スコアを5打縮める為のフットゴルフマネジメント~練習ラウンドで確認する10のこと②~
本稿では、前回に引き続き「練習ラウンドで確認する10のこと」についてそれぞれ解説していきます。1.と2.については、前回の記事をご覧ください。(以下、再掲)
1.コースマップと実際の目で見た印象の違いを確認する
2.芝やバンカーの質を確認する
3.当日の天候とその時刻による風向きをチェックする
フットゴルフは、自然を相手にするスポーツです。雨が降ってフェアウェイが重くなればボールは転がりにくくなりますし、水溜まりが出来るとコースマネジメントも大きく変わってしまいますので、練習ラウンドと当日の天候は、必ず天気予報でチェックし、事前に対応策を考えておくようにしましょう。
雨の日は特に、排水溝の位置には注意してください。排水溝があるから低くなっているのか、元々低くなっているエリアに暗渠工事を施し、排水溝を作ったのかは良くわかりませんが、排水溝は、グラウンドの水はけを良くするために作られている為周囲よりも低いところにあり、雨が降ると水溜まりができやすいようになっていますので、雨予報の場合は避けるマネジメントを考えておくと良いでしょう。
なお、暗渠工事は以下の写真のように、排水溝からある一定方向に向かって樹木の枝葉のように配水管を繋げていくものなので、水溜りもこの枝葉に沿ってできることが多いということを覚えておくと、いつかのラウンドで役に立つかもしれません。
当日の天気の確認については、以下のサイトがお薦めです。私も、LPGAツアーのトーナメント運営のときには常にこのページを開いて天気を確認し、悪天候の対応に備えていましたが、このサイトのレーダーであれば、自分がいる場所の降水量が現在時刻の一時間先まで確認できるので、ラウンド中でも細かくチェックして急な雨に備えましょう。
なお、当日雨予報の場合には、ラウンド中にタオルを2枚以上持参すると良いでしょう。雨に濡れた体を拭くことで、移動中の体温の低下を防いだり、筋肉が固くなるのを防ぐことができますし、2枚あれば、汚れたボールを拭くのにも役立ちます。
雨のラウンドは、思いがけず泥や芝がボールにべっとりとこびりつきますが、ボールに土がついていると、転がるときにあらぬ方向に転がっていく可能性がありますので、気になったタイミングで適宜拭き取ると良いでしょう。また、雨が降ると足元が滑りやすくもなりますので、スパイクの裏の芝生を落としたり、こまめにタオルで拭いて水滴を取るようにすると滑りにくくなります。
ちなみに、ボールを拭く行為は現況のルールではホール間のみ許されていますので、事前に競技ルールやローカルルールを良く読み、適切なタイミングで行うようにしてください。
雨以外には、風向きにも注意が必要です。風は、一日の中では朝が一番穏やかで、夕方が一番吹き荒れます。練習ラウンドと本番のラウンド時刻が違う場合は、その点にも注意して風向きを確認すると良いでしょう。
なお、季節毎に風向きは変わるものですが、試合当日と前日では風向きはほとんど変わりませんので、強さだけに気を付けておけば大丈夫です。
風対策の考え方ですが、基本的に、ボールの回転数が高ければ高いほど、風の影響を受けやすくなりますので、向かい風や横風が強いときには無回転か縦回転のボールを多用するのが良いでしょう。風に負けない真っ直ぐな球が蹴れるはずです。
反対に、追い風のときはバックスピンのかかった高いドローボールで攻めるのが有効です。うまく風にのれれば、思いがけないビッグドライブが期待できます。
このように、スコアを伸ばす為には風を味方につけることも重要ですので、是非とも皆さんのマネジメントに風対策を取り入れてみてください。
4.コース全体の傾斜を確認する
前回の記事でも、傾斜の違いを確認する重要性については触れていますが、ここではもっと詳細な確認を行うことを意味しています。
例えばですが、ティーグラウンドに立った時、フェアウェイの右サイドと左サイドのどちらに蹴りだすのが良いでしょうか。
フットゴルフでは、右利きの人は右サイド、左利きの人は左サイドに蹴り出すのがセオリーなのですが、右サイドのフェアウェイが上り坂になっていて、左サイドのフェアウェイが下り坂になっていた場合はどうでしょうか。右利きの人でも、左サイドを狙ったほうがランが稼げそうなので、左サイドを狙いますよね?
このように、コースの傾斜によって蹴る方向やキックの種類を変えなくてはならない可能性が十分にありますので、練習ラウンドの際はできる限り多くの傾斜を確認し、細かいところまでチェックするようにしてください。
なお、練習ラウンドの場合は、両方蹴ってみて、良いほうを本番で選択するということもできますので、できること、考えられることは全てやってみるのが良いでしょう。
5.ボールの置き所を探す
傾斜を読むのと同時にやらなければならないのが、ボールの置き所を見つける作業です。これについては以前の記事(アンジュレーションを読む)に細かく書きましたので、今回は割愛させて頂きますが、ボールの置き所を探す作業はスコアに一番直結するマネジメントですので、時間をかけてでもしっかりと対策をすることが重要です。
6.狙いどころとなるラインの目印を探す
これも、以前の記事(アンジュレーションを読む)に書かせて頂きましたので今回は割愛致しますが、具体的な表現で言うならば、「5番のミドルホールのティーキックは、右側のカート道より右に蹴ってはならない」とか、「12番のショートホールは林の奥の鉄塔めがけて蹴るのが安全策だが、イチかバチかを狙うなら、グリーン手前のバンカーを通す」となります。
つまり、この6.(狙いどころとなるラインの目印を探す)は、具体的な目標物を定め、その目標物から見てどうするかを言語化することにより、覚えやすく忘れにくくするということが目的です。
「わざわざそんなことしなくてもいいよ」と思う方もいると思うのですが、皆さんは、人前に立って何かを発表しようとしたときに、緊張して頭が真っ白になってうまく喋れなかったことはありませんか?
フットゴルフの競技の場合、優勝争いしている最中は、少なくともこの状況と同じかそれ以上の緊張が襲い掛かってきます。緊張に弱い選手は間違いなく浮足出し、頭が真っ白になるでしょう。そうなった際、すぐに思い出せるようにしておくほうが、冷静さを取り戻しやすくなりますし、緊張はほぐれなくとも普段のルーティーンに持って行くことはできるはずなので、念には念をの精神で、本番に備えて言語化しておくことをお薦めします。