一度読んで「読んだ!」って実績解除してるってか
そんななか「思わず二度見」みたいな目に止まった感じがあった
うーん、続きが観たいなぁ
まだまだ続けられるし、蛇足に成らず次を展開出来る素地がある
それだけに、5巻完結は、もう少し続いてほしかった感じ
原作小説が3巻で完結してるからしょうがないが、それだけに絶望的か
ま、エターナられるよりは「すっぱり終わった完結作」「コミカライズもアニメ化も最後まで行ってる」であることは素晴らしいことだ…と自分を納得させておく
総評
「痛快娯楽作」を読みたい時に、ニヤニヤで駆け抜けれるマンガ
間違いなく一晩で読める頃合いのサイズ
勢いで終わってくので、全5巻は物足りないかも?
最後までお読みくださり、ありがとうございます!
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