環境に適応するということ
1.環境に適応するということ
コロナウイルスの影響は様々なところに現れています。買い物、娯楽、働き方、ひいては生き方というところにまで。
人間よりも恐竜の方が個体としては遥かに強いけれども、そんな恐竜が生き残れなかったのは環境に適応できなかったから。
そんなことをどなたかがおっしゃっていました(すみません、どこで見たのかは忘れてしまいました…)。
これって、まさに今、私たちが直面している現状においても、非常に重要なことであると改めて感じています。
テレワークに切り替える企業が増え、テイクアウトやデリバリーに対応する飲食店が増え、zoomを始めとしたオンライン会議やビデオ通話が人気を集め、素早く行動できる人は、どんどんその行動を変えています。
やはりそのように行動できる人、企業は、この異例の事態においても確実に生き残っていくことができるのだと思います(もちろん、そこには様々な事情があると思いますので、それがすべてではないということは言うまでもなく、失業してしまった人や倒産してしまった企業を否定する意図はありません)。
2.介護現場の環境適応力
さて、ここからは、介護現場ではどのように環境に適応しているのかを見てまいります。
介護職の方なら共感いただけるのではないかと思いますが、介護現場ってなかなか新しいことが浸透しません。
これってなんでなんでしょうね?
いろいろな要因があると思いますので、これもまたじっくり考えていきたいテーマではあります(社会的要請が強いことや介護保険に頼った収益構造にその一端があるような気がしています)。
実際に、私がこのことを最も感じたのは、「記録の電子化」を進めていたときです。
介護現場は肉体労働的なイメージが強いかもしれませんが(実際にそういうハードな側面もありますが)、実は観察や記録という業務がとても多いのです(これは介護保険に支えられている事業だから)。
それを、これまではすべて手書きで、紙面に残していました。
人によると思いますが、私にとってはなかなかの苦行でした…( ̄▽ ̄;)
同じように感じていた人は多いと思っているのですが、それでも始めは記録システムの導入に反対の声が多く、導入してからも文句ばかりの日々。
こうした方が便利、ご利用者にとっても、自分たち職員にとっても良いことであると、心の中で思っていても、新しいこと、これまでと違うことはしたくない、そんな考えの人がいかに多いかということを痛感しました。
ケアの仕方や、雑務というか日々のルーティン業務などにおいても同様です。
「それをその時間にやる意味がわからない謎の伝統ルール」が存在している事業所なんかも多いのではないでしょうか。
少なくとも、私が携わってきた施設はそういうところが多かったと感じています。
まあ、そんな感じですから、当然に今この状況下におかれましても、柔軟な考え方ができる人は多くありません(そもそもテレワークができる業種ではないという側面もありますが)。
しかしながら、裏を返すと、こんな状況でも、これまで通りご利用者と関わるということを、実直に続けている人が多いとも感じられます。
事業形態や個々の状況によっては、休業している介護事業所もありますが、入居事業など休業するわけにはいかない事業も多く、たくさんの介護士や医療職に支えられているのが現状であることは間違いありません。
新しいことに取り組むことが苦手な介護現場、当然に業界自体が淘汰されることは考えられませんが、人々がより良く生きていける社会を目指すためには(それは、高齢者を始めとする介護が必要な人にとっても、介護に関わる仕事をする人にとっても)、環境に適応する力を身に付けていくことは求めれらていくのだろうと感じています。
「介護」や「終活」の情報を堅く、重苦しくなく伝えています! その他、「仕事と介護の両立」や「介護職員のキャリア支援」に取り組んでいます。