その時がきた、しかたがない【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0173】

レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】私に関するいくつかの好ましくない点/リディア・デイヴィス ○
この作者の男女は、いつも関係が上手くいっておらず、コミュニケーション不全ばかりである。「彼を嫌な気持ちにさせるものが私の中にあると聞かされるのはつらかった」という感じだ。女性は、自分なりに嫌な気持ちにさせるものを考えるのだが、しっくりくるくるものはない。コミュニケーシュンの問題は、必ず個別になるであろうから、「正しい答え」はきっと見つからないのだ。

【詩・俳句・短歌・歌詞】雪崩のとき/石垣りん ○
四季が移ろいゆくように、社会や人は必然的に変化してゆくのだろうか。この詩の作者は、その変化の胎動を、「その時がきた」「しかたがない」という人々の心のうちに見て、指摘している。雪崩は、とても小さな崩れから起きるようだが、世の中の変化も一人ひとりの心が変わり、ある意味で不可逆な結果を導びくまで、進んでしまうのだろう。

【論考】崩壊願望/池田晶子 ○
「生命は尊くも卑しくもない自然現象です」と筆者は言う。この前提に我々は立つべきだし、この前提に立つと、人間の意志がどこにあるのかが問題になる。この論考では言及されていないが、それでも理由なく、人は意志すべきなのかもしれない。多くの自然発生的な意志が、社会を存続させ、変化を生み出しているように思う。

このエントリーは、下記からの転載です。
https://kazuhiq.com/20230526/bradbury0173/

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