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スポーツがくれたもの~その後~

先日、Panasonic×noteが主催する「#スポーツがくれたもの」コンテストというものがありました。応募詳細はこちらをご覧ください。

これを見たときに、「あ、これは自分が生きていく中で感じていた課題感を世の中の人に知ってもらう良い機会かもしれない」と思ったので、頑張って記事を書き応募してみたのですが、なんと今回、2,701通の応募作品の中から1人しか選ばれない、コンテストの主催者であるPanasonic様のお名前がついた『Panasonic賞』というものを頂いてしまいました。選考頂いた皆様、選んで頂き本当にありがとうございます。受賞作品は以下になりますので、ご興味ある方はご覧頂き、ぽちっといいね押してくれると喜びます。

【受賞作品はこちら】


【審査結果はこちら】


なお、執筆にあたっては、今までにあまり語られてこなかった概念や考え方マイノリティな立ち位置から見えるいびつな世界というものをしっかりと認識してもらえるよう意識しながら、時流に沿ったタイムリーな話題に繋がるよう構成を考えていったのですが、書かせて頂いた記事の本質的な課題感については、私が22歳でがんになった2004年からずっと感じていたことです。

詳細は記事を読んで頂ければご理解を頂けると思うのですが、この記事で私が伝えたかったことを一言でまとめると、「世の中は、普通じゃない人にとっては結構生きづらい」ということです。しかもその感覚は、私が退院してからの16年間、ほとんど変わることがありませんでした。

世間では、SDGsやらサステナブルなどという言葉がようやっと浸透してきていますが、マイナス側にいる人間がゼロの立ち位置に戻ることさえ難しいというのが現状だからこそ、SDGsの17の約束が「貧困をなくそう」とか、「飢餓をゼロに」とか、マイナスをプラスに持っていく発想ではなく、まずはゼロにしようよと謳っているいるのだと思います。

ただ、そんな中でも私にとっては、マイナスをプラスに”リジェネレーション”する、いくつかの希望の種みたいなものが見えていたりします。

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社会的弱者が提供する価値

私はがんになるまで、自分の人生を通じて、自分の行動が誰かを勇気づけたとか、自分の発言が誰かの糧になるといった経験をしたことがありませんでした。恥ずかしながら、自分のことしか考えていない、身勝手で我儘な、そしてどこにでもいる、平々凡々とした人生を送っている学生だったと思います。

それなのに、がんになってからは、"何かをするだけで人に影響を与えている"と実感することが多くなりました。

ある友人からは、「軍司君が頑張っているのを見てもう一度夢に挑戦したいと思った。」と言われ、その数ヶ月後には、「軍司君のおかげで転職できた。ありがとう。」と言われました。

別の友人からは、「今までは自分に甘えていたけど、お前の頑張りを見ていたら、いつ死んでも良いように全力を尽くさなければいけないし、後悔しないように生きなければならないと思った。」と言われました。数ヶ月後、別れた彼女と話し合って寄りを戻したと報告があり、感謝されました。

他にも、当時を振り返ればきりがない程、本当に多くの人からお礼を言われました。でも、正直なところ、やっていたことはほとんど変わりません。むしろ、がんになってからは普通に生きていくことも大変だったので、誰かの為に行動するという発想はなかなかでてきませんでした。

変わったのは、がんの前と後、ただそれだけ。唯一変わったとするならば、私がどちらかと言えば社会的弱者になり、そのことを周りの人が知ったからでしょうか。

でも、たったそれだけのことで、がんになる前は”何者でもなかった自分”が、がんになり、当たり前にできていたことができなくなったことで、"当たり前のことをやるだけで評価され、その行動や努力が人に勇気を与える”ようになったのです。がんの前と後で、明らかに自分の行動に価値が生まれたことを実感するようになっていったのです。

いつの日か、自分は”人に価値を提供できる人材”になったのだとはっきりと認知するようになりました。(自分で宣言するのは憚られるものの、これを言わないと話が進まないので今回は言わせて頂きます(笑))

繰り返しますが、私には才能はありません。対して努力もできません。人並みに頑張っているだけです。でも、そんな自分でも、マイナスの中でもがき苦しむその姿勢が、誰かの心を打つことを知ったのです。

更には、自分の行動が周りの人たちに何らかの価値を提供し、喜んでもらえているということを認識したことによって、今度は自分が「もっと色々頑張ろう」と思えるようにもなりました。フットゴルフを頑張れたのも、自分のような”非健常者”でもやればできるということを示すことで、自分の努力が誰かの糧になると確信できたからです。事実、今までの自分ではなし得る事が難しかったであろうワールドカップ出場という夢も、誰かの為になるならばという新たな価値がやる気を引き出し、自分を奮い立たせてくれました。きっと、がんになる前の私のままだったら、出場することさえ難しかったはずです。

困難に直面しもがき苦しんでいる自分が頑張り、それを見た誰かが頑張れる。そして、その誰かが頑張っていることを思って、また自分が頑張れる。この”やる気の価値循環(なんか新しいコトバ考えたいです!)”は、私以上に生きづらい世の中を生きている真の社会的弱者の希望の光となり、彼らに生きる気力や活力、目標を生み出すのではないかと考えています。そして彼らの行動は、”マイナスをゼロにする”だけでなく、プラスに持っていく、リジェネレーティブなパワーがあるのではないかと思うのです。

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ただ、残念ながら、マイナスの中にいる人たちがどれだけ頑張ったとしても、その努力が世の中の人たちに伝わらなければ価値は半減してしまいます。重要なのは、自分が今マイナスの中にいて、もがき苦しんでいる存在であるということを認知してもらい、その中で頑張る、ということだと思います。

私が敢えて闘病の話をしているのも、自分がマイナス側の人間であるということを知ってもらう為です。「スポーツがくれたもの」コンテストへの応募も、私ががんサバイバーであることを伝える為の一つの手段になると考えたからです。

しかしながら、この”やる気の価値循環”をサステナブルにする為の理想的な仕組みは、今の世の中にはあまりありません。スポーツ界で言えば、パラリンピックやスペシャルオリンピックス等は一つの形として成立していると思いますが、前述したように、世の中はまだ”マイナスをゼロにしよう”と声高らかに叫んでいる状態です。そんな時代には、マイナスがプラスになるほどの圧倒的パワーのあるモノは一朝一夕では作れないでしょう。ただ、それでも、マイナス側にいる彼らの努力を認知してもらう為の”舞台”は必要だし、創出しなければならないと思うのです。

そしてその舞台の一つになりえるのが、スポーツ界では"eSports"なのではないかと考えています。

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一緒にeSportsの価値を創出してくれるメンバーを募集します

eSportsはご存じの通り、体の不自由な方でもプレーすることができます。場所も選ばない為、寝たきりの方でもプレーできます。接触プレーがない為、老若男女問わず競い合うこともできるでしょう。その可能性は無限大です。


前々からずっと考えていた、「健常者と障害者の狭間にいる非健常者にも競技スポーツを嗜む権利と機会を創出する」為には、いつでもどこでも、そして誰とでも競い合えるeSportsが最適だと考えています。Sports X Leaders Programで知り合った仲間や会社の有志と共に、素敵な構想も考えているところです。

しかしながら、一言でeSportsと言ってもその世界は広く、様々な業界団体がある為、どこからどうやって何をしたら良いかが全く見えていない状況です。そこで、以下に該当する友人知人がいらっしゃる方、是非とも私にご紹介を頂けないでしょうか。
ご協力頂ける方は、カキコかメッセージかでお声掛け頂きますと嬉しいです。

【目的】
・将来的に、健常者でも障がい者でもない人たちでも競技スポーツを嗜む権利と機会、競技環境をeSportsで創出する
・eSportsを通じて”やる気の価値循環”を図る仕組みを構築する
【ご紹介頂きたい方たちの例】
1.障害を持っている方でパラリンピックの出場資格を持たない方
2.健常者に分類されるものの、スポーツの世界において、自分は健常者と競い合うべきではないと思っている方(私のように貧血や内臓疾患、筋力低下等の障害をお待ちでスポーツを諦めた経験のある方)
3.同じような課題感を持っている人、もしくは持っていそうな人
4.お前がやろうとしてるようなこと既にやってるよ、な人
5.なんか面白そうだから支援しちゃうよ、的な素敵な人
6.esportsの世界で、同じような目的意識を持っている方、活動している方
7.スポーツの力を使って社会を変えたい(リジェネレーションしたい)方


できれば一生スポーツをやりたいと思っている方だと尚嬉しいです。
なお、ご紹介頂く方には、スポーツ界をよりよくしていく為に、センシティブな話までヒアリングさせて頂きたいと考えておりますので、予めご了承くださいませ。最初に私の話からさせて頂いても構いません。

ご興味ある方は私のSNSアカウントまでご一報ください。
https://twitter.com/kazuhisagunji

友人知人は紹介できないけどお前の意気込みは買うぜ!って方は是非ともシェアお願いします!

今回も私の記事をご覧頂き、ありがとうございました。

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