032_20230713_これは経費で落ちません~経理部の森若さん~
基本情報
青木 祐子先生著のライト文芸小説、を作画:森こさち先生によりコミカライズされた作品
集英社「Cookie」にて2017年11月25日:(2018年1月号)から、現在も連載中
既刊10巻(今月末に11巻)で現在も継続中
マンガには別展開があり、同雑誌同作者同作画人にて「風呂ソムリエ 天天コーポレーション入浴剤開発室」2023年5月26日発売、2023年7月号から
NHKにて2019年7月から、9月末まで放映10話
大まかな紹介
小説1巻のあらすじ紹介。
森若 沙名子、27歳、彼氏なし。入社以来、経理一筋。きっちりとした労働と、適正な給料。
過剰なものも足りないものもない、完璧な生活をおくっている、はずだった。
最近、そんな気配のなかった同期に恋人ができて、少し迷いが生じている。
ある日、営業部のエース・山田太陽が持ち込んだ領収書には「4800円、たこ焼き代」。
経理からは社内の人間模様が見えてくる?
導入
天天石鹸社営業部、PCの電源に付箋を張って回っている制服の女性
付箋には「領収書がありましたら早めにお願いします。森若」と
それを観て社員は言う「今日は締め日か、ほんとスキないよな、経理部の森若さん!」と
森若さんは思う「イーブン、入ってくるものとでていくものが同じこと、五分と五分、プラマイゼロ、私の一番好きな言葉だ。」
残業依頼は笑顔で受ける「残業代は貰ってるので」
問題は率先して手伝う、タスクの量を時間でわればこなせば…「定時で帰れる」
過不足無い私の生活は…完璧だ!
そこに営業部のエースとして認識されてる、チャラい感じの「山田太陽(28)」が来る
「これ(領収書)お願いしていいっすか?」
気乗りはしないが、月末締め日に面倒なことにもなりたくないので、領収書を見ると
たこ焼き 4800円
結局通した森若さん
同僚には甘いといわれるが…
大体の社員は3,4年で「その人なりのズル」が完成する
今の太陽が「そういうやつ」の「そういう時期」ってだけだ
どうやら、領収書の相手は、自社が一番力入れてる取引先の姫「曽根崎メリー」との会食らしい
しかし、社内のゴシップには関わらない
面倒事からなるべく党ざかり、会社の人とはきっちり線を引く
スケジュール通り、帰り買い物をし、家で食べ、後片付けして、入浴を楽しみ、ネイルを整えながらDVDを観る
私の生活は完璧だ、満足だ
しかし、私生活にメールを送ってくるヤカラが一人
山田太陽です!もう一つ領収書があって、今月分として処理してほしいと
月曜判断しますだけ返す
その領収書は「テーマパークのチケット代」だった
聞くと「イベントのカフェの内装の参考のための視察」とのこと
喋りが終わらないので「処理します領収書ください」
「形態には連絡しないでくださいね」
「酔っ払ってて勢いやっちゃった感じで…」
なぜメアド知ってるですか?部外秘です
社内のゴシップガール「キリカ」に捕まる
山田さんはメリー(取引先の女性)からハニトラ書けられてるんです!と
彼女居るのに(自分だといいたい)
隣の席から「テーマパークは山田とキリカで言ってたらしいですよ」と写真を見せられる
「経費を私的に使うのは いけません!」
ここから調査が始まる
リスク考えるとイーブンになるわけないので、何か事情があるはず
調査を進めていくが「山田の努力は知ってる、山田太陽を信じてみるか」と思うようになる
そんなおり、食事どころで山田とキリカが喧嘩してるのを目撃する
「仕事だっつってんだろ」とかなんとかの言い合い
「信頼した私がバカだった」
ただ、なぜか山田は子供を連れている、そこに違和感はあった
山田が森若に気付く
「ふざけるな」と思いつつ「詳しくは明日会社でききます」と
山田は「信じてください」と強く言い放つ
さて、この話の真相は?シロかクロか? …で一話目終了
感想
今日はちょっと「ファン目線で好きだ!」っていう感情を全開で生きたいと思います
最近やってなかった「何がキライかより何が好きかで自分を語れよ!」で行きます
ちなみにこのセリフはルフィのセリフではありません
名前から予想したマンガとは、違うかった
おそらく作りたかったのは
「会計・税務知識の大人実学系マンガ」ではなく、
「経理部を主軸にした社内探偵 & 君の届け」だった
漫画版の話ですが「自分の理想の女性象」ドンピシャで、なんかしんどかった
自分より頭が良く、自分の信念と正義を持ち、背丈はどうでもいいが細くて、地味で「自分だけの幸せ」を定義し満喫している
「ちょっと美人すぎる」ことぐらいが、自分の想定と違うくらい、それくらい理想も理想
「お前が望む夢はこれやろ?」って突き付けられてる感じで「見透かされてる感」というか「現実とのギャップをウリウリってグリグリされてる感じ」が、ときめくたびに悲しくなった
ビジュアルも素晴らしい(自分ごのみ)
小説側を読んでないが、これは「マンガ版(森こさち先生)の功績」だと思うが
でも小説側の挿絵でも、全然良い
こちらは美人というか、化粧っ気のない純朴な黒髪女性の像
どちらも「地味だが飾らなくとも地の素敵さがある」という表現
絵とストーリーは、若干「少女漫画の文法」かなと
背中に星とかキラキラとかのトーンを背負ってたりするし、モノローグ多め出し
ただ、原作がそうなんだと思うけれど「主人公の心の声と、素を出せる時の喋り」の口調が中性的
たとえば「ああ、完璧だ」とか「いつまで続くんだよ!」「手間かけさせんなよ」とか
どちらかと言えば「仲良く無い仲の、外面の会話のはぶっきらぼう、心の声は乙女」とかのパターンのほうが多く、「素を出し始めるとぶっきらぼうになる」方が類型的にめずらしそう
これは少女漫画ではあまり観ない特徴(可愛く憧れで真似たい対象として書くので)
でも、そこが最高に良い!その”素”を見れることが、ちゃんと人格をとして認めてもらえることだとするなら
「イーブン」という思想・信条が素敵
「+であれ」とか「幸せたれ」ではなく「バランスしてたら良い」と言う考え方
善悪、優劣ではなく「収支が合ってたら」という「複式簿記的解決」が成っていれば、良しとする精神性
「得をする」という概念ではなく、それだけに「労多く得少ないことも多い」けれど、だからこその勧善懲悪ではない、公正性・公平性を軸に作劇が出来ている
というか、この人格もまた大好き
ストーリーは「探偵もの」にしたので、先を読みたいっていう引力はある
「経理部の実際の業務はおそらくこんな感じではない」ので、あくまでもエンタメ
「マンガで読む実用書」とかではない、のでそない人生の「生きていく知恵」にはならないかも
若干、「複式簿記の勘定科目」などの会計知識が出てくるか、どちらかというと「読む時に必要な知識」「知ってる前提」て教えてくれるわけではない
直感だが、おそらく「完結してから読む」のが一番気持ち良さそう
「先を読みたいっていう引力」があるだけに、「レイニードメ」感が強めかも
小説読もうかな?とちょっとかんがえはじめている
総評
三浦さんが推しの森若さんを観たければ読んで!
ちょっとした推理モノや、ライトサスペンスとして観ても良さそうなので、そういうのが好きな人にもおすすめ
最後までお読みくださり、ありがとうございます!
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